プロローグ〜0日目
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もしもいきなり「あなたの余命は一週間です」と言われたらどうですか?何を思い、何を感じながら残りの人生を過ごしますか?
考えたことありませんよね。私も考えたことなんてありませんでした。
将来の夢を持ち、その夢に向かって人生を歩んでいる高校二年の春、私は命の終わりを告げられました。
「ねぇ咲良ー?進路ってもう決めた?」
高校二年に上がって一週間が経った頃、友達のえっちゃんこと、佐藤瑛里華がそんな話をしてきました。
「進路?うーんまだ二年になったばかりだし、はっきりとは決まってないかな?」
「そうだよね、やっぱり咲良も決まってないか」
えっちゃんは「うーん」と唸っていました。
「もしかして、えっちゃん?もう進路決めようとしてるの?まだ二年になったばっかりなのに」
「実はね、私ってお兄ちゃんいるじゃない?」
「うん」
確かにえっちゃんには大学二年生の兄がいたはずだ。
「お兄ちゃん、進路の事をギリギリまで考えなかったおかげで一浪しちゃってね。浪人期間のお兄ちゃんを見て思ったのよ。私は早く進路を決めようって」
えっちゃん曰く、一年の浪人期間があった兄はまるで死んだ魚のような目をしていた。と話しました。
「私は絶対!お兄ちゃんみたいな思いをしたくないの」
「……なるほどねー」
私も進路を早く決めた方が良いのかな?でも自分が将来何をしたいのか、全く想像がつきません。
「だから咲良も早く進路は決めた方が良いよ!ぜっ……たい!後悔するよ!」
「そうだね、そうするよ」
「さーくら!帰ろ?」
後ろから帰る支度をしたえっちゃんが声をかけてきました。
「うん、ちょっとまって」
私は帰る支度をして「いこ?」とえっちゃんに言いました。
「最近寒いよねー、桜が咲くのも一週間後だってさ」
私達はいつもの通学路を歩いて、いつものたわいない話をしていました。
「そうなんだ。ていうか、えっちゃんって桜の咲く季節とか気にしてたの?」
「何、意外?私結構桜好きなんだ。町中がピンク色に染まって綺麗じゃない?」
「確かに綺麗だけど、気にしたことはないかな。じゃ私こっちだから。えっちゃん、また明日ね」
「あれ?もう分かれ道か。なーんだ、まだ咲良と居たかったのに」
「気持ち悪いよ」
「ひどい!?私はこんなに咲良の事思っているのに!」
「はいはい、バカな事言わないの。じゃあね」
いつものようにバカなやりとりが終わり私は一人になった。
私の一日はこれで終わり……のはずだった。
でも、今日は今日だけは違った。
いつもの帰り道、そこには見慣れないおばさんが座っていた。
「ちょっと、そこのお嬢さんお待ちなさい。」
初めて見るおばあちゃんが停止を促してきた。初めは私じゃないだろうと思っていたけど、周りには私以外の人はおらず、すぐにこの人は私に話しかけている、と思った。
「……はい、何でしょうか……」
恐る恐る返事を返す。おばあちゃんはいかにも占い師です!みたいな、と言うより魔女みたいな格好だった。
「お嬢さん、あなたには強い死期を感じる。多分近いうちに死ぬよ」
「……はい?」
信じられなかった。死ぬ?私が?近いうちに?そんな訳ない、だって私は大きな病気もかかったことがないし、死ぬ理由とその心当たりが全く思いつかない。きっとデタラメだ。
「いやいや、私が死ぬ?いつですか?近いうちに?きっとデタラメですよね?」
「やはり信じないようじゃな。わかったでは見ておれ」
そう言っておばあちゃんは私たちの前を歩いた一人の男の人を指差して言った。
「あの男、後七歩歩いた所にある交差点で車に轢かれて死ぬな」
何を言いだすんだこの人は。そんなはずがない。
「わかりました。では数えてみますね」
そう言って私は男の人の歩数を数えた。
七、六、五、四、三、二、一、そして男の人は交差点に進入した、まさか。
すると信号無視をしてきた車に轢かれたのだ。
私は怖くなってきた。
「どうじゃ?当たったじゃろ?」
「…….違う、嘘だ……、偶然だよね?」
「残念ながらわしの予言は当たる。予言によるとお嬢さんは明日から一週間後までの命のようじゃ。そして先に言っておくが、どんな事をしても、死という未来は変わらん」
どん底に叩き落とされた気分だった。
死ぬ?一週間後に?私が?信じられない。でも今おばあちゃんが予言したことは綺麗に全て的中した。
私は後一週間しか生きられない。そう思うと涙が止まらなかった。
「残念じゃが、お嬢さんはこういう運命だったのじゃ。じゃからせめて残りの一週間楽しんでくれ」
占い師のおばあちゃんは、そう言ってどこかに姿を消してしまった。
その場に残ったのは私だけになっていた。




