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善人
さほりを拘束してみると、やはりセクシーだとあらためて思う。サディスティックな欲望が燃えた。本番に入る前に少し苦しんでもらおう。
透明な袋を取り出し、さほりの頭から被せる。顔が透明な袋に覆われた。
酸素を取り込ませない為に輪ゴムで首もとで袋すそをとめた。これで、呼吸が苦しくなるだろう。
ーーーやめてー!
手足を振り乱すさほりを見ていると、やっぱり美しい。
必死にさほりは呼吸しようと口を大きく開けて吸い込もうとするが、透明袋がぴったりと口に貼りつく。
その死の恐怖に耐えて呼吸しようとするさほりの姿を眺めた。
頭から袋を取った瞬間にさほりは目を見開いて大呼吸を繰り返した。苦しかったのだろう。
ーーーなに考えてんの!?ケイ、殺人って死刑になるんだよ?!
ーーー殺すわけないだろ?ただ俺はさほりの悶える姿をみたいだけだ。俺は善人だ。俺は善人だ。
呼吸が平常にもどったさほりの不安な瞳に薄らぐ涙が見えた。
この呼吸地獄を何度も繰り返してやろうと思ったが、やっぱりやめた。