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狙撃手の日常  作者: 野兎
神の弓は月の形
18/166

17 ボス戦

ボス戦です。

 弱いと感じたのは訂正しよう。このボス強い。

 エクスプロージョンで1割削れたのは最初だけ、2回目に放ったエクスプロージョンは全然効かなかった。

 とても硬いが、動きは鈍い。走り回るカラコを捉えきれていない。俺も的が大きいので外すことなく射ることができる。



「ファイアショット!」


 火の矢が飛んでいく。全くこちらにターゲットが向かない。回復魔法を唱えているゴブリンの魔法使いが体当たりをよく食らって消えているが、その度に召喚しなおされている。回復魔法はヘイト値を上げやすいのだろう。



 ウッドショットよりファイアショットのほうが効きがよい。精神力消費の点から見ればファイアショットが現時点で1番効率がいいはず。

 やはりというか、カラコの刃はあまり通っていない。深く斬り裂けず得意のクリティカルも出せていない状態だ。



 順調に体力は削られ半分ほどになった。しかし俺の矢の残りが心もとない。

 どうしたものかと考えていた時。



「シノブさん、避けて!」


 カラコの切羽詰まった声で気付き、回避行動を取ろうとしたが遅かった。口から広範囲に及ぶ毒のブレスが吐かれる。


 ブレスだけできつい。半分以上削れた。そしてみるみるうちに体力が削られていく体力の表示が赤色になる。

 大トカゲはブレス攻撃のトドメを刺そうとしたのか、こちらに向かって突進してくる。


 間に合わない。


 俺は死に戻りを覚悟して目をつむるが、攻撃はこなかった。それどころか体力が回復していく。



「パーティーメンバーの私を抜いて戦い始めるとは、せめて待って欲しかったな~」


 そこには鎧を身に纏い、大盾を構えたヴィルゴさんがいた。




 ヴィルゴさんマジイケメン。



「さあ、ラビ行くよ!」

「ピ!」


 お、ウサギもちゃんといる。少し大きくなっているのかな?



「ヴィルゴさん、ありがとうございます」

 カラコさんもヴィルゴさんの近くへやってきた。


「パーティメンバーだろ?」

 話しながらも大トカゲの繰り出す噛み付き攻撃や頭突きを全て受け止めている。すごい技量だ。



「私がこのトカゲの隙を作るからその時に攻撃してくれ」

「はい」

 ヴィルゴさんが来てからは手助け無用としたのだろう。ワイズさんのサポートはなくなっている。


 大トカゲは全て弾かれるのにイラツキを感じたのか再び口を大きく開く。毒ブレスの準備だ。



「ハァアアアアア!!」

 ヴィルゴさんはそのまま口の中に突っ込んでいった。え?


 大トカゲは口の中に入った異物を感じて毒ブレスの発動をやめようとした。

 しかしその隙が致命的な隙となる。


「一刀両断」


 カラコの刀が伸びて大トカゲの顔に傷をつくる。

 いける。


「エクスプロージョン」


 大トカゲの顔が爆発する。




「グギャアア?!」


 ヴィルゴさんは吐き出されたが、大したダメージは食らっていないようだ。

 大トカゲは大分弱っている。残りの体力も1割ほどだ。



「ファイアショット!」

「パンチ!」


 俺がファイアショットを放った後に肉薄したヴィルゴさんのグーパンで大トカゲは倒された。





《戦闘行動によりレベルアップしました。ステータスに5ポイント振り分けてください》

《戦闘行動によりレベルアップしました。ステータスに5ポイント振り分けてください》

《戦闘行動によりレベルアップしました。ステータスに5ポイント振り分けてください》

《戦闘行動により【精神力回復速度上昇】が取得可能になりました》

《戦闘行動により【魔弓術】が取得可能になりました》

《戦闘行動により【狙撃Lv2】になりました》

《戦闘行動により【火魔法Lv7】になりました》

《戦闘行動により【弓術Lv6】になりました》

《戦闘行動によりスキル【ダブルアロー】が取得されました》

《戦闘行動により【毒耐性Lv3】になりました》

《【街道の這いまわる大トカゲ】が倒されました。スキルポイントが12増えました》




 ……ナニコレ?

 器用に全て振りますけど。



名前:シノブ

種族:半樹人

職業:狙撃手 Lv14

称号:魔王の守護

スキルポイント:14


 体力:90(+5)

 筋力:25

 耐久力:40

 魔力 :50

 精神力:45(+5)

 敏捷 :15

 器用 :65(+15)(+4)


パッシブスキル

【弓術Lv6】

【火魔法Lv7】【木魔法Lv5】

【毒耐性Lv3】

【発見Lv4】

【収穫Lv3】【精密操作Lv1】×1.05の補正 レベルが上がるごとに補正値が+0.5されていく

【狙撃Lv2】【隠密Lv2】

【植物鑑定Lv2】


控えスキル

【火耐性Lv3】


アクションスキル

【光合成】

【ファイアボール】【ファイアフライ】【レジストファイア】【エクスプロージョン】

【ウッドバインド】【グロウアップ】【ポイズナスフラワー】

【ファイアショット】【ウッドショット】【ダブルアロー】



 なんかもう大変なことになっている。ここのボスってこんなに経験値たくさんあるの? え?

