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はじめての作品になります。
更新は遅いかもしれません。
草の香りがする
それもむせかえりそうな程強い匂いだ。
おかしい
我が家には観葉植物はおろか花すら飾っていない(すぐ枯らしてしまうため)
重たすぎる瞼を無理矢理ひらき、寝汚い&超低血圧の私は過去にみないほどの勢いで眠りから覚醒した。
宮城翔子29歳女
今までの人生中で一番驚いたのは酔っ払って自宅のトイレで裸で寝ていたことだったが、目の前に広がる景色はそれを上回っている。
どこまでも続く草原と寝ている上司の姿。
頭の中は大混乱。
「…なんでやねん」
思わず地がでてしまった。
パニック中の頭の中では
なんでやねん
が大合唱中である。
とりあえず寝ている上司を起こしにかかる。
「草野さん、起きて下さい」
ゆさゆさ……
…起きない
「起きて下さい!非常事態なんです!」
ゆっさゆっさ……
…起きない
「起きて下さいゆーてるんですけどー!起きひんかったらしばきまわしますよ」
胸の上で両手を組んで、まるで天に召された方の様な寝方で熟睡しております。
アーメン
じゃなくて、本気で叩き起こす事にします。
とりあえず頬を渾身の力を込めてつねってみたら飛び起きました。
「なんですか?人が気持ち良く寝てるのに…。痛すぎますけど。
で、ここどこなんですか。お嬢ちゃん誰なんですか。
寝ている人様の顔をつねるなんて…」
…おい!
「誰って、どーみても宮城でしょーよ!宮城翔子です!どこか私に分かるわけないじゃないですかー!」
はて…?と首を傾げる上司。
つられて私も首を傾げる。
そして次の言葉に固まった。
「僕の知ってる宮城さんて、もう少し歳くってたと思うけど、?宮城さんの親戚の子?」