俺のけじめ 俺から私への変化
すごく難産でした……前回も言ってた気もしますが。
何にしろお待たせしました……待っててもらえたのなら嬉しい。
拙い文ですが楽しんでもらえれば幸いです。
俺はウィッチさんの話を聞いた上で一つ確認しておかないといけなかった。
「ウィッチさん、仮の話ですが俺が参加したあの戦争で【人族】の【王族】を全て殺せたとして、この世界は変わることが出来ていましたか?」
答えは見えているがそれでも聞きたかった。前の俺とのけじめをつけるために……
「……恐らく無意味だね。あたしがいなくなった後魔力発見したか、あたしの知らない超科学でも発見したのか、原理は不明だがあいつら日本人はまだ生きている。【人族】を操ってるのもあいつらだ、【王族】を挿げ替えられて何も変わらなかったと思う」
ウィッチさんは今までの俺を無意味と切り捨ててくれた。
言葉にして出され、怒り、悲しみ、虚脱感など色々な感情が出た、でもこれでよかった、これは俺が俺としてやってきた事へのケジメだ。俺はもう俺ではない、この体で0からの再スタートとなる。過去に引きずられてはいけないと思った。だからこそケジメであり区切りとしようと思う。
― 俺は、私となろう ―
「……ふぅ、なら……なら、私の敵はその日本人達です!」
これが私が私として生きる最初の一歩だ!
「だから私は魔法が欲しいです。魔法を教えてください、お願いします!」
ウィッチさんに私は私の口でそうお願いした。
「やだっ♪」
その返答は拒否されました♪……って、この流れでそうなるんですかウィッチさぁぁぁん!!?私に技術教えるとか言ってませんでしたぁぁぁ!!?
「いやさ、そんな絶望的な顔しなくても……そもそも魔力が分かってないのに魔法をいきなり教えて使える訳無いでしょ、教えるにしても最初は魔力を使うことの基礎からだし……」
涙目になってた私にウィッチさんはそう説明を続けました。言われてみればその通りでした、それにさっき自分で思ってたことでしょうに、0からのスタートだって、なら基礎からみっちりやっていきますよ私!
「まー魔力が使えるようになってもあたしの魔法が使えるようになるとは限らないんだけどねぇ……」(ぼそ)
「ん?今何か言いましたかウィッチさん?」
「いんや、やる気が出てくれるなら結構と思ってね、あたしの持ってる技術は全部教えてあげるさ~……泣こうがわめこうが嫌と言うほどねぇ♪」
……すごくいい笑顔で口は三日月にゆがんでいますね、その笑顔は怖いですよウィッチさん?あれ、私何か違う意味で地雷踏んだ?
「ま、区切りも付いたしそろそろ食事にしよう、あたしの作ったスペシャルポトフ……はさっきの騒動で吹き飛んだな、キッチンごと、冷蔵庫も吹き飛んで食材も一切合財なくなってしまったんだっけ……どうするか」
……何だか懐かしい状況説明を受けたような、ついさっきの事なんですがね。それにしてもウィッチさんの作ってた料理はポトフだったんですね、……こう言っては駄目なんでしょうが無くなってる事に安心しました。七色の湯気が出るポトフってどんなポトフなんですか?
「仕方ない、外食にするか。撫子も動けるようだしそろそろあたしも一度隔離世界に戻らないといけなかったしな、丁度いい機会か」
「…………はぃ!!?」
変な声が出たのはしょうがないと思う、ちょっとそこまで見たいなノリで隔離世界に行こうと宣言したのだから……
「……あの~そんなに簡単に隔離世界にいけるものなんですか?」
今までの話からするとそもそも隔離世界にはこちらから入れないような気がするのですが……私の解釈間違ってたんですかねぇ?
「ん、行けないよ。そんなに簡単にいけたら隔離世界にした意味ないじゃない?」
行ってることが違うんですが、ウィッチさん!何そんなの常識だろ?見たいな顔でこっちを見ないで下さい!この流れで私の疑問は間違ってない!絶対間違ってないですから!!
「まぁあたしは『鍵』を持ってるから、『錠』を開ければ入れるんだよね、まぁ頻繁に出入りしてると空間に負荷がかかるからそんなに簡単に行ったり来たりしていいものじゃないけどね、とりあえずトリックスター正気に戻すか」
……っあ、トリックスターの存在忘れてました。……だって今の今までずっと壊れたレコーダーの如く「ごめんなさい、ごめんなさい……」と謝り続けてたんですから、正直ちょっと怖かったので触れないようにしていたらすっかり忘れてました。
そんな風に考え込んでいたらウィッチさんがいきなりトリックスターを叩く音がした。
― スパン ―
「いい加減正気に戻れトリックスター、ミイラ盗みがミイラになるんじゃない」
「いっっっっったぁぁぁ!!……はっ!!?ウィッチ一体何するのさ!!顔に傷が残ったら怒るからね!!」
「やかましい!お前の何処が女だ、いい加減その女装やめろ」
はぃ!!?今変な単語出なかったか?女装……私じゃないよね?話の流れからするとトリックスター?え?これで男なの?
