ふわっともっちり。
ふわふわ、もちもち。
「ふわふわ~」
「ふわふわだねぇ」
「ふわふわだよ~」
「ふわふわだぁ」
ある日の放課後。私達はお茶をしていた。
「いや、流石新しくできたカフェテリーア、ケーキの味も違うねぇ」
「美味しいよね~。そして~」
「スポンジがふわふわってしてて、それも素晴らしいっ!って思うねぇ」
「そうだね~」
「ロールケーキ好きのあたしさん、大満足だよ」
「あれ、前はショートケーキだったよね~?」
「どっちも好きなの」
「そっか~」
ふと、見上げる。青い空に浮かぶ、ふわふわな雲。それらが全てふわふわのスポンジケーキのようだった。
「美味しそうだね~」
「何がだい?」
「あの空のスポンジみたいなくも」
「ああ、あの雲がもくもくってスポンジになればどれだけ幸せだろうなぁ」
「ほんとにね~」
風が吹いて、雲が流れていく。
「ここのもう一つのデザート食べてみない?」
「なんだっけ~?」
「もちもちもっちもち」
「今度はもちもちしたのか~、いいね~」
「じゃ、頼んじゃうよ」
ボタンを押して、店員を呼ぶ。すぐに来た。
「もちもちもっちもち二つくださいな」
「もちもちもっちもち二つですね、かしこまりました」
店員は戻っていった。
「ねえねえ」
「なんだい?」
「さっきの店員さん、肌もっちもちだよ~」
「ほんとだねぇ。実はあれがもちもちもっちもちだったりして」
「それだったら嬉しいな~」
「いや、人間食べてどうするのさ」
「あれ、確かに~」
しばらくして店員が戻ってきた。
「お待たせしました、もちもちもっちもちになります」
二人の目の前に、白くて見るからにもちりとしたものが置かれた。
「うわぁ、ほんとにもちもちだ~」
「凄いね、見るだけでもちもちしていると分かるよ」
「では、食べましょ~」
「いただきます」
もちもちもっちもちを一緒に頬張る。
「うわぁ~」
「おお…」
「もちもち~」
「もちもちだねぇ」
「もちもちだよ~」
「もちもちだぁ」
また、空を見てみた。そこに浮かぶ雲はもちりとしていた。
最後まで読んでくれて、ありがとうございます。