表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

2/4

序章-2



そう思った途端、プルプルと震え出す身体。

何故かわからないけれど、冷や汗が止まらない。



よくわからない恐怖が私を襲う。



ガタガタ震える私を見て、心底嬉しそうな表情をする叔父とニベア。



本当に腐っている….

叔父たちと血縁関係にあることが心底気持ち悪い。



「大罪人よ」



少し甲高い声が特徴の声に呼ばれ、目の前に立っている叔父とニベアと目線が合うよう顔を上げる。



「おいおい、そんなに睨まないでくれよ」



睨んでもない私が悪人になるように叔父はニヤリと厭らしく笑い、民衆たちに聞こえるよう大きい声で発した。

そんなわざとらしくする叔父のパフォーマンスに嫌気がさし、視線を床に落とす。



「お姉様。

私、お姉様にプレゼントがありますの」



私の耳元で囁いたと同時に、乱雑に何かを床に投げ捨てた。

ボコっと何か重たい音が鳴り、コロコロと上手いこと私の元へ転がってきた。



それを見て、息が止まる。



「なん、で!?」



バッと叔父とニベアを見上げる目を細め、これでもかってほど睨んだ。



「どうして!!」



手足は鎖で結ばれているにも関わらず、叔父たちに向かって体を動かす。

それにより、鎖がガシャンガシャンと激しい音が民衆たちにも大きく響き渡る。



だって私の目の前に転がってきたそれは。



1ヶ月前に手紙をくれた。

【必ず迎えに行きます。】と伝えてくれた。

私がお慕いしていた、唯一の人。


ーーールカート第一王太子殿下の生首だった。



「はははっ」

「ふふっ、ふふふっ」



私のこの行動を気に入ったのか、嬉しそうに笑う叔父とニベア。



「そう!その顔だよ!やっとお前を絶望に追いやれる!」

「お姉様のその歪んだ顔がやっと見れましたわ!」



ニベアが勢いよく、ガバッと私の前髪をあげる。

痛みで顔が歪む。



「あなたのせいじゃない」



ニベアがそう言い、叔父はニベアに続き、言葉を続ける。



「お前が生きているからだ!

お前が悪い!全部、お前のせいなんだ!」



ああ….

なんてこと。


ルカート殿下、ごめんなさい。



ポタポタと目から流れる涙が止まらない。

泣いている間に叔父は死刑執行人に頷き、ギロチンに首を固定される。



ねえ、神様。


本当に私のせいなのですか。

私が生まれてきたから…



「では、大罪人アイリス・ルルエルディアの処刑を行う!」



喜んでいる民衆たちの声が煩い。

微笑んでいる叔父とニベアが憎い。



ねえ、神様

もう一度、やり直せるのなら…

もう一度、ルカート殿下お会いできるのなら…


どうか、お願いします。

私にチャンスをください。


ルカート殿下を….

彼を守るチャンスをーー。



そして。



ーー叔父とニベアに復讐できる、チャンスを。



今度こそ間違えない。

絶対にー。



「私は、あなたたちを絶対に許さない。」



そう呟いた瞬間、グシャリと音が聞こえたと同時に、私の視界が真っ暗になった。




こうして

大罪人アイリス・ルルエルディアは処刑された。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