出会い
「御堂初。」オレは人生で初めてだった。この言葉を本気で聞きたくないと思ったのは。
事の始まりは、4月を通り過ぎた5月になる。
「はぁ~、もう少しであの幸せなゴールデンウィーク!! 寝たり、ゲームしたり・・・」
「もぉ、少しは勉強しろよな! 連休後はすぐテストが始まるんだから!」
と、こんな感じでフツーの会話をするオレら。
ここらで、軽く自己紹介をするとしよう。
オレの名前は神木施那。女でもいけそうな名前なのが少し気になるけど、
まぁそこは気にしない。
オレと話してるのは、竜宮櫂杜。
名前でも、どっかの王子様みたいな名前なのに・・・
こいつの正体は、容姿端麗、学力秀才、運動神経抜群、性格OK。
さぁ、どこを否定しよう。それはもう決まってるだろう。
なぜ神はこいつにすべてを与えてしまったんだ!少しくらいオレにもくれよ・・・。
まっ、陰でありえない位努力してるんだからいいけど。
こいつとは幼馴染で唯一、気を許せる相手みたいな?
はぁ、テストも始まるし面倒だなぁ~。なんかないかな?
知らない女の子がいきなりオレの部屋に居座るとかさっ。
ゲームのシュツエーション的な、面白いこと・・・。
「ぅわ~!! 驚いた☆?」そぅ、これが出会い。
この一言でオレの歯車がこれ以上ねぇ!ってくらいの全速力で動き出した。
「あの?あなただれですか?」とりあえずきいてみた。
「わたし?わたしは御堂初☆セナくんの未来のお嫁さんで~すっ☆」
「・・・。あの?もう一度説明を・・・。」
「だから、ういは君の奥さん☆」
「・・・はい?」たぶん、これがフツーの反応だと思う。
とりあえず、状況整理すると・・・
オレの目の前には背が160cmいかない程度で、でもかなりスタイルが良くて、
オレと同じ高校生くらいのかわいい系の女の子がいる。でもって、その子はオレの未来の奥さんになる。
そういうことだよなぁ?
「で、君はどこの高校?」
「君じゃなくて『初』!!」・・・案外頑固だった。
「・・・じゃぁ初はどこの学校に通ってるの?」
「初は蒼深学園高等部の3年9組☆セナと同じクラスで~すっ!!」
「!!」こんな子見たことないぞ!しかも同じクラスだって!!ありえん・・・。
いくら学生数が多くても、同じクラスの人くらいは覚えてるはず・・・。
てか、何気に今呼び捨てだったような・・・。
「あっ、かんじがいしないでね!存在感が薄いとかぢゃなくて、今日転校手続きしてきたの☆
明日から一緒に登校だよ!」
「・・・一緒?!」
「うん!これからよろしく☆で、セナの家はこっちでよかったんだっけ?」
「・・・うん。」
このままでいいのか分からないまま、結局この不思議女はオレの部屋にまであがりこむこととなる。
神よ・・・これがオレの願いを叶えた結果なのか?
いくらなんでも、ちょっとがんばりすぎだろ・・・。