引き金
親父死ぬ前に口癖のように言った。
「僕はいつのまにか軍から離れられない地位についてしまった。」
「だから、息子の君に頼みたい事がある。」
危篤の際には突撃銃より一回り大きい銃と弾を差し出し口癖に一言添えて。
「母の仇をとってくれ。」
地図の通りであるならこの辺りだろう。
広い土地には雑草が好き放題伸びていてとても綺麗とは言えない。
その中で豪邸が建っている。
大きな扉を開けると直ぐに大きな機械が見えた。
「お帰りなさい。新たなご主人様。」
その機械に向かって座っている老年の男が細い声で言う。
「ただいま。工藤。」
子供の頃に遊んでもらった記憶は深く覚えていた。
その頃と違って老いてはいたが一目見て分かる。
「お嬢様が二階で待っております。」
少し暇を頂きます、と工藤は言って地下へ続く階段を降りて行った。
工藤が扱っていた機会を見る。
多数のモニターが上下左右に配置してありそれふは秒刻みで更新されていってる。
モニターの縁には紙が何枚も貼り付けてある。
工藤がここで株や為替のトレードをし、我が家の富が母が死んだ時とプラスマイナス0である事が紙に書いてあった。
この情報量はとても人、一人で扱えるものではない。
多大の負担を体や精神に負っているだろう。
今は工藤をそっと休まさせるしかない。
これから二階上がり双子の彼女に会う事になるだろう。
これからは跡取りである彼女が全て取引し駆け引きをする事になる。
その最中に会うであろう母の仇を撃つために彼女の側で親父の形見の銃を構え沈黙していよう。
そんな考えの中で彼女のいる部屋の扉を開ける。