 器用が80いったらいいなーとか言ってたら、いっちゃったよ。

 スキルポイント足りないとか言ってたら足りるよ、全然。なにこれ。



「なんか凄いレベルアップしましたね……」

「俺もだ」

 カラコさんもレベルアップしたのか。


「そりゃあ、6人で挑むべきボスをほとんど2人で仕留めたんだから経験値は大量だろう」

「なるほど」


 それにしてもこれは引く。

 調合と薬品鑑定が……ぎりぎり取れない!

 後1ポイント!



 そもそもまず先に魔弓術を取るべきだろうか。

 調合を取るか、それとも魔弓術を取って戦力増強か。



「20ポイント行きましたが何を取ったらいいでしょうか。それとも温存しておくべきか」

「スキルスロットは全て埋めておいたほうが良いな。カラコちゃんの目指すプレイスタイルでいいと思うよ」

 俺の時は使えないとか辛辣な評価だったのにカラコには優しいんだな。

 でもこれで決心がついた。





《スキル【調合】を取得しました。残りスキルポイントは4です》






「俺は調合を取った」


「……やはり生産系に……いくのか」


 戦闘が終わったのを見て巻き込まれないように遠くにいたワイズさんとツキヨちゃんが近づいてきた。



「生産系というよりオールラウンダーに行きたいですね」


 ワイズさんは黙って俺のことを見た。ワイズさんの灰色の瞳に見られると心まで見透かされているような気がする。最初の出会いがまずNPCだと思わせるものだったからか。


「これをやる。……ギルドを作ったなら一報くれ」

 ワイズさんから何かが送られてきた。



 ワイズお手製調合セットと書いてある。

 生産職でもないのにご苦労なことだ。ありがたくもらっておこう。


「ありがとうございます」



 ワイズはヨツキと一緒に先に進んでいった。ヨツキちゃんとヴィルゴさんは顔見知りだそうだ。やはりワイズさんはヴィルゴさんが苦手なのだろう。





「私も決めました。回避術と跳躍を取ることにします」

「回避重視か。いいね、順調に強くなってるよ」


 俺は調合を取って、カラコは跳躍を取った。

 何かの意思がそこに働いているのだろうか。働いてないな、たまたまだな。



 今直ぐにでも調合を試してみたいが、ここは街道上だし、そもそもヤク草がない。

 オイシ草ならあるが、ポーションにはならないだろう。

 今のところはオイシ草を役立てる方法はないが、料理スキル持ちの人がいないかな?








 そういえばボスドロップ確認してない。

 どんなものがあるかな。精神力アップの何かがいいな。




 エクストラボーナス、MVP報酬と通常ドロップ。俺がMVPをとれたのは意外だ。てっきりヴィルゴさんかと思っていた。


 エクストラボーナスは2つ。


 大毒蜥蜴の小手

 筋力+5 耐久+10

 【毒耐性】



 大毒蜥蜴のブレス器官

 


 MVP報酬は大毒蜥蜴の爪、素材は大毒蜥蜴の皮が2つだ。




 皮多いな。肉とかあっても毒ありそうだし、骨も大きすぎて使えそうにないけど。爪も何に使おう。爪とブレス器官……爪は棍棒の先っぽにつける、ブレス器官は食べる。それぐらいしか思いつかないな。



「俺の方のドロップアイテムは小手、爪、ブレス器官、皮が2つだ。小手の性能は筋力と耐久を上げる。だからカラコが持っていたほうがいいな」

 カラコに小手を送る。

「私の方も皮が2枚と、刀ですね」


 ……刀?




「毒刀 大蜥蜴。毒の追加効果が確率でつくみたいですね」


 カラコが装備した刀の刀身は黒く、光の反射でどこか紫にも見えた。

 カラコの今の装備は両腰に脇差しと毒刀をぶら下げ、軽装備な全体で唯一覆われる腕だけが異彩を放っている。歴戦の戦士というべきか。


 それに比べて俺は初心者用の弓、そして初期装備のままだ。悲しい。



 カラコさんから皮が送られてきた。


「シノブさんがいつまでも初期装備もあれなので街についたらこれで装備作りましょう」

 カラコさんって読心のスキルでも持ってるわけ?


「刀を引き当てるなんてカラコは本当に運がいい」

 ヴィルゴさんの話によるとボスドロップで武器が出ることは殆ど無いそうだ。防具は結構でるらしい。防具が出る確率が高い理由、防具は全て同じ種類で揃えるとボーナスがつくらしい。それを付ける場合、ボスからのドロップの場合は何周もしなければいけない。しかしプレイヤーに頼めば全てセットで作ってくれるから手間がいらないと。

 しかし武器の場合、そこそこ良い性能のものが当たるので出る確率が低いと。


 俺も次の街に行ったら金稼いで、装備作るぞー。


ありがとうございました。

毎日増えるブックマークに元気づけられてます。

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