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魔女と世界と魔導回路 作者:ミーシャ

序章  ~それは目覚め~

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~プロローグ~

 ここは、魔法という概念が存在する世界「テラシーズ」
 この世界には数多くの魔法国家が存在しており、その中に国として魔法大学も存在している。

 魔法大学は、昔各国に存在していたが先の世界魔法大戦において世界の魔法基準の平均化を目的に今は国として存在している。大学への攻撃は条約により禁止されており攻撃した国や勢力は他国から粛清対象として各国から討伐軍が派遣されることとなる。

 大学は7つしかなく多くの学生が存在している。どの大学でも生徒数は1万人を超えており人々を魔物から守るための魔導騎士学科や日々魔導の研究を行う魔導研究学科、医学と治癒魔法を学ぶ魔導医学科などの様々な学科に配属している。
 学科は基本的に一つしか入れないが、1年後に複数学科の授業を受けたいと申請しその1年間の成績を教師達に審査され問題ないと判断された場合、総合学科というものに配属されすべての授業の中から受けたい授業を自分で決めて受けに行くことができる。

「ほわぁ・・・ここが魔法大学!おっきぃ~!!」そう言って銀髪の少女が門の前の橋で騒いでいた。

 彼女が入ろうとしている大学は、【アルケイド大学】と呼ばれるところで【聖王国イリアナ】に近いところにあり、海や山・森などが近く自然豊かな環境にある大学である。

 少女はフードを被っており顔はよく見えなかったが、銀色の長髪で大きなリュックを背負っており身だしなみもだいぶ汚れていた。
 騒いでる彼女を見て周りはクスクスと笑う中、一人の少女が声をかける。

「もしかして、あなたも新入生?」

「ふぇ?」少女は振り向き、声の主の方を見る。

 そこには、同じように大きなリュックを背負ってはいるが綺麗な服を着た金髪の少女が立っていた。

「あっ急に声かけてごめんね?私はマナ、マナ・アリエスティっていうの。あなたは?」

「私はえっと・・・ネア・・・ネア・リージュ・・・です」おずおずとネアは答える。

「初めまして。ネアさんも今日からこの大学に?」

「はい!えっと・・・今日からいろいろと学びたいと思ってます!」少し照れながらもネアは答える。

「あはは、そっか。私も今日からこの大学に入学するんだ。っとと、そろそろ中に入ろうか。」そういってマナはネアと一緒に中に入っていった。

 門を通り抜けるとそこには大学の中とは思えないほどきれいな街並みがあり、中央奥にある滝をはさんで左右に分かれてのびている長い階段の先に大学らしき巨大な建物が並んでいた。
 門を通ってすぐのおおきな道には左右に分かれていろいろなお店が並んでいて、多くの人でにぎわっていた。
 中央広場には大きな噴水があり、近くのベンチに腰掛け生徒たちがものを食べたり本をよんだりして過ごしていた。

「すごーい!」二人は目を輝かせる。

「私達今日からこんな素敵な場所で学んでいけるのね」マナは期待に胸を膨らませた。

「ねっ?ネアもそう思わない?」とネアに尋ねるとそこにネアの姿はなかった。
 どこに行ったのかとあたりを見渡してみると近くにある本屋のショーウィンドウの中を目を輝かせながら見ているネアを見つける。

「はいはい。興味あるのは、わかるけどそろそろ向かわないと間に合わないからまたあとでね」
 そう言って「もう少し!もう少しだけ~!」と言うネアを引きずって大学の方に向かった。

 入学式は大学の奥にある大聖堂で行われる。
 天井には太陽の周りを飛び回り笛を吹く天使たちの絵が描かれており、その空間だけとても澄んでいる感じがした。入学式の挨拶では学長が軽く挨拶をし、簡単に教職員の紹介をしていった。

 入学式の挨拶が終わった後、一度学科別に分かれて大教室に集まることになっていた。
 マナは魔導医学科に所属しており、ネアは魔導騎士学科に所属していた。

「魔導騎士専攻だったの!?」とマナは驚く。

「はい!私・・・魔力が少ないから。魔導騎士なら少ない魔力でも大丈夫かなって思って。」ネアはニコニコと答える。

「たしかにそうだけど・・・あなた剣とか槍とか扱えるの?」

「・・・扱ったことないです」清々しくネアは答える。

「だと思ったわ。」マナは頭を抱えるがネアはわかってないようだった。

「いい?魔導騎士を目指している人の中には紳士的な人もいるけど女だからってバカにしてくる奴もいるの。そういうやつに限って弱い者いじめとかしてくるからくれぐれも注意すること!わかった!?」
 強めにネアに注意するががキョトンとした顔でマナを見つめる。

 その様子を見てさらに頭を抱えるが「まぁ・・・初日から問題を起こす奴もいないかな」と小声でつぶやくと「いい?くれぐれも注意するのよ!」と言い残して分かれた。

 大教室に入り、ネアは一番後ろの席に座って落ち着かない様子であたりをきょろきょろとしていた。
 その様子を一人の女生徒が見つめている。

 しばらくすると、がたいのいい男と優しそうな眼鏡をかけた男が入ってくる。
 眼鏡の男は、教卓に立つと一度咳ばらいをして話し始めた。

「みなさん入学おめでとうございます。私の名前はセネットという。そしてこちらのがたいのいい先生はキーツといいます。これから君たちを指導していく先生方の責任者として頑張っていきますのでよろしくお願いいたします」そう言って二人は軽く頭を下げる。

