始まりはエピローグから、そしてプロローグへ
ほぼ勢いだけで書いてるので色々理解不能などあると思います。
指摘していただければ改善していきます。
地球でないどこか遠い世界。
今この世界は人間同士が世界を巻き込んでの世界大戦をおこなっている。
そんな世界の中で、一人安全な場所を確保し隠れてこの世界を見続けている女性がいる。
彼女はこの世界の人々からかつて『ウィッチ・ウィーク』と呼ばれていていた最初の魔女である。
この世界の後の世では彼女の様に魔法を使う女性……魔女のことを彼女の呼び名を取り『ウィッチ』と呼ぶようになる。
― さて、昔話をしよう ―
この世界はその昔、多種多様な文明種族が生活していた。
そして世界の主文明は【魔力文明】であり魔力の有無が全ての力関係でした。
支配者は主に三つの文明種族【魔族】【天族】【精霊族】この他にも多数の文明種族はありましたがそんな中【人間】は文明を持つことが出来ませんでした。
【人間】は魔力を持っていなかったのです。
そんな【人間】は多種族からすれば体のいい奴隷だった。
世界はそれで完結していた……彼女がこの世界に現れるまで。
彼女は突如【人間】の前に現れた。
彼女は【魔族】ではなかった。
彼女は【天族】ではなかった。
彼女は【精霊族】ではなかった。
彼女は【人間】でもなかった。
彼女はこの世界にいる【種族】ではなかった。
彼女はこう言った『あたしはにほんじんです』と、そして『あなたたち【人間】の味方です』と言ったのだ。
彼女は【人間】に知識を与えた。
彼女は【人間】に技術を与えた。
彼女は自身の持つ『かがく』と言う名の魔法を人間に授けた。
彼女はこの世界の【人間】が少しでも自身の理想となる生活を送れるように尽力した。
最初は上手く行っていた。
【人間】は彼女から齎された魔法により今までとは違う独自の魔法文明を築いていった。
それにより【人間】は他の文明種族と肩を並べるようになった。
彼女には理想があった、自身の知る世界とは違う多種族が協力していける世界があれば良いと。
それはもうすぐそこだと思っていた……そう、彼女だけがそう思っていた。
― それは何時から狂い始めていたのだろうか ―
何時しか【人間】の魔法文明と他の【文明種族】の魔力文明は力関係が逆転していった。
そして【人間】は始めてしまった。
【人間】以外の【文明種族】への復讐を……世界を巻き込んだ戦争を。
この時既に【人間】は他の種族を圧倒する力を保持していた。
【人間】は聖戦と掲げ戦争と言う名の一方的な虐殺をしていった。
この展開は彼女の望んだものとは真逆になっていた。
彼女は【人間】を止めようとした。
彼女はこんなことをするために魔法を授けたわけではないのだから。
しかし【人間】は止まらなかった。
そればかりか止めようとする彼女に対して【人間】は牙をむいた。
【人間】は彼女すら【敵】とし攻撃したのでる。
なぜなら【人間】は彼女が怖かったから……
彼女は最初から『かがく』と言う名の魔法を有していた存在なのだから。
味方ならば良いがもし敵になったのなら?
そして彼女が自分達の魔法を奪っていってしまったら?
戦争を止めようとしている彼女は味方なのか?
