摩擦
彼女への話は一度だけではとても話し終えなかった。
毎日彼女と車の中で話をし、執事の工藤さんに家まで送ってもらった。
時には彼女の豪邸ので夕食まで誘われ、夕食後の父親と思われる人の前でまで話をする事もあった。
若気の至りなので許してくださいと心で思う中で両親方に良い話だと褒められた。
彼女に宛てての話と父親は気付いていたかもしれない。
だが彼女本人は気付いていないようだ。
しかし、彼女も良い話だと褒めてくれる。
その話は卒業まで続いた。
卒業当日もいつもの様に彼女と車で話した。
そして別れ際に彼女から聞いてしまう。
彼女は父親の仕事の都合で海外の学校で学ぶ事を。
もう話は出来ない中でも終わりまで聞けなく少し悲しい事。
僕は彼女に初めて話しかけた時のように言う。
「なら僕を執事として海外まで雇って下さい。工藤ほど働けませんが頑張ります。」
しかし、彼女は首を横に振る。
無理は重々承知であった。
しかし、彼女とこれっきりなんて事は嫌だった。
「ならまた会う時に話の最後まで聞かせましょう。きっと良い最後で終わります。」
彼女はやっと首を縦に振ってくれた。
「私も楽しみにしています。」
彼女は微笑む。
家のベッドに横になって考える。
彼女にまた会う時は誰よりも優秀でなくてはならない。
誰よりも強くなくてはならない。
その条件に合った今からでも選べる進路があった。
これから先は大変だろう。