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《ベビー》

とある研究所。ここでは胎児との意思疎通に関する研究が行われていた。


被験者はこの研究のスポンサー婦人とその胎児。 実験は妊娠2ヶ月の状態から開始された。

センサーを通して与えられる音声、映像、臭覚情報に対し、最初は「快」「不快」を表すだけだった胎児ベビー。研究が進むにつれ、この《ベビー》は、ごくごく例外的な恐ろしく高い知能を持っていることが判明する。会話が可能かもしれないと考えた研究者達は、実験開始から28日目、疑似声帯を設置した。実験開始から42日目。ついに会話に成功。胎児との完全な意思疎通がここに成功したのだ。研究者達は歓喜した。


研究はこれだけでは終わらない。音声による対話が可能になった研究者達は、胎児への教育を開始。インプットとアウトプットの繰り返しにより加速度的に賢くなる《ベビー》。

実験開始から71日目、《ベビー》は自分が、月齢数ヶ月の胎児としては異常な知能を持っていることを認識した。実験開始から75日目、常人は念じただけでものを動かす力など持っていないことと、自分の持つこの念動力という能力については、今のところ誰にも気付かれていないことを知った。


実験開始から84日目、《ベビー》は念動力でハサミを動かし、研究所の所長に当たる人物の心臓にそれを突き立てた。さらにそれをストレスにやられた別の研究者のせいに見せかける工作も行った。さらに、捜査にやってきた警察の持っている銃を使い、母親の腹部に向けて弾丸を放った。


高過ぎる能力を持って生まれることに恐怖を抱いての、自殺である。

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