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呪い

「姉ちゃん。母さんから何があったか聞いたよ。」

満はゆっくりとそう告げた。

「そう、で、私を連れ戻しに来たの?」

「凛音、ちょっと席離して。話が終わったら呼ぶからさ。」

「うん。」


凛音がいなくなったところで、加菜穂に向き合う。

「連れ戻すかどうかは、姉ちゃんの話を聞いてからにする。辛いのにわざわざ母さんと顔合わせることもないし。」

「そう、でもね、私はお母さんが伝えたこと以上のことは話せない。」

「どうして!あの時何があったか1番知ってるのは姉ちゃんでしょ!」

「そうだね。でも、話せない。」

「意味がわからないよ!姉ちゃんが話してくれないと判断が出来ないよ。」

「だから言ってるでしょ。話せないって。話さないなんて一言も言ってない。話せないの。」

その一言は、察しのいい満にはある程度の理解は及んだ。しかし、完全に理解するには察しの良し悪しではダメなようだ。

「つまり、なんかしらの方法で口止めされてる。ってこと?それは彼氏さん?」


加菜穂は口を2、3回パクパクさせると溜息をついて首を横に振った。

「他には、何か弱みを握られたとか?」

首は横に揺れる。

その後も思いつくだけの可能性をあげて見たが全て否定された。

「さっぱり分からん。」

満は困り果てて、頭を抱えた。

突然満の目の前に人差し指が突き出される。

思わず身を引くと加菜穂が自分に向かって指を指しているのが見えた。

「え?俺?俺が原因だった?」

全く心当たりないのだが?

思わず聞き返すと、加菜穂は今日一番首を大きく横に振る。

よく指の先を見ると、指は左手に伸びているようだ。

「ん?まさかこの魔法陣が原因?」

恐らく頭を抱えてた時に加菜穂に見えたのだろう。しかしながらこれが原因ときた。

加菜穂は頷いているし違いないようだ。

「姉ちゃんのうなじにも同じものあるよ?」

「え!?なんで!?」

姉がしばらくぶりに声を発した。

「私はダメなんじゃ・・・」

どうやら加菜穂の方はこの魔法陣に思い当たることがあるようだ。というか、それが原因で「話せない」らしい。さて困ったぞと満が腕を組むのと同時に、後方からいつも聞く声が響いた。

「終わった?」

凛音である。

「あ、そうだ。凛音に母さんから聞いたこと話してもいい?」

「大丈夫だよそれぐらいなら。」

と、加菜穂に許可をもらい、凛音に一連の事実を話した。

もちろん驚いてたし、混乱してたけれど、それ以上に満たちは驚かされた。

それは魔法陣の話が終わった頃であった。


「その魔法陣?模様?ってこれのことだよね?」

凛音はそういうと服の袖をめくって腕に付いている魔法陣を見せてくれたのだった。


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