ツンツン少女が恋をして。
こんな思いをするのは、何年ぶりだろうか?
本当は、もっともっとこんな思いをしたかった。
でも…。無理だった。
これから、たくさんこんな思いをすると思ってたから、のんびり生きていた。
でも、私の寿命が自分の思っていたより短かった。
まさか、この歳で宣告されるなんて…。
思ってもいなかったから…。
「お花持って来たわよ。美樹…。」
「そこに置いといて。」
まだ、反抗期なの?って思わせるような返事をした。
「分かったわ。」
ため息をつきながら言った。
こんな、母親が嫌い。
正直、ウザい。
私は、美樹。
18歳。
青春真っただ中。
「じゃ、帰るわね。」
病室を出て行く。
小さい背中を見せながら…。
「おめぇ、相変わらずツンツンしてんな〜」
「うるさい。」
「そか?」
こいつは同じ病室の卓也。
私と同じ18歳。
「今日、おにぃさんが来るんだけど?」
「そ…。私には関係ない。」
本当は、卓也のおにぃさんが好き…。でも、それは卓也には知られたくない。
「そっかぁ…。だったら、このドーナッツ食べる?」
「太るからやだ。」
こんな会話が続く。
私は「あんたとは関わりたくない」って言うオーラを卓也に出しているのに…。
こんなにも、かまってくれてる人がいて嬉しかった。
でも、そのうちかまってくれなくなるだろう…。
女の勘ってすごいんだから。
甘く見ないでよね。
「なんで、そんなにツンツンしてるの?」
「あんたには関係ない。」
「初めてここに来たときはそんな感じじゃなかったよ?」
「そんなの知らない。」
「…。美樹…。そんなに僕のこと嫌い?」
凄く暗い声で言われた。
ちょっと、キュンって来ちゃうじゃない。
「うん。大嫌い。」
「…。そっか…。」
ホントはそれほどでもなかった。
大嫌いって訳じゃない…。
もう少し…時間が欲しかった。
そしたらもっといい答えが出たと思うし…。
卓也を傷つけることだってなかった。
「お邪魔するよ。卓也。美樹ちゃん。」
「・・・。おにぃさん…。」
「?卓也どうした?」
「ううん」
卓也は私の答えを引きずっているようだった…。
「美樹ちゃん。最近どぅ?」
「えっ…。」
一瞬こわばった。
あんな意志の強い眼…。
「相変わらずツンツンしてるお。」
「た…!卓也!」
「はははっそうか〜相変わらずか〜」
すんごい恥ずかしかった。
そんな風に言わなくたっていいじゃない…。
もう少しさ〜私が女らしい感じのこと言ってお〜!
ホントはツンツンキャラじゃないのに…。
こんな自分がやだ…。
正直、もう少し 素直な子になりたいし…。
女の子らしくありたい。
最近じゃ〜ツンツンキャラは萌え要素の一つだぁ〜なんて言われてるけど、
ツンツンキャラの人は、もっと可愛らし子になりたいって思ってる。
本当に、迷惑!
この一言!
「でもさ〜美樹ちゃんってツンツンキャラじゃないよね〜?」
「?」
言葉が返せなかった。
しかも、焦ったし。
「だぉね〜おにぃさん。たぶんなんか隠してるんだよね〜」
卓也が笑いながら言う。
「うるさい。黙って。馬鹿。」
私ったらなに言ってるんだろう…。
嫌われるようなこと自分で言っておいて自分が混乱してる。
「はははっ美樹ちゃんらしいや。」
こんな感じに受けとめてくれる 卓也のおにぃさんが好き。
私がどんなことを言ってもこんな感じに流してくれる。
私にはこんなタイプの人が合ってるんだろうな…。
「おにぃさんは優し過ぎだぉ!こいつわがままなんだぜ!?」
私は、そっと おにぃさんの指に目をやった。
(あれ?指輪…?)
勇気を出して訊いてみた。
「おにぃさん。結婚してるんですか?」
まさか、みんなツンツンキャラで通っている、私がこんなことを聴くなんて思ってもいなかっ
たのだろう。
「ああっ。してるよ・・・。」
答えてはくれたけど 目がビックリしていた。
「そうなんですか…。」
私は、境界線のカーテンをそっと閉めた。
次の日、卓也が私の閉めたカーテンを開けた。
「ねぇ…。美樹って僕のおにぃさんのこと…好きだったの?」
「そうよ。悪い?」
「ならさ、僕のことは?」
「………。分からない。でもね……」
私は、無理やり卓也にキスをした。
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