4話目−最後の間と帰還−
だいぶ遅れてすみません(−_−;)
アロンに腕を引かれたアランは砂の間での進行速度を超えるスピードで進んでいた。
「アラン!腕がいたいよ。離して。」
「あっ。ごめん。けど、急いだ方がいいぜ?俺たちが洞窟に入ってから、だいぶ時間経った気がするしさ。それに、お腹すいたぜ。」
言われてみれば、お腹がすいてきた。それに、さっき休憩したときに水も食べ物も食べてしまった。
「そうだね...。持ってきたご飯ももうなくなってきたよね。少しはあるけど..。」
「だろ?早く行って、帰ろうぜ。」
「うん。」
今度は二人で手をつないで、早く歩いていく。
外から見たときよりもあきらかにこの洞窟は広い。それにだんだん下って行っている気がする。ちゃんと帰ってこれるかな?
僕が考え事をしている間に次の間についたみたい。
「見ろよ。この場所はキラキラでもサラサラでもなくて、フワフワしてるぜ?」
アランが驚いたように僕の手を引く。
僕もそっちを見てみると、
「うわー!フワフワだ!雲みたいだね〜。」
雲のようにフワフワした固まり?があちこちに浮いている。
「行こうぜ!」
アランが飛び足していく。
「あっ。アラン!危ないよ!」
「んなことねーよ!こっちこいよ!跳ねるぜ?めっちゃ楽しい!」
アランはボールが跳ねるようにフワフワの足場の上でジャンプしている。
僕もそっと足を踏み出してみると、っ!なんだろうこれ?足の裏から柔らかくフワフワが押し返してくる。
「ふぁ〜。なんだろうねこれ!ジャンプしたくなる!ここで寝たら気持ちいいかな!?」
「だな!一回寝てみようぜ!」
ふたりで寝転ぶ。フワフワなのにぽよんぽよんしていて、柔らかく包まれる。
気持ちいいなぁー。ここでずっと寝ていたいや。
「アロン。おれ、ここでずっと寝ていたいや。めっちゃ気持ちいいなぁ。」
アランがそう呟くと早速目をつぶっていく。
くーくー。隣からアランの寝息が聞こえる。
ってか、眠るのはやいねぇ!
ふわぁ。僕も寝たいなぁー。
ちょっとだけなら寝てもいいよね...。
「おい、アロン!アロン!」
「あらん...?どうしたのー?」
アランの声が聞こえる。少し目をつぶっただけなのに。
って!ねてた!僕寝てたの!
「アラン!時間どれだけ立った!やばい!」
「アロン落ち着けよ...。おれら時計持ってねぇじゃん。けど、おれも寝てしまったみたいだ。早く帰られねぇと...。」
「ごめんね..。僕がアランを起こしたらよかったね..。」
ごめん、アラン。そうだね、僕たち早く帰らなくちゃいけないのに。
思わずフワフワしてたから寝ちゃったよ。
「落ち着いたか?じゃ、行こうぜ。おれ、さっきちょっと歩いてみたけどここで行き止まりみたいだし。」
「えっ?ここで行き止まりなの?」
思わず辺りを見渡すけど、確かに...。
どこにも進める道がない。
「行き止まりに何かあると思ってたんだけどなぁ...。何にもないね。」
「あぁ。おれも、行き止まりに何かあると思ってたけど案外何もなくてめっちゃ驚いたよ。」
「みたいだね。残念だけど帰ろっか。今度はもう少し早くきて、しっかり探検しようよ!」
「そうしようぜ!もしかしたら隠し扉とかもあるかもだしな!んじゃ、帰ろうぜ。」
眠って少しぼーっとした頭がアランの行き止まりの言葉で、はっきりと覚醒した。
もう少し探検できると思ったんだけどなぁ〜。まぁ、お母さんたちも心配してるだろうし早く帰らなきゃね。
帰り道は特にハプニングもなく、早く出てくることができた。
「おい!出口が見えたぞ!もう少しで外だ!」
けれど、思っていた以上に疲れてたみたいで外に出れるとわかったときにはすっごくテンションが上がった。
外に出た瞬間に思わずふたりで
「やったー!」
と叫んでしまったくらいに。
そして、そこからはふたりで探検の感想や怪しかった場所、こんど探検するときに慎重に探す場所を話したりした。
アランも僕が寝た後、少ししたら目が覚めて、ふと一人で次の道を探していたときに、あの不思議な石と刀を見つけたみたい。
自慢げにリュックサックの中から出して見せてくれた。
僕が持っているものと同じように光る石と、僕とは逆で、刀身が闇よりも暗い黒で、鞘が光を全て集めたかのような白だった。
急いで家に着いたときに、村が閑散としていて驚いた。
何かあったのかな?ってふたりでビクビクしながらも家に着いて、扉に手をかけふたりで頷いて開けようとしたとき。
後ろから叫び声が聞こえた。
思わず振り返って。
そこには泣いているお母さんと、怒っているお父さんがいた。
今までよくお母さんは怒っていたけど、怒ったお父さんを見るのは初めてで、あんなにも怖くて、けれど心配てくれていたことに驚いた。
ふたりそろって思いっきり泣いて謝った。
ごめんなさいって言葉がすっごく寂しさそうで嬉しそうだった。
今度からは無断で家を出ないこと、暗くなる前に絶対帰ってくることを約束した後、四人でそろって家に入った。
ご飯を食べおわり、もう寝るためにベッドに行こうとしたとき。
お母さんとお父さんから「お前達に大切な話がある」と呼び止められた。
その話は、今日一番の驚きだった。
「俺たちはこの村を離れることにした。人族が宣戦布告し、戦争が始まる。」
双子の妖精は作者が小学生のときに書いた話を元にしてます。
双子の妖精の王子が王国の危機にふたりで手を取って光る石と共に立ち向かう話でした。
ふたりは無事危機を乗り越えるけど、離れ離れになるというバッドエンドだったので、それをハッピーエンドに変えるためにだいぶ話を捻じ曲げながら書いてます。
遅筆の言い訳にはなりませんが(´・ω・`)
間違いや、おかしいと思う箇所があったならば、ぜひ指摘してください。