そんな思いから出した【人間】の結論は……『奪われないように消してしまえばいい』というものだった。
それから彼女は【人間】から逃げることとなる、生き残るために【人間】の前から消えたのだ。
彼女は絶望した、これでは私のいた世界となんら変わりがないではないかと。
彼女は諦めた、人間とは例え世界が変わっても変わることがないということに。
そして彼女は世界に関わることをやめた。
彼女は自身のしてきた事全てから目をそらしてしまった。
彼女のこの世界での最初の物語りはこうして終わりを告げた。
その後、彼女を排斥した【人間】は聖戦を続け他の【文明種族】全てを滅ぼし【人間】のみの【人間社会】を構築していく。
【人間】以外の他の【文明種族】は歴史も含め全て闇に葬られることとなる。
こうして【人間】は世界をその手に治めた……
時がたち、過去が忘れられる位過ぎると【人間】は【人間】通しで戦争を始めたのである。
そう、彼女の故郷の地球の歴史のようにである……
― そして話は冒頭に戻るのである ―
「人間は馬鹿だな、結局己の欲に飲まれ全てを失っていくのだから」
そんな事を言う彼女は既に人間と呼べる存在ではなく、本物の魔女と呼べる存在になっていた。この安全な場所も彼女の魔法により作り上げているものだ
彼女は今、この世界でもっとも安全な場所から一人で物思いにふける。
彼女は今までずっとこの世界を見てきた、自身を排斥した世界をずっと見続けているのである。
「あれから数百年経っているけど……ホントにもう地球と変わりないな」
この世界は彼女が与えた技術により急速に成長してしまった。
そしてそれは彼女のいなくなった後の世界でも成長を続け既に地球とあまり変わりないところまで来ているのだ……兵器関係のみではあるが。
だが不可解なこともある兵器関係は発達していくのに医療関係は全く発達しない歪さがある。
この歪さは恐らくどこかで情報操作がされているのだろう……しかし彼女には関係のないことだった。
「あたしのやってることは【人間】が滅びるまで見ているだけだからね」
今の彼女には【人間】に対して何かをすることは無い。
在るとするのなら彼女の言うように【人間】が滅びるまでを見ることである。
そしてこの日も変わらずこの場所からすぐ出た隣でやっている戦争を観察して終わるだけだった……そう、何も変わりがないいつもと同じはずだった。
しかしソレは前触れ無く突如として起こった。
― ドオオォォォォン!! ―
何かがぶつかるような音と共にこの安全な場所が衝撃で揺れたのである。
ソレはこの場所を作った彼女からすればありえないことだった。
なぜありえないと言えるのか、それは偏にこの世界を見てきた彼女だからだろう。
まず現在の彼女は先ほども言ったが既に【人間】ではなく【魔女】である。
これは比喩ではなく本当に奇跡と言える魔法が使える正真正銘の魔女である。
その彼女が奇跡と言える魔法を使い絶対の安全性を確保したのがこの場所である。この世界の現存する兵器では揺らすことはおろか触れることすら出来ないし音なども全て遮断しているのである。
それはこの世界を見続けていた彼女だからこそ可能なことだろう。
つまり先ほどの接触音や衝撃での揺れなどはありえないのである。
そのありえないことが起こった……つまり彼女ですら把握できない事態が発生しているのである。
彼女はこの現象に少し興味を持ちそして警戒した。
「一体何が起こったのやら……」
彼女はその原因を確かめるべく外に出ることにした。
安全を確保した場所からの移動は本当に久しぶりだった。
幾重にも自身の体に防御用の魔法を掛け不測の事態を考慮した。
そうした入念の準備の下戦場後へと赴いた。
外に出てのすぐ近くにはクレーターがあった……が、あれが衝撃の原因とは思えない。
おそらくあのクレーターは地雷で出来たものだろう、規模から結構火力の高いもので恐らく個人用ではなく軍団殲滅用などだろう……だがあの程度ではあの場所に衝撃は届かないし、そもそも音が違ったとなるとこれではない。
クレーターには興味を無くし再び原因を探し始めると、近くに黒い物体があった……これは人間の死体?これが原因?
その死体は上半身のみで、手足は無く腹部も半分ほど吹き飛んでいる、さらにその上半身は全体的に焼け爛れている……これはどう見ても即死だろう。
死体の状態はひどい有様だった、直視するのは出来れば避けたい状態だ……しかしこの死体があの衝撃の原因だろうか、などと見ているとこの死体からは魔力が漏れていた。
これは人間では無い?
これは何なのか考えていたら死体と思っていたものが少しだけ動いたのだ、こんな状態なのにまだかろうじで生きているらしい……時間の問題ではあるが。
助かることは無いだろうと思いよく見ているとこの生存者から膨大な魔力があふれ出したのである。
なるほど、これがぶつかればあの場所に衝撃くらいは走るな、なぜならばこれだけの魔力を保有した物体がぶつかると言うことは魔力弾をぶつけられるのと同じなのだから。
あの場所は化学兵器に対してはほぼ無敵なのだが魔力に関しては考慮していなかった。
それはそうと……さてどうしたものか、このままではこの者は助からないな、しかし肉体は人間の様だし助ける義理はあたしには無いな。
……そんな風に考えていたら声が聞こえたのだ「生きたい」と
「生きたいか……普通ならすでに死んでいるのにそんな状態になってまで生きようとするか……いいよ、助けてあげる。だがあたしは君の姿も知らないし今の君はパーツが足りなさ過ぎるんだ、だからあたしの好きなように君を治させてもらう、目覚めたとき姿かたちが変わっているだろうがそこは受け入れるように、と言っても聞こえていないだろうけどね」
そして彼女は気まぐれで一人の人間を助けることにした。
これが彼女の第二の物語の始まりだった。
第一話大幅改稿しました。
ただ話しそのものは繋がるようにしているので流れは変わっていません。