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3話目−砂が落ちる間の落し物−

まだまだ拙いと思いますが、ぜひ読んでください。

ロープをしっかり握り、お互いを確かめ合いながら少しずつ進んでいく。

さらさらと落ちる砂はまるで、とどまることを知らないみたい。

「あっ!」

何か硬いものを踏んでしまって、体が傾く。


「アロン?!大丈夫か?」

「ありがとう。少しすりむいたけど、大丈夫!」


ドッテーンと、あたりの砂を蹴散らしながら、こけてしまった。

アランが手を差し伸べてくれなかったら、危ないとこだったよ...。


アランの手を掴んで起き上がると、少し伸びをした。

アランが〈どうした?〉って顔してる。心配させちゃったかな?

なんでもないと僕は手を振り、歩こうと思って気がついた。


ーそういや僕、何に躓いたんだろう?


ふと、下を見るとキラキラするものと、硬い何かが落ちていた。


「アラン、何か落ちてるよ?僕、これに躓いたのかな?」

「ん?何が落ちてんだ?いいものじゃないならほっとけよ。それより、早く進まなきゃ、やばいぞ?」


アランの言葉に周りを見ると、うわぁ...。1cmぐらいしか積もってなかった砂が、5cm程に増えてる。

急いでキラキラしたものと、硬い何かを拾うと、アランの背中を追いかけた。

「待ってよ〜!」

アランが振り返って、僕を待ってくれてる。今度はこけないように、慎重にそして素早く進んでいった。



「「ふ〜〜〜。」」

二人のため息が重なる。

万が一のために結んでたロープを解き、少しのんびりすると自然とため息が出た。


「ようやく抜け出せたねぇ〜。上から砂が落ちてくるから、服の中に少し入っちゃったよ〜。」

「俺も少し入った。あー、お家に帰って風呂に入りたいぜ。」


服に入った砂の文句を言ってると、あっ!と思い出した。

「ねぇ、アラン。僕あれ、拾ってきたんだ。あれだよ、僕がこけたときのやつ!」


アランが不思議そうな顔をしてたので、拾ってきたものを出すことにした。

「んーとねー、ここに入れてたんだー。」

ごそごそとリュつくの中を漁ってると、それは出てきた。


「なんだ?これは。」

「なんだろね?僕わかんないや。」

「「けど、綺麗だね(な)!」」


二人が見つめるのは、僕が拾ってきたもの。キラキラしたものは、拳ほどの大きさの石だった。

あの輝く天井の間にあった、天井の光のように自ら光り輝いていた。

もう一つは、刀だった。

なぜあそこにあったかわからないけど、すごく綺麗な刀だった。

太陽の光を吸い込んだかのような白い刀身に、金の稲光が走っている。

その刀を収める鞘は、漆黒に銀の龍が舞い踊っていた。

ずっと眺めていたくなるような、美しさがある刀だった。


大事そうに抱え眺めてる僕を、アランがイラついた瞳で見つめてるとは知らずに、僕はずっと刀を見てた。


「おい、アロン!さっさと行くぞ!」

アランが突然立ち上がり、僕の手を引くと言った。

「今外では何時かわかんないんだから、早く出るぞ!」



ーこの時のアランの気持ちに僕が気付いていたら、未来は変わったのかな?

後になって、アランの気持ちに気がついて後悔しても、時は戻らず、答えは出ないままだった...。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「もう!あの二人ったら!いつも私たちの言うことを聞かないで 遊び呆けて、イタズラばっかり!」

「母さんや、そんなに怒ってはいけないよ。アロンとアランも自分たちが悪いことをしてるのはわかっているんだから。」

「わかっているならしないければいいのです!普通はしません!」

「けどね、最近村のみんなが落ち込み気味だっただろう?それを感じていたあの子たちがいたずらをしてくれたから、みんな笑顔になれてるじゃないか?」


アロンとアランの両親が言い争いながら、子供たちを探していた。


「それは...そうですけど...。」

「素直に認めてあげなくては。私たちは何があってもあの子たちの味方でいてあげなくては。」


父さんは静かに話し、母さんを落ち着かせていた。

二人はおしどり夫婦でいつも足りない部分を補いながらこの村で暮らしてきた。

笑顔が絶えない二人だったので、村のみんなも明るく笑い合うことができていた。


しかし最近、この森妖精の住む広大な〈精霊の森〉を越えて、不穏な噂が聞こえてきていた。

それは、

『これから20日以内に、人間族が人間族以外のすべての生物に対し、宣戦布告をする。これから長きにわたり、戦乱の時代となるであろう。人間族のその強大な数に押し負け、人間族以外のすべての生物は人間族により迫害され、広大な大地を森を海を捨て、山深き場所にこもることになる。そして、すべての生物による争いは世界そのものを傷つけ、人間族が攻めるのを止めない限り、100年も経たずに世界が崩壊するであろう。』

という、

昔から様々な事柄をピタリと当ててきた予言者の言葉が人間族以外の生物に伝わっているのだ。

そして、これを救う予言もまた流れてきていた。しかし、こちらはなんともあやふやで、信憑性がないため、すでに森を捨て山にこもる亜人族がではじめたという。

その預言は、

『幼き二つの子どもが袂を分かつ時、世界を脅威が襲う。片方は生を。片方は死を。

時に流され、消えゆく言葉に込められた意思を。〈輝虹石〉が一際光を放つ。その時までに。』

というなんとも言えない、どう取ればいいのかわからない予言で、誰も意味を考えずに噂だけ流している。


理解できない予言は捨て、山の深き場所に人間族以外で集まり、対抗策を練ろう。もう時はない。決断せよ。という状況なのだ。


それなのに今まで森妖精族は何もしていなかったのかというと、噂がここに漸くたどり着いたのは、本当についさっきだったのだ。

長老会議が緊急で開かれ、すべての森妖精は家の中で待機となったのだ。

そして、冒頭に戻る。


口喧嘩しつつもアロンとアランの両親が子供を探していた理由がこれなのだ。


「見つからないわね...。あの子たち、どこへ行ってしまったのかしら?」

「他の子供たちに聞いてみようか。サラとリジュ、ガルたちなら何か知ってるかもしれないよ。」

「ええ、そうね。もう!こんな時に本当にどこへ行ってしまったのよ...。」




その後、他の子供たちに二人の行方を聞いたけれど、〈洞窟に入ったらしい。〉としか、わからなかった...。

どこの洞窟か、それさえわかればいいのに。誰も何も知らなかった。

感想をいただけると幸いです。

ノロノロ更新ですいません。(つд;*)

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