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投稿の方が遅れてしまい申し訳ありません。

感想欄やメッセージでご指摘いただいた方大変お手数をおかけしました。

詳しい話は後書きにまとめましたのでそちらをご覧下さい。

「健一、ダーツの準備忘れてるぞ」


 俺が雪菜のことについて悩んでいると横から戸田さんの呼びかけが聞こえた。

 1Leg目が終了したので、本来なら2Leg目の準備を始めないといけないのに雪菜のことを考えすぎていて、そんな簡単なことも忘れていた。

 

「あっ」


 俺が素っ頓狂な声を上げると戸田さんはあきれた表情を浮かべる。

 

「お前な‥‥」


「すいません」


 俺はそういうと戸田さんの側を離れ、慌ててダーツの筐体がある方へ向かう。

 ダーツの筐体に着くと慌てて2Leg目の準備を始めた。

 2Leg目の準備をしている時も俺の頭の中は雪菜のことで一杯だ。

 今待機場所で落ち込んでいる雪菜をどう立ち直らせればいいのかそんなことばかりを考えてしまう。

 

「健一、手が止まってるぞ」


「へっ?」


 いつの間にか俺の後ろには戸田さんが待機していた。

 戸田さんは覗き込むような視線で俺のことを見ている。

 

「全く、お前はどれだけ雪菜ちゃんを愛してるんだよ」


「別に雪菜のことは愛してないですし、考えてもいませんよ」


「俺は雪菜ちゃんのこと考えてるとは一言も言ってないけど」


「‥‥‥‥‥‥‥‥」


 誰にも聞こえないような声で戸田さんは俺に語りかけてくる。

 ニヤニヤと笑い、俺の失態を喜んでいるように見えた。

 おかげさまで俺の顔は真っ赤に染まり、戸田さんから視線をそらす。


「俺は別に、雪菜の心配なんかしてません」


「そういいつつもお前また手が止まってるぞ」


「すぐ終わります」


 俺は慌てて2Leg目の準備を進める。

 正直言うと今の雪菜は非常に心配だ。

 さっきの羽村さんのダーツは自分のダーツをした上で負けてしまったからしょうがないが今の雪菜は違う。

 あんなダーツをしたら悔いが残ると思うし、後悔もする。

 初めての試合ぐらいせめて負けるにしても自分の力を全て出して終わってほしい。

 

「雪菜ちゃんならお前の杞憂だ。見てみろ」


 戸田さんが後ろの方を見ると、雪菜の近くにはいつの間にか宮永さんがいた。

 2人が何を話しているかわからないが、すぐ側で話こんでいる。

 

「だから大丈夫だ。きっと2Legでは立ち直っているさ」


「ならいいですけど」


 俺はそう言うと2Leg目の準備を進める。

 ボーーっとしていた俺のことを戸田さんが檄を飛ばしていたのが印象的であった。








☆★









「雪菜大丈夫? 顔色悪いけど?」


「大丈夫だよ」


 飛鳥が声をかけてくるので私は何でもないように気丈に振舞う。

 今は1Leg目が飛鳥に取られて私は狼狽していた。


「そんなダーツしてると橘君に笑われるよ」


「えっ?」


 私は飛鳥から出てきたその単語にびっくりしてしまい、驚きの声を上げてしまう。

 飛鳥はというとこちらの方を見るとやっぱりかという顔をしていた。

 

「何のこと?」


「惚けなくていいから。今あそこにいる店員さんって橘君なんでしょ」


 私のことを見る飛鳥はそんなことを言っていた。

 

「ちが‥‥」


「ごまかさなくたっていいって」


 そう言うと飛鳥は感触を確かめるように自分の矢を持つ。

 

「うん‥‥」


「やっぱりね。髪型とか顔立ちとかは違うけど、話し方とか雰囲気とかは橘君そのものだと思った」


「よく‥‥わかったね」


 私がおずおずと言うと飛鳥はあきれ混じりにいった。

 

「だって雪菜があの店員さんに送ってたエールって、どう考えても教室で健一君と話しているのと同じだし」


 私は飛鳥の言葉に黙ってしまう。

 それが無言の了解と取ったのか飛鳥は続ける。

 

「それにさっきあの店員さんと話したんだけど、声がすごく橘君に似てたんだ」


「そうなんだ」


 どうやら健一君は自分で墓穴を掘っていたらしい。

 私のせいじゃなくて本当に良かった。

 

「で、その様子だとダーツも橘君に教わったんでしょ?」


「うん」


 飛鳥の質問に答えるたびに顔が赤くなるのがわかる。

 それぐらい今飛鳥に対して恥ずかしいことをしていたように思えた。

 

「散々私達の約束を断ってたのは橘君とデートするためだったんだ。それならもっと早く言ってくれれば私達も気を遣ったのに」


「ちっ、違うよ。一緒にダーツする時は柚子だっていたしデートなんかじゃ‥‥‥‥」


「へぇ~~柚子ちゃんと3人でねぇ~~」


 飛鳥は疑う様な視線を私に向けてくる。

 今の自分の顔はすごく熱く、飛鳥に顔を見られないように俯くしか手段がない。

 

「これで合点がいった。私達の中で1番ダーツが下手だった雪菜があんなに上手くなったのは健一君に教わってたからってことか」


「うん。恥ずかしながら」


 飛鳥は納得したように頷く。

 

「ってことは、今の雪菜のダーツが橘君のダーツなんだね」


「う‥‥‥‥」


 頷きかけた時に私ははっとしてしまう。

 今の私は健一君のダーツをしているんだろうか。

 健一君が教えてくれたダーツはこんなダーツじゃない。

 飛鳥は私の方を向きながら真剣な表情で話す。

 

「違うの? いつもより矢がブルにいかないのは、健一君がトリプルを狙うように教えてたからじゃないの?」


「違う。私は健一君にそんなこと教えてもらってない」


 私は少し強めの口調で飛鳥にそういっていた。

 私の声量に飛鳥は驚きながらも、私から視線を離さない。

 

「もし違うなら、次のゲームで見せてほしいな。雪菜が教わったダーツを」


 飛鳥は私の目を見ながら真剣に話す。

 

「うん。次はちゃんとやるから」


「私も負けないから」


 そういって私は自分のダーツの矢を眺めた。

 短く太い形状の砲丸型のダーツ。

 健一君が私に合っているといって選んでくれたものである。

 その健一君のためだけじゃない。私のことをいつも励ましてくれる佐伯さんのためにもこの試合に勝ちたい。

 そして決勝戦にいき、さっき柚子とした約束を果たす。

 今の私に出来ることはそれしかない。

 

「それでは2Legを始めますので準備の方をお願いします」


「雪菜の番だよ」


「あっ」


 飛鳥にせかされて私はスローイングラインの方へと歩いていく。

 飛鳥の先程言ったセリフが妙に私の耳に残った。


ご覧いただきありがとうございます。


今回の投稿で57話を誤って58話として投稿してしまい申し訳ありません。

作者も読者からいただいた感想欄のコメントとメッセージで初めて気づき、慌てて削除しました。

再度58話分の投稿が遅れてしまった理由につきましては先程まで外出していて手元にバッグアップがなかったためです。

普段は自宅PCのテキストエディタを使って執筆の方を行っていて、そちらの方にデータを残しているため投稿が出来ませんでした。


今回の件で感想やメッセージで間違いを指摘していただいた方ありがとうございます。

おかげさまで早期に気づくことが出来ました。

こんな拙作ですが今後ともよろしくお願いします。

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