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きつねのきょんシリーズ

てまりうた -あやはのせかい-

作者: みなはら

朝、浮かんできた場面です。

持ちキャラに演出をやってもらった話ですね。



 ひとつとせ〜、


てまりうたがきこえる。


子供たちが集まって、まりつきをしているみたいだ。


楽しげな笑い声や歌がが、かすかに風にのり遠くからきこえてくる。



いつからか、もうわからない。


世界を、そこにすむひとたちを愛するようになったのは、いつからだろう。


稲荷の神に帰依して庇護に入り、神使、神の司としてこの地を見守り、世界を治め、ひとたちの生活を見守り、看取り、共に幾年(いくとせ)を見てきたからだろうか。


このわたしの世界のひとたちは田畑の収穫を終え、ひとたびの休息の季節へと向かってゆく。



子供たちにはそんなことは関係ない話で、

父母を手伝い、遊び、日々が過ぎてゆく。


わたしにとっても懐かしく、そして胸の暖かくなる遠き日の思い出だ。



今の、現世(このよ)の人の暮らしはどうだろう。

日々を楽にして、時間を得るために人は進歩して、楽しいはずの生活を手に入れた。そのはずだ。


でも、単純だった日々は複雑になり、ひとたちは困惑して、

手に入れたはずの時間に、逆に使われているように日々に追われている。


なんだろう。

現世は修行の時でもあるけど、無用な苦しみは必要無いはず。


荒ぶる御霊(みたま)のように相手を悲しみに落としお互いを傷つけあう。


昔も今もそう変わりはしないけれども、でもそんな出来事を多く感じるようになった。


世界は、崩れつつあるのかもしれない。




歌声がきこえる。


 からすといっしょにかえろうか〜。


思ったよりも長く、考えごとにふけってしまった。


日の暮れる、わたしの世界から現世の地へ戻るための鳥居をくぐる。



「さて、みんなはどうしているかな?」


そんなひとりごとを呟いて、

わたしの仲間たちのことを想い、わたしわ口元をゆるめる。


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― 新着の感想 ―
[一言] >日々を楽にして、時間を得るために人は進歩して、楽しいはずの生活を手に入れた。そのはずだ。 でも、単純だった日々は複雑になり、ひとたちは困惑して、 手に入れたはずの時間に、逆に使われて…
[良い点] (ノД`)・゜・。感動した この短い間によくもまあ…… [気になる点] 世界は崩れつつある そうかも……(ノД`)・゜・。 [一言] みなはら様の優しさ感じる物語 エガッタ(ノД`)…
2019/12/13 12:41 退会済み
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