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狙撃手の日常  作者: 野兎
神の弓は月の形
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6 カラコの実力

 俺たちは街の西側方面の草原にいた。

 俺の精神力も完全回復。前衛がいるのでウサギを足止めするための魔法も必要ないからこれからはもっと楽に戦えるだろう。


「いたぞ、ウサギだ!」

「ラビットじゃないんですか?」

 戦ったこともない小娘が偉そうなことをほざきおる。ウサギもラビットも変わらんだろうに。


カラコはナイフを構え、ウサギに向かっていった。

そして次の瞬間、斬撃が走ったかと思うとウサギのHPバーが砕け散り消滅していくところだった。


 あれ?

 カラコ強い?



 カラコの戦闘に役立ちそうなスキルを思い返してみよう。

 邪眼、思考加速、必殺だ。今のはクリティカルが出たのか?

 そう思うことにしておこう。



 2匹、3匹と順調に倒していくカラコ。

 ウサギと向き合った時に一瞬目が光るのは邪眼の効果だろう。

 地味にかっこいい。




 あ、何か変わった草見つけた。

 他の雑草と少し形が違う。


《行動により【発見Lv2】になりました》

《行動により【収穫Lv2】になりました》


 お、スキル上がった。

 ラッキー。何の草かわからないが、今度売ってみよう。



《クエスト【ウサギを狩れ!】が達成されました。報酬 500G》


 なんかウサギって呼ぶ俺が間違ってるみたいだったけど、クエスト表記はウサギじゃん。モンスター名はラビットだけどさ。



 時々、変わった草をみつける。俺の勘では薬草と毒草だろう。鑑定スキルを持っていないので判別はできないが。




《戦闘行動によりレベルアップしました。ステータスに5ポイント振り分けてください》

《スキルポイントが2増えました》


 レベルアップした。何もしてないが、経験値は入るらしい。スキルレベルは上がらないが。

 これが寄生というやつか。俺もいつの間にか寄生プレイヤーになってしまったんだなぁ。

 精神力を上げる。



名前:シノブ Lv4

種族:半樹人

職業:狙撃手

称号:魔王の守護

スキルポイント:6


 体力:90

 筋力:25

 耐久力:40

 魔力 :50

 精神力:35(+5)

 敏捷 :15

 器用 :35




 カラコがナイフ一本で戦っているうちに、草を集めていく。

 カラコは戦う時に笑っているのだ。とても怖い。

 街の周りにはウサギしかいない。

 俺達には積極的に集まってくるが、全く近寄られないで逆にウサギが逃げていくプレイヤーもいる。恐らく自分よりレベルが上の相手には近寄らないということなのだろう。

 そうこれが初心者が先に進むための登竜門。


 俺は何もしてないが。



 俺が結構な量の草を集め終えた時、カラコは戦闘をやめた。

「楽しいですね! このゲーム!」

 うんうん、君が楽しいならそれでいいんだよ。



「レベルは6まで上がりました。スキルは邪眼と思考加速と必殺が上がりました」

 何この子怖い。何でこんなにレベル上がってんの? さっきまでレベル1だったよね。


「後、レベルが5になった時に自動的に刀術が取得されました。職業の影響でしょうか」

 これで武術スキルがないという問題点は消えたわけだ。

 俺の場合は何が来るのだろうか。俺は弓使いなのに砲術とか来たらシャレにならない。


「やはり弱いですね。チュートリアルステージみたいなものだからでしょうか」

 確かに攻撃力は低いし、魔法で全て一発だ。少々すばしっこくて攻撃が当たらないのが難点なぐらいだ。

 俺のスキル構成は大器晩成型。森の中でこそ本領発揮をする。

 そう信じよう。

 あれ、目から汁が流れてきたぞ。


「刀術も手に入ったなら、武器屋で刀買わなきゃな。そしたらボスに挑戦しよう」

「そうですね!」

 もうボス行けると思う。カラコの戦闘能力は異常だ。笑いながら、心底楽しそうに相手の突進をかわし、すれ違いざまに斬りつける。恐ろしい。

 ボスといえどもメンテナンスで能力が上がったノリノリなカラコさんにはかなわないだろう。しかも邪眼で何かのステータスを下げられるのだ。

 俺は後方支援していればいいだろう。もう俺はアイドルプロデューサー並の裏方だ。



「それで10pスキルポイントが溜まったから何を取ろうかと思って」

 武術系スキルが必要だったけど、刀術を得られたから選択肢が広がったわけか。


「何が取得可能になってるの?」

「短剣術、回避術、先読み、平衡などがラビットと戦って取得可能になりました」

 値引き交渉しか取得可能になっていない俺は何なのだろうか。商人か?

 そもそも戦闘した回数がカラコと違いすぎるからだろうか。


「何も取りたいものがなけれな回避術をとったら?」

「危険察知を取ろうと思うのですが」

 感知系か。このままカラコには戦闘特化をしてほしいが、記憶継承とか取ってる時点でもうあきらめている。

「何で?」

「何か危険が起きる一歩手前で気づいて回避とかかっこいいじゃないですか!」

「わかる。気配察知で『そこにいるのはわかっているんだ』とかもいいけど、危険回避で『クッ、来るぞ!』とかやるのもいいよな!」

「ですよね!」

 俺たちはやはり厨二病なのだろう。


主人公は生産系に進むのか……はたまた強スキルを発見したりするのか

ブックマークしてくださった方々ありがとうございます

皆さんが見てくれているのが私の原動力となっています

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