星座うらみうた
あの子とわたしは星座が同じ
生まれた日にちも同じなの
しかし どうしたわけなのか
私の運だけ だだ下がり
あの子とわたしは星座が同じ
生まれた日にちも同じなの
あの子は なんにも困らない
わたしは なんでもツイてない
あの娘とぼくは 水と大地
エレメントこそ 相性よし
だけど なぜだかどっこいさ
顔合わすたび 大げんか
あの娘とぼくは 水と大地
エレメントこそ 相性よし
油まじりの ねっとり彼女
ぼくは じめじめ泥彼氏
あいつとあいつの星座だけ
宙よ 罰をあててくれ
はじめはそうね テーブルの
足に小指を ぶつけたまえ
あいつとあいつの星座だけ
宙よ 罰をあててくれ
患部を数針 縫われたら
われの痛みを 知るだろか
人の幸せ 願えない
ミクロな腹の わたしです
人の不幸は なんとやら
ごはんが旨けりゃ それでいい
十二の星の だれかさん
今日も泣き笑い ランキング
あなたが笑うと わたしはみじめ
いつか逆転 おぼえてろ
星座 うらみ うらみうた
星座 占見 うらみうた
あとがき(めいたもの)
改めまして、八十島そらです。
むかしむかし、12星座を題材にした色つきラメ入りペンが販売されておりまして、僕は保護者にめずらしくおねだりしました。
「こういう物は、女の子が使うのです」
却下され、売り場から離された僕は、後でささやかな反抗をとることになります。寄り道して1日1本、買っていき全色揃えました。いつかこれらのペンで、お手紙を書けたらなと鍵つきの引き出しにしまい、ひとりの時に開けては手に取りながめていました。
12本のペンは、僕が使うことはなく、隣の学級のある女の子にあげてしまいました。恥ずかしがりやの僕でも話しかけやすそうな、内気な女の子でした。なぜ、あげたのか、その際どのような話をしたのか、なかなか思い出せません。
ペンは、今も大切にしてくれているのでしょうか。世間にもまれて、荒んでしまい、あっさりゴミ箱に放ってしまわれたのでしょうか。真相を知るすべは、想像するしかありません。