学校
朝、目覚めても状況変わらず、といったところだろうか。
オレの横ですやすやと、静かな寝息を立てて眠る初。
あれは昨日の夜のこと・・・
初がオレの部屋に入り込み、騒ぎ出す。
男の部屋に来て何が楽しいのだろう?女だからなのか?珍しいのか?
とか考えながら早速、テスト勉強をしだすオレ。
女と2人で緊張しないわけがない。緊張しまくり・・・。
そんなオレは勉強を始めてからしばらく経つのに、まだ2問程度しか解けてない。
その原因はオレの横にいる。
机に向かうオレを左横から眺める初。こいつがやけに大人びて見えるからだ。
さっき初めて会ったときは、かわいい妹的な印象だった。
なのに今は、どことなくお姉様感がただよっている。
もう1つは、机の上におかれた胸。
お前いったい何カップあるんだよ!といいたくなる。
オレの見立てはたぶんEくらいだと思われる・・・。まさかとは思うが・・・。
そんなこいつがいきなりこんなことを言い出した。
「初が教えてあげよっか? 勉強得意なんだよ、初☆」
なんか断れない空気になり、「おねがいします・・・。」
その後は、これ以上に大変だった。
初はオレに勉強を教えるため、ますます身を乗り出す。
初の顔がオレの顔の間近にあり、それだけならまだいいのだが、
初の胸がオレの腕に・・・。まだ女の子と付き合ったことすらないオレには、
刺激が強すぎるものだった。
しばらくしてなんとかその呪縛から解けて、やっと寝ようとしたとき初は
オレの横で寝始め、とうとう起きようとしなっかた。
そのためオレは寝不足という結果だった。
「おはよ~☆」やっと起きた不思議女。
「おはよ。」きっと学校へ行けばなんとかなるはず・・・。ならば!!
「初!早く学校に行くぞ!!」
「りょうか~い☆」
案外、準備に時間はとらなかった。いつもより少し早めで学校に行く。
「よっ!!おはよう、セナ。」
あの、神からたくさんのものを授かった櫂杜だった。
「おはよ~さん。」
「なぁ、お前いつからそんなにかわいい彼女ができたんだよ?」
オレの横には、昨日の夜がありえねぇ!ってくらいのかわいい表情で
オレを見つめる初。
「事情は後で説明する。初、こいつはオレの幼馴染だ。自分で自己紹介しろ。」
「は~い。私は御堂初です。よろしくお願いします☆」
あっ、なんかよそ行きの挨拶になってね?
「こちらこそ。竜宮櫂杜です。」
あいかわらず、爽やかだね~。なんてやってるうちに、学校に着いてしまう。
初は職員室に挨拶に行くからといい、走っていった。
教室に着くなり、櫂杜はオレに問いただした。
まるで娘の父親のように・・・。お前ってそんなキャラだっけ?
とりあえずオレは昨日の出会いをざっと話した。
すると櫂杜は「まぁ、がんばれ。」といった。
おいおい、かなり人事で終わらされた気がするが・・・。
それかお前、なにかヒントを知っているのか?
担任が教室に入ってきてみんな静かになる。
「今日は転校生だぞー。御堂、入れ。」
教室はざわざわする。
「御堂初です。よろしくお願いします。」
クラスメイトにはすんなり受け入れられたみたいだ。
初を落とそうとする男子も少なくないみたいだ。まぁなんとなく分かる気がするが・・・。
放課にはオレと初と櫂杜の3人で世間話でもしていた。
でも昼休みにはきっと、初は女友達のとこに行くだろう。そう、願いながら・・・。