私の体は特訓でボロボロよ!
お待たせしました。
今回はすごーーーーく迷走してます……ま、いつもの事なんですが!
こんな拙いものでも楽しんでいただければ幸いです。
― バチィィィン!! ―
軽快にギプスは今日も唸り撫子を締め上げる。
「にゃあぁぁぁっぁ!!」
特訓開始から一ヶ月経ちましたが魔力の扱い方なんて分かりません!!
今日も今日とてギプスは真っ赤に光、私はジタバタともがいてます……不味いです、このまま進展無しだと今日も白いご飯だけになります!ご飯が食べられるだけマシと思われるかもしれませんが、三食全部が白いご飯だけで、それが一ヶ月間続くと流石に飽きるんです!……と言うか、飽きる以前に私から没収したおかずを私の目の前で食べてる師匠に段々腹が立ってきます!タンパク質プリーズ!!
そうこう考えてる間にもギプスは私を締め上げていくんです!あ、やばいこのままだとまた落ちる……グフッ
「撫子ちゃんのぉ、魔力操作はぁ、進展無しねぇ、このペースだとぉ、もしかしてぇ、年単位でぇ、白いご飯かもぉ」
「お母様、流石に栄養偏りますからもうこの方法はやめさせますよ」
「ウィッチの時はぁ、これでぇ、5年ほどぉ、掛かったものねぇ」
「ウィッチさんが5年かかった事を一ヶ月で進展なしは流石にあんまりだと思いますよ。何にしろこの方法だと物理的に肉体が限界迎えそうなので別の方法を考えたほうがいいですね」
「そうだねぇ、流石にぃ、体がぁ、ボロボロだしぃ、この方法はぁ、ストップかなぁ」
気を失ってる撫子のそばでアザトゥースとイホウンデーのそんな会話が続いた。
◇◆◇◆◇◆
「イイィィィィィィッヤッホォォォォォォォ!!」
そう叫びながら高速で飛翔する物体があった。
食事所クトゥルフから別行動を取ったウィッチであった。
現在のウィッチは真っ赤なつなぎ姿から真っ赤なライダースーツに着替えその上から白衣を着てゴーグルを付けて飛んでいた。
ちなみに身一つで飛んでいるわけではなくよく分からないものに乗っている、彼女が言うには箒らしい、『魔女と言われたからには箒に乗るしかないでしょう!』とは彼女の便だが、しかしその見た目はどう見てもタイヤのないSFチックなバイクで後ろから尻尾みたいに箒の穂が出ているだけと言う珍妙な乗り物になっている、この見た目を見たものはまず言う『どうして箒がそうなった?』と……
そんな彼女だが今現在食事所クトゥルフから遠く離れ北に約100,000Km地点を飛んでいる、ウィッチ自身不思議に思っている事なのだがこの隔離世界実は成長している……
どういうことなのか、それはこの世界の面積が広がっているのだ、理由は不明、もしかしたら次元の物理法則をぶっ壊して作ったがために世界が膨張してるのかとも思ったのだが調べる気がないので不明、困る事と言えば今現在のように移動距離が膨大になっていること。
実のところ隔離世界そのものを作った時は実は37,0000km²位で日本と同じ位の広さしかなかったのだ。それが今や約5,200,000,000 km²……地球の10倍以上の広さになっている、わずか数百年でこれである、もっと言うのならまだまだすごいスピードで広がっている。
