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半分魔女になりました。  作者: まひろ
第二章 私の始まり
17/19

私の仕事環境

お待たせしました。

毎度の事ながらなぜこうなった?

こんな拙いものでも楽しんでいただければ幸いです。

 はい、撫子です。

 えっと、実は訓練内容が変わりました。

 魔力操作よりも前に体力作りをしましょう、と言う話になりました。

 という訳で、今現在私のやっている事は、食事所クトゥルフで従業員やってます、両手両足に一つ1kgの重り系四つで合計4kgの重りを付けてですが……正直こんなのでも今の私にはきつかったりします。

 いくら何でもそこまできつい分けないだろう、って思う人もいるのかもしれませんが言い訳を聞いてください!体力作りをする前だったんですがあまりにも私の運動能力が低すぎて身体測定と体力測定したんですよ。結果として身長は140無かったんです……135.5しか無かったんです。体重はって、-105すればいいんじゃないかな?スリーサイズ?この体に関係あるんですかね!?(怒)

 身体測定は何一つとして納得いかなかったですよ……それは体力測定もなんですがね?

 大体今の私の体って10歳前後らしいんですよ。で、体力測定の結果を言うならほっといてって感じに……握力は8キロでした……6歳以下なんですよ、信じられます?他にも50メートルは13秒でしたし、ボール投げは4メートル、立ち幅跳びは70センチメートルと言う快挙を遂げましたよ!!全部6歳児女子の平均以下!!

 師匠とイホウンデーさんはこの結果を見て『さすがにこれは駄目だろう』って感じになって急遽現在行っているような体力作りに以降したのでした。

 そして現在、食事所クトゥルフはお昼を迎えています。

 なぜかこの一月でお客さんが徐々に増えて、今ではお昼などの書き入れ時は満席になります、もっとも普通に客足が増えるならいいことだったんですが……

  

「撫子ちゃん、注文いいかな?」

 お仕事をしているとお店にいるお客さんから声が掛かりました。


「はーい、ちょっと待っててくださいね」

 そうして私は返事をしてお客さんの所に向かうのです。


 ― ズシッ、ズシッ、ズシッ、ズシッ ―


「ぜえっ、ぜえっ、お……お待たせしました、ご注文はなんですか?」


「……相変わらずいつも極限状態だね、日替わり定食で」


「う……承りました」

 注文を受け取ると私はゆっくりした重い足取りでカウンターに向かうのです。


 ― ズシッ、ズシッ、ズシッ、ズシッ ―


 一応言っておきますが、別に仕事が嫌だからこんな風になってるわけじゃないんです。

 私の身体能力がヘボ過ぎるのは先程説明しましたよね。つまり今現在私のHPは既に0だったりします。

 ラッシュ開始5分でHPは既に0になり、後はこの状態がずっと続いちゃうので、お客さんを単純に捌けなくなっちゃうんです……地球でのアルバイトだったら初日で首ものです……。

 さらに私は今汗を大量にかきながら仕事しているので衛生面でも駄目駄目なわけで……今現在のこのお店の状態を纏めるのなら、『接客悪い』『料理が遅い』『衛生面に難あり』と言う駄目っぷりで、しかもこれ私が働き始めてから起こった事なんですよね……お荷物ですよ、私。

 このまま私が働き続けたらこのお店潰れるんじゃ?と本気で心配してたんですが……なぜか総合的な売り上げは伸びてると言う……なぜでしょう?

 

 そうこうしているうちにラッシュも終了しました……ただ、11:30~16:00位まで永遠とラッシュだったんですが、この国大丈夫なんでしょうか、皆さん何の仕事してるんでしょうね?

 ラッシュが終了してとりあえず師匠やイホウンデーさんと一緒に厨房でお茶を飲みながら休憩に入りました。

 今はおやつにプリンを食べてもいいことになってるのです、この一仕事終えた後に食べるプリンがすっごくおいしいのです。そして休憩中の会話は自然と最近のこのラッシュの話になっていったんです。

 だから最近思う事を私は切り出したのです、私の体力作りはともかく私一人でお客さんを捌くのはきっと無理があるんです!!って当たり前のような事を今更ですが切り出したわけです!つまり何が言いたいかと言うと……


