#14 クラス替え。
クラス替えって不安ですよね。
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「ーーそれでは皆さん、学校生活をより良いものにしましょう。」
ーー学園長の話、長い。
やはりどこも校長というのは話が長いのだろうか。
話が長ければ長いほど威厳があるとかいう風潮が案外あるのかもしれない。
とはいえやっと長かった話が終わり、進級式は終了。
私は初等部1年になった。
あっというまだなあ。
制服も変わった。
サスペンダーが無くなって、ブレザーになった。
スカートはチェック柄。リボンが可愛い!
小学生なのに私服じゃないのが変な感じ。
今日はこの後クラス発表があって下校だ。
でも、クラス替えが一番不安要素だったりする。
何せエスカレーター式学校だからか
これから初等部の間はずっと同じクラスなのだ。
次のクラス替えは中等部に上がるまで無い。
つまり今日、今後6年間を共にするクラスメイトが決まる。
ーー攻略メンバーとは離れますように。
「おう、愛梨。同じクラスだな。」
「愛梨サマ。また一緒のクラスだね〜。」
ーーどうしてこうなった!!
なんと見事同じクラスになってしまった。
しかも!
ーー増えてる。
まだ関わりのない攻略メンバーまで同じクラスになってしまった。
斎藤 晴人。
めちゃくちゃ頭良くて運動神経も良い超人。
でも頭が良すぎるからか結構変人。
基本は顔色を変えなくて敬語。ある意味マイペース。
ヒロインを好きになった時も「私、あなたのこと好きですよ。」
となんてことないようにさらっと告白した。
そんなキャラ。
本当になんで同じクラスなってしまったのか。
ま、まあ、こっちから関わらなければ良い話だ。
それにしても、初等部の時点で栄華学園にいる攻略メンバー
全員このクラスじゃないか。
こんなクラスで6年間も?
ーーうわぁ……やっていける自信ないわぁ。
「愛梨様!一緒ですね!嬉しいです!」
そうだ、この子がいた。
この子は小嶋 比奈ちゃん。
幼稚部時代で仲良くしていた子の1人だ。
「ええ、私も嬉しいわ。比奈ちゃん、これからもよろしくね。」
「はい!もちろん!」
今はちょっと興奮気味だが普段はおっとりとした感じの子なのだ。
身長が低くて、たれ目がちな目に茶色っぽいふわっとした髪で可愛い。
小動物系女子って感じ。
他の子達とは結構離れてしまったから
馴染みの顔を見るとなんだか安心する。
よし、クラスも確認したし、帰るか。
「あ、愛梨様ー。」
帰って部屋に向かう途中、廊下でシロさんに声をかけられた。
「こないだのクッキーどうだったー?」
ギクリ
「上手くいきましたよ?」
結果的には、ね。
「良かったねえ。僕、最後らへんいなかったからなあ。
最後のだけは後で見たけど、見ただけじゃ味はわかんないし。」
「味は、その、ちょっと、甘さ控えめっていうか……甘くなかったです。」
「ええ?どうして?ちゃんと僕の書いといたレシピ通りに作った?」
「うーん。レシピ通りに作ったつもりだったんですけど、
なんか砂糖忘れてたかもしれないんです。」
疲れてたからあんま覚えてないんだよなー。
「砂糖?それ忘れたらただの生地の味になっちゃったんじゃない?」
「それが、隼様は甘いものが苦手だったらしくて喜ばれました。」
「え、苦手?じゃあ、苦手なものプレゼントするつもりだったの?」
「まさか!知らなかったんですよ。」
それじゃ嫌がらせじゃないか。
どうして婚約者に嫌がらせすると思われてるんだ。
「なら危ないとこだったね。結果オーライかな?」
おお、私と同じことを。
「ですね。」
「またお菓子作る時とかは言ってねー。」
「はい。ありがたいです。」
「ばいばーい。」
相変わらずゆるいなあ。
癒されるわぁ。
※クラス替えだけだと話が短くなってしまったのでシロさん導入。