御堂の女の役目
「初~、悠李って知ってる?」
「ゆうり? !!! 」
「もしかしてユウ!? でもなんでセナがユウのこと知ってるの?」
「それは・・・、」
「それはなぁ、オレやで!! 初姉☆」
〔外で待っとけって言ったのに!〕
「!! ユウ、なんでここに? アメリカに留学してなかったっけ?」
「しとるよ。 でもおとんが『来い』いうんやから行くしかないやろ?」
「!! とお様なぜユウを? 私だけでも十分なのに・・・。」
〔御道家とは一体どんな家なんだよっ!〕
「あの~、お取り込み中すみませんが・・・。」
「なに?」
〔なにって・・・。〕
「話がいまいち話が読めないんですけど・・・。
なにがどうなってるんだ?まず、御堂とはどんな家系なんだ?」
「わかった。話す。セナならとお様も分かってくれるはず・・・。」
「まず、御堂とは江戸時代に天皇に仕えていて、代々今でも天皇に仕えることに
なっている。そして御堂に生まれた長女は天皇様と結婚し新しい世継ぎをつくら
なければならない。そう、生まれたときから教えられてきた。」
「えっ!てことは初は・・・!」
「そう。あと26日で初は正式に天皇と結婚の儀を交わすこととなる。」
「26日! あと一ヶ月もないぢゃんかよ!」
「・・・。だからたぶんとお様も動きだしたんだと思う。」
〔あれ? なんかおかしいよな?〕
「待った!! 初、お前オレと最初に会ったときオレと結婚するっていってなか
ったけ?」
〔これだ!!〕
「それはね、こういったら恥ずかしいんだけど、セナを街中で見かけたときにね
一目ぼれしちゃったんだ☆ で、とお様にこのこと話したらけんかになっちゃっ
て・・・。」
「それで家出ってことかぁ。」
「うん・・・。」
「これからどうするんだ?もう場所もばれてるだろうし・・・。」
「わからない。でも初はセナと暮らしたいの! わがままなのはわかってるけど
でもわすれられないよ・・・。」
「初姉、おれがここに来た理由分かる?」
「それは・・・、」
「ちゃんと天皇とも顔合わせしなあかん。そのために初を連れて来いと頼まれた
からや。」
「やだっ。初は行かない。」
だだをこねる妹のような初と、わざわざアメリカからこんなことで呼び戻される
弟と、いまいち状況のつかめないオレがいた。
としても、初はオレをどこで見たのだろう?そんなかっこいいオレはどこに?
それだけがどうも引っかかっていた。
御堂ってすごかったんだなぁ・・・。
これは事実ではありません。
物語上のものだけです。