「お店のためにも従業員増やしましょう!!タダで手に入って暇そうにしてる奴が一人いると思うんです!」


「うぅ?そんな人手ぇ、いたっけぇ?」


「いるのなら欲しいところですね、最近はうちとお母様は厨房から離れられない状況ですし……ペースそのものはゆっくりなんですが間が無いんですよね」


「います!一人います!!最近姿が見えませんがトリックスターって奴がいるの忘れてませんか!!?あんなでも見た目は美少女なんできっとそれなりの需要はあると思うのです!!」

 そんな風に力説した私なんですが、師匠とイホウンデーさんからは微妙と言うか気まずいような顔をされました……私変な事言いましたか!!?……若干は言ってる気がする。


「……お母様、もしかして撫子ちゃんに何の説明もしてなかったりしますか?」


「えっとぉ……してなかったかもぉ、うっかりぃ~」


「うっかりってお母様……撫子ちゃんのことを思うと、さすがにそれは配慮に欠けるといいますか」

 ……何なんでしょうか、師匠とイホウンデーさんの会話で私は蚊帳の外みたいな感じは、そしてなんだか嫌な予感がします。


「師匠……何か私にとって不味い事でも隠してたりするの?」

 師匠に問いただそうとしたら……師匠は既にそこにはいなかった、仕方ないのでイホウンデーさんのほうを『じ~~~~~~……』っと見て見た。

 そうしていたらイホウンデーさんは覚悟を決めたみたいに私に話し始めました……ちょっと待って!?そんな覚悟決めたようにならなきゃ私に話せないことなの!!?


「えっと……撫子ちゃん、旦那様は今撫子ちゃんが手足につけてるリングになってるのだけど」

 話された内容は最初意味が分からなかったんですが、段々その話の内容が分かってくると……私は叫ばずにはいられませんでした。


「…………はいぃぃぃぃい!!?」

 っえ!?っええ!!?どういうこと!!?どういうことなんですか!!!?

 私の手足につけてるリングがトリックスター!!?今このリングは重石になってますけどその前は魔力制御用でしたし、訓練の最初からずっと着けてる物なんですが……

 つまりつまり……魔力制御の時縛り上げられて苦しんだ事や、今もこの重りの所為で苦しめてきたこのリングはトリックスターだったと?

 いえ……問題はそこじゃないと思うんです、トイレ行く時も、お風呂の時も、外れなくて常に着けたままでしたよね、着替えの時も着いてましたよね、全部見られてた?

 ……いやいやいや、まだすごく嫌ですけどほんの少しの希望はあるはず!

 そんな事を考えていたんですが、それを見ていたイホウンデーさんが心配そうな顔をして見ていました。

 私そんな心配されるような行動とっていたんですかね?何にしろ確認せねば、その内容次第ではどんな行動とるか分かりませんが……


「イホウンデーさん一つ聞きたいことが、これがトリックスターって言ってましたけど……この状態になっている時トリックスターの意識はどうなってるんですか?」


「あっ……えっと、そのぉ……」

 『あっ』って何ですか?ちょっと待ってください、その流れだと私の希望が砕かれてるかもなんですが?


「そのリングの時は、常に覚醒状態です……ごめんなさい、うちそれらの事は知ってるものとばかり……」

 やっぱり希望は所詮希望だったという事ですか……つまり……見られたくないものが全部見られていたって事ですか……


「…………あああぁぁぁぁああぁぁぁぁあぁぁぁぁぁああぁあああぁぁぁあぁぁぁあぁぁ!!」

 

 ― ガン!ガン!ガン!ガン!ガン!ガン!ガン! ―


 突然の私の行動にイホウンデーさんは唖然として動きが止まってしまいました。

 しかし私自身周りが見えなくなっていて、ひたすら同じ動作を繰り返してました。


 ― ガン!ガン!ガン!ガン!ガン!ガン!ガン! ―


 全部見られたた!?全部見られてた!!?全部見られてた!!!?

 とりあえず叫びながらひたすらリングを厨房にある机の硬い角に何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、叩きつけました!!!

 こいつ自身の所為じゃ無かったとしても、そんな事は関係ありません!今の私にとってトリックスター(こいつ)は悪です!!木っ端微塵に粉砕してくれる!!そして全てを無かった事に!!