このまま行くと正直不味いとは思うのでどこかで対策立てなきゃなーとは思っているが、面積が広がる事で大気が減少するわけでもなく、重力が増えるわけでもなく、物資そのものは広がる事で現象するどころか増えてる始末で、先ほど言った移動距離以外の実害がない今めんどくさいので先送りにしているのである。
ちなみに、もともとのこの世界は大体地球と同じ位の広さなわけで現在の隔離世界の広さは地球の約10倍既に人間の世界より広くなっちゃっているので一体どちらが隔離世界なのやら状態に逆転しているのが現状である……
さて、肝心のウィッチであるが闇雲に暴走飛行を楽しんでるのではなく、ちゃんと目的地がある。
妖精のドワーフが住む鉱山街で鉱石店を経営している人物に会いに行ったのだ。
そのものは【悪魔族】七つの大罪と称される一人『強欲のマモン』である。
ウィッチは実に約時速600kmで一週間飛び続けてこのドワーフの街に辿りついたのである。
「ヒャッハアァァァァァァァァァァァァァ!!」
― ドオオオォォォォォォォォォォォン ―
そして鉱山にそのまま激突しその衝撃はここら一体を揺らした……
― マモンのお店『失楽園』 ―
「な、何だ!!地震か!!?」
カウンターで店番をしているツンツン頭の青年は慌てふためいた。
青年の名前はハードウィケ・ニードルと言う名のドワーフだ。
彼はこの隔離世界が出来てからの生まれで、まだまだ若いドワーフである、見た目はムキムキマッチョな小人、タンクトップに迷彩ズボン、客商売をやる気があるのかどうか……ちなみに髭は無い、元々はあったのだがマモンにあこがれていて剃ってしまったらしい。彼はマモンの弟子であり、現在マモンの店の留守番である。
なぜ彼は地震くらいで慌てたのか、それはこの隔離世界、なぜか地震だけは今まで起きたことは無いのだ。ちなみにこの鉱山街で多い自然災害はなぜか竜巻だったりする。
しばらくすると揺れは収まり、その直後店にウィッチ・ウィークが入ってきた。
「マモン、いるかい?」
しかし彼はウィッチ・ウィークの話は知っていても本人にあった事は無く……地雷を踏んでしまったのだ。
「オバサンだれだ……」
次の瞬間、隔離世界二度目の地震が観測された……発信源はマモンの店、『失楽園』である。
◆◇◆◇◆◇
「……なぁウィッチよぉ、どういう経緯で俺の店が吹っ飛ぶんだ?」
「弟子の躾はちゃんとするべきだね、後名前通りになったんだ、よかったじゃないか?」
「よくねぇよ!何もよくねぇからな!?俺の店どうしてくれんだよ!!?……ちなみに弟子に関しちゃ後で折檻だ、客商売が何なのか全く分かってねぇからな」
今あたしと話しているのが七つの大罪といわれている【悪魔族】の強欲のマモンだ。
地球ならどんな姿が想像されるのだろうか?まぁこっちでは元々は商人っぽい感じでヒョロっとしていたのだが……今の彼はムキムキマッチョでTシャツにオ-バ-オ-ル、ベレー帽にパイプと言う訳分からん状態である。
彼はここに店を構えてからは材料なども自分で採取するようになり貴金属を自身でほるようになったらこうなったとのこと、変われば変わるもんだ。
ちなみにマモンの弟子だが何で彼がマモンの弟子になってるのか聞いたら、マモンのビフォー→アフターへのマッチョな肉体に憧れたからだとか……弟子さんよ、ホントにそれでいいのか?