突如出てきた暴露で私の頭がハテナで占領されていると。
「何言ってるのですか!!この姿はトリックスターちゃんの真実の姿なんですよ?言うに事欠いて女装とかやめてほしいのです」
「はいはい、とりあえず隔離世界に戻るから準備しろトリックスター」
「ホントにウィッチはいきなり過ぎますね、分かりましたよ……『錠』を出せばいいんだよな」
ん?話についていけない私だけど最後トリックスターの雰囲気ちょっと違わなかった?
「というわけで撫子、君は着替えてきなさい、あっちに部屋があるから好きなの選んで着てね」
考え事をしていたらウィッチさんに着替えて来いと言われた、確かにこれから出かける流れになっているのにパジャマは無いですね……それはそうと何時私の服用意したんだろう、そもそも着替えたパジャマは何着あったっけ?……私の中の何かを抉りそうなので考えるのはよそう。
そして着替えのために入った部屋には数百種類の着替えがあった……え?ここ何する部屋なの?
ちょっと気になったので服を見てみた、これ子供サイズですね、で……なんだろうこの仮装、というかコスプレみたいな服は、あ、ゴスロリっぽいのもありますね……まさか全部私用な訳無いよね?……とりあえずどれにするべきなんだろう、そしてここにある服の量は気にしないでおこう。
……あー、うん、これはどうしようか?手に取った服が悉く着方が分からない複雑な服なんですが?
そして私は助っ人を呼びに行った。
「というわけで、私でも着れる服を教えて欲しいんですが……」
「……そうだね、撫子じゃ自分じゃ着れないよね」
というわけでワンピース渡されました。ズボンとか男の格好は却下されたよ……そもそも無いみたいだし。
着替えをし部屋に戻ってみると……中央に何かありました、巨大な……扉?
「撫子~着替えできたならそろそろ行くよ?」
個人的な意見を言えばこの格好で外に出ることは心もとなく恥ずかしいのですが出来てはいたので頷きます。それにしてもトリックスターの姿が見当たりませんね、どこでしょうか?などと思っているとガタガタと扉がひとりでに揺れています。
あ~それってもしかしてってやつですかね?もしそうならあいつ何でも有りですね。
「ウィッチさん……もしかしてその扉がトリックスターだったりしますか?」
「そうだね、トリックスター自身が隔離世界への『錠』の一つなんだよ、でこれが『鍵』」
そう言って出したのは黒刃の包丁。へーそれが『鍵』なんですか、とりあえずそれ近づけないで下さいトラウマで体が勝手に反応してやばいことになっちゃいますから!!
『も~何遊んでるんですか?扉状態でいるのもそれなりに辛い体制なんですからさっさとそれ『鍵』にしてトリックスターちゃんの『錠』にぶち込んで廻して開けてくださいよ~あ、でもでもトリックスターちゃん始めてだからやさしくし・て・ね♪』
……すさまじく下品ですねこいつ。ついでにかなりイラッときました、何でしょう……こう……無性にぶん殴りたくなってきます。もっともそう思ったのは私だけじゃないようです。
ダカラソノエガオハコワイデスヨウィッチサン……
「そうかそうか、そいつは悪かった。今すぐぶち込んでやるから覚悟しろ!」
そう言いながらウィッチさん包丁を鍵穴に刺そうとしてます。
『ちょっちょっと待った!!そのまんま来たら裂けちゃう!裂けちゃうからや~め~て~!!!』
本人的には相当焦ってるようです。口調からならまだ余裕あるように見えるって?ええ、口調だけならそう見えるんですが……まずトリックスターの扉がすさまじい勢いで汗かいてるんですよね、正直触りたくないくらい多量に、そしてCGでも見てるかのように扉が扉そのものを捻るようにしてウィッチさんの包丁を避けてるんですよ。
「動くな!!鍵穴に『鍵』を差し込めないじゃないか!!」
『それで刺されたらトリックスターちゃん逝っちゃうわ!!断固拒否します!!』
と言う世にも奇妙な攻防戦を繰り広げてるんですよ……私どうしたらいいかな?
という訳で……なんで私の書くものはこう締まらないんだろうか?
そして今回のことで多少変更がありました。ウィッチの一人称ですが私→あたしに変更しました。
そしてブックマークしてくれた方や評価してくれた方にこの場で感謝をさせてもらいます。
ありがとうございます。
今後もがんばって行きます……更新ペースは落ちるかもしれませんが……