「さて皆さんも知っていると思いますが、この学科について簡単にご説明のほどをさせていただきます」セネットは後ろの黒板に絵を描いて説明を始める。

「まず魔導騎士とは人々を守る人たちのことを言います。具体的に言いますと、まず皆さんが簡単に想像できる魔物ですね。魔物にも討伐ランクがありEランク~SSランクまでの魔物がいます。Eランクなどは訓練すれば君達でも討伐できるようになると思いますが、Bランクになると正式の魔導騎士の力借りねばならず、さらにAランクになると上級魔導騎士の力を。Sランクになればまだ20名しか存在しない最上級魔導騎士の力が必要となります。もちろん数名の力を借りての討伐という条件付きですけどね。さて今の話から分かってくれた方もおられるかもしれませんが、Bランクの魔物を討伐した実績がなければ卒業は難しいと覚えていてください」

 それを聞いた生徒たちはざわつき始めるが、無視してセネット先生は続けていく。

「そして次に魔物討伐以外の魔導騎士の仕事は何かということですが、一つは町の人のお願いを聞いてその手伝いをすること。整備などは普段プロの方がやってくれますが人手が足らない場合などは君たちの力を借りなければならないこともありますので護衛だけでなく、そういうさまざまな知識を身につけていってほしいと思います」

 この説明を受けて一人の男子生徒が手を上げる。
 セネット先生は「どうぞ」と促すと男子生徒は尋ねた。
「それは、本当に魔導騎士の仕事なのですか?」
「もちろんだよ。魔導騎士とは、そういう大事の役目もあるんだ」
「じゃあ、ほかにはどのような役目があるのですか?」

「じゃあ魔導騎士の役割について簡単に話していこうか。魔導騎士には魔物の討伐、市民の生活の保護そして【世界の盾】としての役割がある。世界の盾とは、いわゆる世界に禍がふり注いだとき我々魔導騎士がその禍の種を取り除くことに尽力するというものだ。この役割は頻繁に起こるものではないので、初めに話した二つの内容が主な役割になると考えていてくれ」

「次に魔導回路について話そうか。君たちはすでに知っていると思うが、私達の中には魔力核というものがあり、そこに魔力をためてある。魔力核に貯められる魔力量は人それぞれですが有限であることは変わりません。ですのでその限られた魔力で魔法を効率的使うために魔導回路を構築しています。この回路がちゃんと構築されていると通常よりも少ない魔力量で魔法が使用できます。構築された回路は腕に刻まれていき、より高密で複雑な魔導回路だと魔力を流せばこのように強く光ります」
 セネット先生は腕を前に出して魔力を込める。すると青い光が輝き始めた。

 セネット先生は魔力を込めるのを止める。
「皆さんの回路が今どのようになっているか知りたいので健康診断もかねて保健室で一人ずつ診てもらいます。荷物は個人に割り振られたロッカーにしまってから向かってください」セネット先生が言い終えると、教室から保健室に移動していった。

 保健室は全部で6つあり、大学の建物の1つを丸ごと使っているため中が広く何人もの医師らしき人とせっせと動き回る看護師らしき人がいた。

 ネアは見たことない施設に目を輝かせてきょろきょろと見ていた。

 しばらくすると「次、ネア・リージュさんどうぞ」と看護師さんが声をかけてきたのでネアは入っていく。
 おずおずとネアが入ってくると女医さんはカルテに何やらメモを取りながら「では診察するのでフードをとってこの椅子に座ってくださいね」と優しく声をかけてくる。

 ネアは言われた通りフードをとって椅子に座ると女医さんはこちらに向く。
「あら?すごく可愛い子じゃないの。せっかくそんなにかわいいのだからフードなんて被ったらもったいないわよ?」

 ネアは「アハハ・・・」と苦笑いをすると
「っと・・・ごめんなさい、余計なお世話だったわよね。それじゃあさっそく診察していくわね」
 女医さんは診察を開始した。

「・・・うん。一通り診察してみたけど体は健康的で問題ないわね。それにしてもあなた思ったよりも筋肉がついてるのね。すごいわ・・・実際にみてもすごく華奢に見えるのに触れてみるとすごく筋肉がついてるってわかるもの。こんな筋肉見たことないわ。いったいどういう筋肉なのかしら?」
 女医さんは興味津々に触ったりまじまじと眺めたりする。

 ネアは、どうしていいかわからず「あ・・・あの・・くすぐったいです」と顔を赤くしていた。
「あっごめんなさい!わたしったらまた!」とばっと離すと女医さんは笑ってごまかした。

「次は回路を見ましょうか。じゃあ腕をだして魔力を込めてね」
 ネアは言われた通り腕に魔導回路に魔力を込める。
 しかし魔力回路は少し色が浮き出てきただけでそれ以上光ることはなかった。

 ネアはさらに魔力を込めたが輝きは変わらず、しばらく込めていると息が乱れ始める。
「もういいわ!止めなさい!」ネアが止めたことを確認するとすぐに状態を確認する。

「ごめんなさい・・・」ネアが小声で申し訳なさそうに言う。
「謝るのは私の方よ。ほんとにごめんなさい」
「少し休むなら裏にベッドがあるけど。」というがネアは断り退出していった。

 女医はネアが出て行ったあと小さくつぶやく。
「魔導回路に魔力を込めただけで魔力切れを起こしかけるなんて、魔力がぎりぎりしかたまっていない状態以外でありえないんだけど・・・あの子ここに来るまでにどれだけ魔法を使ったのかしら。」
魔導回路:魔力を魔法として行使する場合の通り道。この回路が不十分だと魔法を行使する場合、不必要に多くの魔力が必要となる。逆により高密に作られた回路だと魔力消費量を大幅に削ることが可能。
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