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手紙

 中から折りたたまれた真っ白な紙を取り出し、開く。

「……」

 ただそれを眺める哉也。その仏頂面から手紙の内容を推測することは出来ない。

「……なんて書いてあるの?」

「俺が答えると思うか?」

 聞き返され、腹が立つ。

「わざわざアンタに持ってきてあげたってのに……」

「だからってプライバシーを侵害する気か? 趣味悪いな。知ってたけど」

 言い終わると同時に哉也は手紙をたたみ、また封筒の口を開く。

 封筒に手紙を入れようとして、はたと止まる。

「……まだ入ってる」


 中から取り出したのは、先ほどと同じような、折りたたまれた真っ白な紙。開いてざっと目を通し、私を見る。


「これ、お前宛」

 そう言ってその紙を私に投げると、元来た方へ歩いていく。

「え、ちょっ、待っ……!」


 慌ててキャッチして哉也を見ると、その姿はだいぶ小さくなっていた。


「……ったく。アイツはいつも……」

 ひとつため息をつき、また切り株に腰かける。何だか疲れた。

「……ってかコレ、何だろ……」

 紙を開き、見てみる。

 真っ白な紙にパソコンで打たれた文章。文字はゴシック体で丸みをおびているのだが、そこから柔らかさのようなものはなぜか感じられない。


『香宮 咲希サマへ

 この度は『シークレットルーム』使用権獲得、おめでとうございます。

 どうぞ有意義にお使い下さい。春影高校北校舎3階の灰色のロッカーを3回ノックしてから開けると入室出来ます。

 なお、咲希サマが使用権を獲得されたため、春影高校に在籍中の親戚の方々の使用も許可しております。

 また、『シークレットルーム』の存在を知らない者にそれに関係することを伝えることは出来ません。

 その他のルールは、『シークレットルーム』内にあるルールブックにてご確認下さい』


 そこで唐突に手紙は終わっていた。



「……何コレ?」



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