私の初めてのお出かけ
嘘みたいだろ、第2章なんだぜ、これで
はい、すごくグダグダしてます。しかも世界観壊してる気がして結構ビクビクしてます。
こんな拙いものでも楽しんで楽しんでいただければ幸いです。
トリックスターとの奇妙な攻防戦を勝利したウィッチさんは何かを思い出したのか部屋から出て行き大きめのリュックを持って戻ってきました。
「そうそう、撫子これ背負ってね、あ、ベルトもしっかりつけてね」
そう言って出したのはリュックサックを渡してきました、ウィッチさんは既に同じリュックを背負っています。背負えと言うのなら背負いますが、今の私の体と比較すると結構な大きさのリュックサックですね。おや、この横から出てる紐はなんでしょうか?
「その紐は緑が見えたあたりで引っ張ってね。それじゃ出発!」
そう言うと私の手を引いて扉を開けて進みました。扉を抜けた瞬間私の全身は浮遊感に包まれそして……
「ええええぇぇぇぇぇぇえぇぇぇぇぇえぇぇぇぇぇえええええぇぇぇぇぇぇ!!!?」
あたり一面青!青!青!真っ青な空です!そして私は今落ちてます!すんごい勢いで落ちてます!!
何が起こってるのか全くわかりません!今私は空に投げ出されてます!耳元で風がゴウゴウ唸ってます。
何処ですかココ!!?恐怖しかわいてこないんですが!?そして寒い!寒い……というより痛い!!寒さが痛い!!
「いいいぃぃぃぃぃやあぁぁぁぁぁぁぁぁ!!?」
そして突然空中に放り出されてスカイダイビングとか誰でも怖いと思う、そのあまりの恐怖に私は……空中に光るものを撒き散らしてしまいました……もうヤダ、こんなんばっかり……
でも状況的に落ち込んでる暇も無いです!このままだと真っ赤なお花を咲かせて逝ってしまいます、物理的に!誰か助けてぇぇぇぇ!!?
その時紐が手に絡みつきました。え?え?え?何だっけこれ?えーっと……そうだ!ウィッチさんが緑が見えたら引っ張れって言ってたっけ?緑!緑!緑!……何処にもありません!!360度全てが青!青!青!の一色!どうすればいいんですか、ウィッチさぁぁぁぁん!!?
「も……もういいや、引っ張っちゃえ!」
紐を引っ張ると背中のリュックから何かが出てきました……これはパラシュート?
急激な減速で体に結構な負荷がかかりました。極限の恐怖と、寒さと、体中の痛みで満身創痍でしたがとりあえず激突だけは免れたんですかねぇ……と思っていたところに不意打ちを食らいました。
― ドパァァァン ―
突如全身に衝撃が走り水中にダイブしました。
私は、ああ、下が水だから一面青かったのかな?と思いながら意識を手放してしまった。
◆◇◆◇◆◇◆◇
今私は浜辺で焚き火にあたってます。
着ていた服は今乾かされています……汚してしまったのが分からなくなったのは不幸中の幸いと言えるのだろうか?……バレテナイトイイナ。
そして今この場にいるのは布を体に巻いてる私と素っ裸で気絶してるトリックスターの二人です。トリックスターはあの後私達のように落ちてきていたようです。
ウィッチさんは私達を助けた後「足を捜してくるしばらく待ってて」と言って逃げやがりました。ガッデム!
さて、今いる場所は観光地みたいな浜辺なんですが浜の奥は鬱蒼と茂った森しか見えません……なんでしょうこの無人島に遭難したような絵は、私達何しにこの世界に来たんでしたっけ?
現状やれることも無いですし隣で素っ裸で気絶してるトリックスターのことでも考えますか。
え?そんな事どうでもいい?いや、暇なんですよ。服乾くまで動けませんし……
で、トリックスターなんですが……こいつって何なんでしょう?ちょっと前の会話聞いてた時に『女装』とかいう単語出てきてたんでてっきり男かと思ってたんですが……外見を見る限り男でもないんですよね、ついでに言うと女でもない……男女の判別できるものがこいつには一切無いんですよね、もしかしてUMA?
