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#20 婚約者だけど友達。

 

 とりあえず、体力をつけたいとは私も思っていた。


 帰ったら体力作りだ。


「やっぱり、ランニングかなぁ。」


「なにがランニングなんだ?」


「ひぇっ?」


 な、なんで桐崎 隼がここに!?


 急に話しかけるなよ!


 変な声が出ちゃったじゃないか!


「ハハハ、変な声だな。目を覚ましたって聞いたから来たんだ。」


「お、お医者さまは?」


「すぐに来る。途中でこっちに向かってるの見たしな。ああ、ほら。」


「あら、桐崎様、お話中申し訳ありませんが、


 診察しても宜しいですか?」


「ああ、構わない。」


「では、ご退出ください。」


「なぜだ、俺もここにいる。愛梨は俺の婚約者だ。」


「しかし、愛梨様ももうレディなのです。」


「……そ、そうか。それもそうだな。


 では、廊下にいるから、終わったら声をかけろ。」


「かしこまりました。」


 ぷっ、な、何あれ。めっちゃ可愛い!


 意味わかった途端真っ赤になっちゃって。


 まだ6歳なのに。いや、幼いからこそか?


「愛梨様、痛みや違和感はありませんか?」


「はい。」


「……本当に不思議なことに、愛梨様は崖から落ちて


 怪我1つしていません。これは奇跡としか言いようがありません。


 きっと神に愛されているのですね。」


「はぁ。」


「でもまあ念の為今晩は入院しましょう。」


「あ、先生。オリエンテーリングはどうなったのでしょうか。」


「私はあくまで医師なので詳しくは知りませんが、


 恐らく中止になったのではないでしょうか。」


「私どのくらい眠っていたんですか?」


「ああ、割とすぐ目を覚ましましたよ。崖から落ちた割には。

 

 ほんの5、6時間です。」


「そうですか。」


 今は夕方くらいか。もう終わってるな。


 はあ、中止になったんなら順位とか


 どうなったんだろう。やっぱりなしになっちゃったのかな。


 みんな頑張っていたのに悪いことしたなぁ。


 学校行ったら聞いてみよう。


 あ、いや隼がいたじゃないか。


 診察を終えて着替え終わってから医師の人達が出て行くと


 隼が入って来た。


「それで、調子はどうだ?怪我1つ無かったと聞いたんだが。」


「はい、そのようですね。」


「では、本当なのか。すごいな……。崖から落ちたんだろう?」


「お医者様も奇跡だとおっしゃっていました。」


「ああ、奇跡としか言いようがない。」


「オリエンテーリングはどうなったのですか?」


「え?ああ、中止になった。」


「やっぱり……。」


「そ、そんな落ち込むなよ?お前が悪い訳ではない。


 そもそもあれは危険な場所が多かった。誰かしら怪我人は出ただろう。


 お前が崖から落ちなくてもきっと中止になっていた。


 ならなくても来年からはなくなるだろう。」


 ……なんか、あの桐崎 隼が、優しい。気がする。


 それがなんだかおかしくて、つい笑ってしまった。


「なんだ。なにが面白い。」


「アハハ、いえ、優しいなーと思って。」


「良いことだろう?」


「はい、良いことですよ。ありがとうございます。」


「な、フン。あの最近一緒にいる、名前はなんだったか。


 確か、比奈?あの女子の方がよっぽど心配していたぞ。」


 ああ、比奈ちゃん。そりゃあ心配するよね。目の前で落ちたんだし。


 あとで謝っておこう。


「じゃあ、俺はもう帰るが、きちんと休めよ?ではまたな。」


「あ、隼様!」


「なんだ。」


「喋り方、前の方が好きですよ。」


「はっ?いやでも、もう初等部に上がったから威厳ある話し方


 をしろとお父様に言われたんだ。」


「でも、私はその話し方は偉そうで嫌です。私達は婚約者なのでしょう?」


「わ、わかった。じゃあ、お前と話すときはもっと気楽に話そう。


 その代わりお前ももっと気楽に話せ。」


 え、うーん、まいっか。友達目指してるんだしね。


「わかった。私も崩す。ねえ、友達になってくれない?」


「友達?婚約者なのに?」


「うん。婚約なんてまだまだ遠い先の話でしょ?今は友達。」


「わかった。じゃあ、改めてよろしくな、愛梨。」


「うん、よろしくね、隼。」


「え、今隼って……。」


「あ、ごめん。でも……友達でしょ?」


「そうだな。じゃあ、隼で良い。」


 こうして私は隼と友達になった。ーーーー







※また3日程空くかもしれません。

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