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ご無沙汰しております。
「ぶらぶら飛んでたら腕つっちゃてぇ~!落ちたら男にわしづかみされて気分悪かったけどぉ~、こぉ~んな可愛い娘に会えるなんてぇ、アタシ!ラッキーだわん。 」
おいおい、さっきまでの無言はどこ行った?
マシンガントークを繰り広げ始めた物体Xを横目で見ながら、上司と顔を見合わせた。
「宮さんアレなんだろ…僕には喋ってる様に聞こえるんだけど。
血流しすぎて、幻聴が聞こえてるのかな?」
上司よ…気持ちは良く分かる…。
「幻聴だったら良かったんですけど、私にも喋ってる様に聞こえます…。
しかも今流行りのオネエ系っぽいんですけど…。」
喋るど派手な物体X…。
「世界は広いんだねぇ。
こんな生き物初めて見た。」
「ええ、私も。」
上司がそう呟き、生返事を返したが…そんな訳はない事は、たぶんお互い分かってる。
そんな生き物がいたら、連日テレビのワイドショーで持ち切りだろう。
なおも
「あぁ~ん。か・わ・ゆ・い・わぁ~ん。
男が邪魔だけどぉ~。」
とまくし立てているアレと少しずつ距離を取りながら、頭の中では、ヤバいぞ警報が鳴り響いていた。