いえ、UMAとかこの世界がUMAの世界そのもののようなものという話でしたね。
などと考えていたら(プップー)とクラクションのような音が聞こえました、懐かしい音に感じます……ってこの世界でクラクションの音とかおかしくない?
音は上空からしてました、音のした方向を見ると……なんでしょうあれ、自動車みたいなものが森より高い位置で空飛んでるんですが。これはSF?それともファンタジー?
砂場だからか着陸……でいいんですかね?する時本来タイヤがあると思われるような位置から若干の砂煙が……ヘリみたいじゃなくてよかったよ、もしそうだったら今頃砂まみれ。
そして自動車らしきものからウィッチさんが降りてきました、まぁ順当に考えればそうなりますよね。
「足確保してきたから服乾いてるようなら着替えて撫子たちもこれに乗ってね」
「……その前に、ウィッチさんの乗ってきたそれは何ですか?」
「ん、これ?空中移動できる自動車っぽいもの、名前はエアシフトって言うらしいよ」
「いや、そうじゃなく……もういいです」
何かもう私の考えってこの世界で通用しないって再認識したので開き直ります。
とりあえず服は乾いてたようなので、着替えた後車っぽいもの……もといエアシフトの助手席に座りました、トリックスターは後部座席に寝かせておきました。車内の内装含めすごく車っぽいものです、ですが正確には車じゃありません。だってこれ、タイヤ無いんだもの……
「それじゃ出発するね~」
そう言うとエアシフトは動き出した。エンジン音が全くしない……どんな原理これ?
窓から外を覗くと既に結構な高さに上昇していた。
下には先ほどまでいた浜辺、そしてすぐ近くの森と見え、森はそこまで広大ではないが浜辺を覆うように広がっていて森を通り抜ける道らしい道は見えなかった。森の先には平野が見え街道も見える。エアシフトはその街道に向かって動き出した。
森の上を通過すると高度を落とし街道の上に着陸しました。
「それじゃこっからはぶっ飛ばすからしっかりシートベルトしててね」
そう言うとエアシフトは急加速して進みだした。その加速はすさまじくシートに押し付けられる感じだ。
つい気になったので運転席側を見ると……速度メーターらしきものがあり450Kmと表示されている、それ時速450Kmって事ですかね?F1より早いよ?
「ん~……直線だしもうちょい速くするか、そうすりゃ街まで20分位っしょ」
その言葉とともにさらに加速する。もう景色なんて見てる余裕無い。Gがすさまじい、後ろで『ガンッ』とか音がしたが振り向いて確認してる余裕なんて無いです。てかこの速度、スカイダイビングの時より速いんですけど……メッチャ怖い!メッチャ怖いです!!
その怖い理由も速度だけじゃ無いんです。揺れるんです!いくら直線と言っても完全舗装された道路じゃないので若干の障害物ってあるんです。それよける時メッチャ揺れるんです!……うっぷ
「あははは、た~のしぃ~」
……この人、ハンドル握らせちゃ駄目な人だ。そうして地獄の20分が過ぎていく、後ろでまた『ガンッ』ってなってるけど私には何も出来ない、ひたすら耐えるだけ。
そしてエアシフトが止まり最初に私のしたことは……
「○○○○○○○○○○○○○○~~~」
伏字になることをお許しください……盛大に吐いちゃったんです。それも何も食べてないのにこんな事になっちゃったので胃液が盛大にせりあがって……あ、こんな描写の説明は要りませんね、さすがに私もシタクナイデス。
ちなみに後ろにいたトリックスターなんですが頭部が血だらけになっててモザイク掛けないとまずい様な状態です。最初の出会い方があれだったので正直嫌いだったんですが、その後の仕打ちを見るとさすがに同情します、後で落ち着いたら手当てしてあげますかね。
まぁとりあえず言えることはウィッチさんの運転する車には二度と乗らない!
話が全く進んでません、三日もあって何してたんでしょうね私?
そして何か変だなぁっと思ったら教えていただければ幸いです。




