表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/20

答え

 私がきっぱりこう言うと、中西は大げさにため息をついて、「やれやれ…」と言ったふうに肩をすくめた。

 会った早々言うのもあれだが、嫌いだ。

 だめだ、だんだんイライラしてきた。


「知っていたけど、淡白だな、お前。いやムシロ薄情ってやつか……」

 と哉也が呟いたような気がした。何だコイツ。何かもうどうでも良い感じがする。主語がなかった。


 だいたい、何なんだこの状況。灰色ばっかりだし、いるのはやたら図体がでかくて、だいたいのことはほぼパーフェクトにこなす、多少気持ちの悪い、性格に難ありの男2人だし、なんか訳の分からないことを言い出すし、協力しろとか頼む口調ではないんだけどなぁ、あれは。


「困るなぁ、本当に……」


 今度は中西が呟いたような気がした。おそらく、あのムカ付く程大げさなアクションをつけて。今時そんなポーズは、アメリカでも流行らない。というか、いちいちしゃくに触る。2人とも諦めたような仕草を見せ始めた。それは、賢いとも思われる。私がだめなら代用品を探せばいいのだし。


「じゃ、だめかな」

「……だな」


 待て、冷静に。


 だんだん、イライラしてきた。イライラする原因は彼らにもあるが、私にもあるような気がする。


 まだ何か迷おうっての?


 別に彼らを困らせるのはかまわない。しかし、私にはそれほど強く拒む理由もないようだ。他人と関わりたくない。自分探しが嫌い。自分のしたいことをしたい。そもそも、したい事って何? 私はただ面倒臭がっているだけではないのか。言っていることは大した根拠もない。

 他人と関わりたくないのは、他人の悪口を聞かずに済むから。今考えるとばかばかしい。それほど深く関わったことがないだけ。自分がどういう悪口を言われているか、怖い?知りたくない?


「はっ……」


 自分探しは面倒なだけじゃないか。今だって自分のことが分からないのに、言えたことだろうか。それならば、よほど哉也の方が理解しているかもしれない。

 それで良いんだろうか。私は私だと言うことは誰もが確信できるものでは必ずしも無いけど。そんな不確定な自分のままで、良いのか。


「ま、関係ないけどね」

「「は?」」


 下らない。自分のしたいこともすぐ疑うくせに、したいことがあるから? ほんと、何なの私。


「何なの……あんたら。私にどうしろって言うのよ……」


 無駄だ。こんな思考は、正直無駄だ。

 だけど、考えてしまう。考えずにはいられない、気がする。

 こんなにぐずぐず考えるなんて、腹立たしい。


「え、何だよ。やるのかよ」

「うるさいなぁ……」


 こんな男2人きっかけに考えさせられるとは。


「やれば良いんでしょ、やれば」

「は、はあ」

「やってやるから、もっと懇願しろ!」


 考え込むなんて、らしくもない。


キャラ崩壊……?

いやこっちが先に書かれてるんだから元キャラなのか、と困惑。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