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新星  作者: 煌煌
第十話 シンジュ
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心象

 永い時を生きるモノにとっては、三箇月という期間は長いようで短い。そもそもタハダの言葉を鵜呑みにするのも危険だろう。いつ敵が襲って来ても良いように、全人類が最善を尽くす必要がある。誰より早く自分たちのすべきことに気付いたのは、真珠と光悦。




 先の戦闘から二日。昼夜を問わず地下基地にてシミュレーターでの訓練を行う二人。

 本来は民間人である光悦が軍の設備を使うのは禁じられている。彼の熱意に触れた真珠がミストに直訴していなければ、叶うことのなかった光景。当人は知らないのだが。


「ほら、無駄な動作が多い」


 何の知識も持たず、意欲のみで訓練を開始した光悦。シミュレーターとはいえ、立って歩くだけでも充分。彼らの目的が弥生の奪還ではなく、一戦力となることだとすれば。


「操縦を想像で補うんだろ? 思い浮かべてはいるんだけどな。何が違うんだか」


 標的が現れ、機体正面を敵に向ける。狙いをつけて、トリガーを引く。シミュレーター内のシンライが武器を動かし、弾丸を放つ。操作との時差はコンマ数秒。

 光悦の動きも、一般的な兵士となら遜色はない。ただ、真珠やゲイルなど、エースたちと比べた場合は差が生まれる。SFの操縦はシンセイと違い、技量がモノを言うのだ。




 連合の技術で再現したコックピットでは、イメージを具現化させたり、機体の動作全てを賄うことは不可能。あくまでも操作の補助として、搭乗者の思考は読み取られる。

 ゲイルも柔軟な思考が大切だと言葉にしていたが、一定の技量を備えた上でという話。シンプウだとまた別だが、今の光悦や量産型に乗る者には関係のないこと。




「じゃあもう一度、私がお手本を見せるわ」


 真珠の合図で光悦は席を替わった。シートは伸縮が可能で、彼女のサイズに変化。思考を読み取るのと同じ、人工知能による作用。シミュレーターも実機の物が積まれている。

 仮想空間の戦場が広がるモニター。操縦桿を握ると、標的が出現。実機と同様なため、レーダーにも位置が示される。敵は左後方。

 両方のレバーを前に倒し、フットペダルを踏む。機体は正面に向かって飛ぶ。


「撃つ」


 実際には目線などから人工知能が読み取るため、発声は不要。真珠が口にしたのは、横に立つ光悦に分かりやすくしたのだろう。

 左のレバーを下げ、トリガーを引く。照準は振り向いた分で調節してあり、予備動作もなく発射された弾丸は、敵機に命中。回避と攻撃の同時進行。エース級には当然の操作。




 実戦との違いは、弾が敵に通用すること。標的は砕け、訓練終了の文字が浮かぶ。


「まだまだ先があるんだから。躓くには早いわよ。今日の目標はこの敵の撃破ね」


 人工知能の搭載で、誰にでも操作しやすくなったSF。反面、使いこなすには両手両足だけでは足りない。二人が目指すモノには、過去の兵器では必要のない心が求められる。




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