 そんな風にして暴れていたんですが、ようやく立ち直ったイホウンデーさんが私を止めに入りました。


「ちょっと待って、落ち着いて撫子ちゃん!怒るのは分かるけど落ち着いて!それ以上やったら旦那様が砕けますが、それでも旦那様は死にませんし、元に戻した時【閲覧注意】状態になって撫子ちゃんがダメージを受けるだけになってしまいます!」

 イホウンデーさんはそう言って私を止めようとしてくれたんですが、感情が暴走している私は言葉では折り合いがつかず……


「だってぇ……だってぇ……うううぅぅぅ、やっぱりヤダぁぁぁ!壊す!絶対これ壊す!!」

 私がそう言って、またリングを壊す動作に入ると慌ててイホウンデーさんが今度は力ずくで私を羽交い絞めにして止めました。

 でも今感情で動いてる私はそんな事は気にせず無理矢理動こうと暴れていました。


「あ、あれ、結構本気じゃないと止められない!?っと、落ち着いて撫子ちゃん、壊したかったらはずした後、ハンマーでも何でも持ってくるから、今回は旦那様をどんな風に扱ってもいいからとりあえず落ち着いて、それ以上今の状態で叩き続けたら撫子ちゃんの手足のほうが壊れちゃうから!」

 そう言われて手足を確認して見ました。

 私の手足には酷い青あざがいっぱいついていました、しかも結構腫れてきていて自分でも折れてないか心配になってきました。しかも切り傷や擦り傷もたくさんついてます、気がついたら痛みが襲ってきました。

 とりあえず痛みのためか落ち着いたので手当てでもしようと思ったのですが……リングが邪魔です。そういえばこれはずせないからこんなことしてたんですよね……


「痛い……でもこれ外れないし、どうしよう」


「あ、大丈夫ですよ。今回うちから、不可抗力とはいえこの事態を引き起こした旦那様には制裁を加えるので、無理矢理はずします」

 そう言うとイホウンデーさんは私のリングに手をかけました。


 ― メギョッ ―


 その音がなった後、私の左手首にあったリングはなくなっていました。


 「……え?」


 ― メギョッ×3 ―


 その後同時に三つの音が……私の手足にはリングが()()に無くなっていました。字が違う?いえ、これであってると思いますよ……状況的に。

 イホウンデーさんの右手には元リングだったであろう帯状の物がねじり上げられていました。プルプル震えていましたね……元リングが。イホウンデーさん微妙に怒っているのかもしれませんね、何に怒っているのかは……対象が多すぎて分かりませんね、考えるのはやめましょう。

 その後はイホウンデーさんが私の手足を手当てしてくれました。


「さて、見た目通り怪我が結構酷いので治るまでは仕事はお休みです」

 手当て後、仕事は休むように言われました。ですが最近の状況を考えると人手が足りなくなるのは致命的なのでは?……こらソコ!私はいてもいなくても変わらないとか思わないで下さい!

 とまあ、そう心配していたらイホウンデーさんはこう答えました。


「大丈夫ですよ撫子ちゃん、お客さんの入り具合は多分大丈夫、それに今回の事はさすがにお母様にも制裁を加えないと……()()()()()()()()()()()()()()から」

 ……師匠、どうやらイホウンデーさんは逃げた師匠にご立腹みたいですよ?

 とりあえず、死なないように頑張ってくださいね。

 





◆◇◆◇◆◇





― 現帯、元リングにされた人の嘆き ―

(今回の事、ボク悪くないよね?どちらかと言うとボクも被害者の立場になるよね?元凶は母上だよね?なのに何でこんな仕打ちを受けなきゃならないんだろうか?

そして確かにこの程度じゃボクは死ぬ事はないんですが、これもとの姿に戻った時、結構スプラッタな状態になっているんですが?イホウンデー、君仮にもボクの妻って立場なのに……夫に容赦ないよね?……グフッ)

 だが、この嘆きは誰にも届く事はなかった……

  

 






撫子) 痛い痛い痛い!手足が滅茶苦茶痛いのです!

作者) 自分の手足をぶっ壊すまで打ちつけるってどうなの?

撫子) あなたの所為でしょうが!!?

作者) え?そうなの?

撫子) ここででも説明してくれればこんな事には!!

作者) それは無理、ここの記憶って本編には引き継がれないし……

撫子) じゃあこの怪我なんですか!!?

作者) 本編の状況はここに引き継がれたりするのだよ。

撫子) こんな楽屋裏みたいなところなのに理不尽な!!

作者) それも運命ってやつでは?

撫子) orz


という訳で今回はここまでです。

こんな拙いものでも読んでいただきありがとうございます。



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