「そもそもウィッチよぉ、お前いきなりこんなとこに来て、何がしたいわけだぁ?」
あたしはマモンに真っ黒い結晶を渡した。
マモンはそれに手をとって見ていると段々顔が青ざめてきた……うん、まぁそうなるかなとは思っていたが、これから依頼するのはさらにトンデモ内用なので彼がどんな顔をするのやら。
「この結晶を計1000個砂にして欲しい、でその後その砂の一粒一粒にn単位の魔力方陣を刻んで欲しい、半年以内でお願いしたい」
マモンが私の言葉を聞いて顔が白くなっていった。まあそうなるわ、だって依頼内容って普通にやったら不可能だし……
「無理言うな!大体この結晶そのものがどうしてあるのか不思議だぞ!何で次元が固まったものが物理的に触れられるんだ!と言うかこんなもんどうやって作った!?ついでに言うならこれをどうやって砕いて砂にしろと?仮に砂に出来るとしてこれに魔力方陣のような精密図面を彫るって馬鹿か!?馬鹿なのか!!?」
「説明的な説明ありがとう。で、やるの?やらないの?」
「やる、やらない以前に不可能なんだよ。仮にこれ出来たとして何に使うのさ、太陽でもブッタ切りにでも行くのか?」
「ん?『あたしの考えた最強兵器~』って感じの中二病感があるものでも作ろうとしているだけですが?」
「……中二病って言うのが何なのか分からんがお前がアホゥなのは分かった。そもそもこんな物体持ってきている時点でその中二病とか言うのになってるんじゃねーの?」
「大丈夫、大丈夫!あんたらの存在自体が中二病だろうから気にするな!……で、やれ!!」
「ついに命令口調になりやがったよこの女、こっちの話聞きゃしねぇ……はぁ、何でそんなものが必要なんだお前にゃいらんだろう」
「使うのはあたしじゃないよ……新しいウィッチ・ウィークになる娘かも知れない奴のためだね」
「お前はその娘に何を渡すつもりなんだ、お前さんの言ったとおりのものを作れた場合擬似的な『原初の混沌』になっちまうんだが?……お前さん以外が使ったら元の持ち主以外死ぬと思うんだがね」
「そうならないように何とかするよ、あーそうそうこれ使えば砕けるんじゃないかなぁって思うもの渡しとくわ」
そうして私が次に取り出したのは『火』と『氷』だ。
それをマモンに渡したら今度は大量の汗をかき始めた、それはもう『ドパッ』と言う表現が出来る位の勢いだった。
「だからさぁ……お前ぇは何でこういう危険物持ってくるのかな、一応聞いとく……この『火』と『氷』どっから持ってきた?」
「ちょいとばかり『神話』っていわれる世界になる『ムスペルヘイム』ってとこから『火』を『ニヴルヘイム』ってとこから『氷』を借りてきただけよ?使い終わったら返しに行くって、『神話』が始まる前だったからまだ影響ないよ……多分」
「……影響大有りだと思うぞ?はぁ……俺『強欲』やめたい、目の前におかしなのがいるんだもんなぁ」
「おかしなのって言われる位じゃないとあたしのような魔女は存在しないね、とりあえず現状はそれでお願いしたい」
「はぁ……溜息がとまらねぇ、どうせ無理矢理にでも押し付けるんだろ?しょうがねぇからやってやる、だがどんなに早くやっても半年は無理だ、全てが滞りなく出来て50……いや30年程は掛かるぞ」
「ん~……その半分の15年位で何とかならない?出来れば5年位希望!」
「無理言うな!!頭にウジが沸いてんじゃねぇのか!!?やれて25年だ!!」
「チッ使えない奴だな!」
「お前ぇ人に頼んどいてその態度はなんだぁ!!?いじけるぞ俺は!!」
マモンが色々騒いでいるが今あたしにとっては既にどうでもいい、刺し当たっての問題はマモンに頼む兵器がすさまじく時間が掛かるということだ、この年月待ってたら撫子がロリではなくなってしまうと言う事だどうするべきか……仕方ない撫子が魔力操作を覚えたら最初に不老の魔法の使い方を教えるか。
こうして第一回『あたしの考えた最強兵器を作ろう』の初日は終了していった。
撫子) あ、あれ?気が付いたら終わってた、私の出番は?
作者) 最初だけなんじゃね?それよりも君はいろんな意味で今ピンチになってるよ?
撫子) え?どういうことですか?
作者) ウィッチさんの性癖の一部が暴露された?
撫子) ……?何でそれで私がピンチになるんです?
作者) ……気づいて無いならいいや、忘れてくれ!
撫子) ちょっ、気になるじゃないですか!教えてくださいよ!
作者) ヤダ!まぁその手の人をあざとく誘惑してくださいな。(スタタタ)
撫子) どういうこと!?一寸逃げるな!!
はい、という訳で今回どっちか言うとウィッチサイドのお話でした。
設定なんかは結構ご都合主義のごちゃ混ぜなので辻褄があってない事は多々あったり……もし効したほうがいいなどの意見などがあれば教えていただけると幸いです。




