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Run away! 2

猫と体温。

作者: 貴幸

猫の日だから猫の話題を入れたけど最終的な内容は変わっていた事は気にしない!!








「ネコだあ〜!」



カナとの学校帰りの途中、野良猫らしきものと遭遇。


カナは猫と戯れる。


…いいな。


猫が好きだ。



「ハルトさん、この猫可愛いです…」



「そう…」



カナから猫を奪いたい。



「ハルトさん、猫嫌いですか?」



「え、別に。」



めっちゃ好きだけど。

我慢できず、カナの隣にしゃがみ猫を撫でる。

気持ち良さそうな顔が、可愛い。



「ハルトさん…猫、好きでしょ…」



笑いを堪えるような目でこっちを見ている。

ムカつく。



「そうだけど。」



「えへへ、だって顔笑ってますもん。」



すぐに口を抑える。

そんなに笑っていただろうか。



「猫はオスでもメスでもさわれる。」



「私は猫ですよ、にゃ〜。」



ウザい。

頭にコテをいれる。



「いたっ!チョップする必要はないじゃないですか!」



「そうゆうのは猫耳としっぽ生やしてから言え。」



カナが猫になったら飼いたい。

…ベタベタしてきそうだ。



「ハルトさん…そうゆう趣味なんですか…」



少し引き気味の顔をしている。

こいつは何を考えてるんだ。

バカだからしょうがないか。



「猫になったらって意味だよ、誰がコスプレしろって言った。」



「…わかってますよ〜。」



猫のコスプレでも別にいいけど。



「お前が猫になったらウザそう。」



そう言うと少し怒ったような顔でこっちを見た。



「ど、どうゆう意味ですかそれ!」



「ずっとくっついて来そうって意味だよ、猫なら許すけど。」



「猫ひいき〜」



俺の手から猫を奪う。



「この猫、飼い猫なんですかね。」



「首輪とかつけてないな。」



野良にしては毛が整ってる。

きっと飼い猫だろう。



「飼いたい…」



「ダメだろ。」



「野良なら…」



自分も気づいてるのに、野良だと信じようとするあたり、バカだ。



「野良じゃないってわかってるだろ。とっととはなしてやれ。」



「わかってます…」



ちょっとストレートに言いすぎただろうか。

頭を撫でてやると顔を真っ赤にした。



「ハ、ハルトさん。」



「猫みたい。」



「からかわないでください…」



ばれた。

前よりカナに触っても平気だ。

慣れはおそろしい。

カナの事なら、殺してしまえそうだ。



…なんて。



「道草した。帰る。」



「あ、待ってくださいよ。」



近づくのが怖い。

いつか壊してしまいそうで。



「ハルトさん、ハルトさんは猫とか飼ったりしようと思わないんですか?」



「え?」



会話しようとしてるのか、こいつ。



「飼ってるようなもんじゃね。」



はてなマークの浮かんでいるカナのおでこを弾く。



「え、私ですか!?私なんですか!?私飼われてるんですか!?」



「ちょこまかついてきやがって、うぜぇんだよ。」



「そうですよね…」



おかげで一人の時間が少ない。

意外と本気で落ち込んでいるらしい。

言われ慣れてると思っていた。



「まあ、慣れたけど。」



そう言って笑ってみせる。

たまに美味しいもの作ってきてくれるから、許してやるよ。



「な、慣れたって言い方はないんじゃないですか?」



「諦めた。」



「うっ…」



会話が止む。



「ハルトさん、寒いですね。」



「何、手繋いでほしいの?」



「ち、ちが…」



顔の表情は正直だ。



「一分でいいので…」



そういったカナの手をとる。

熱い。

何も寒そうじゃない。

むしろ俺の手に触れて、冷たいんじゃないだろうか。



「一分五百円な。」



「た、高いです…高いです…うぅ…」



「冷たい?」



「…あったかいです。」



「…そう。」





五千円分払ってもらう事は俺もカナも手をはなした時には忘れていた。

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