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婚約破棄された伯爵令嬢、聖女の力に覚醒して理不尽な元婚約者を打ち砕き、フィオレンツァ王国を救う希望の光となる物語  作者: カルラ


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第6章 真実の光

フィオレンツァの空は、鉛色の雲に覆われていた。

貴族評議会の裁判が開かれる朝、私は自室の鏡の前に立ち、淡い白のドレスをまとった。

胸に輝く聖女アンナの護符が、まるで私の心を支えるように温かい。

ルチアーノ・モレッティの策略が、今日、形となる。

彼は私を魔術師と糾弾し、フィオレンツァから追放しようと企む。

だが、私は恐れない。

アントニオの真実の証言、ヴィットリオの支援、民の支持、そして胸に宿る聖女の光。

それらが、私の剣であり盾だ。

私は、フランチェスカ・ディ・ロッシ。

聖女として、ルチアーノの闇を打ち砕く。

鏡に映る私の瞳は、決意に燃えていた。


朝、礼拝堂でソフィアと最後の言葉を交わした。

彼女の白い髪は、薄暗い光の中でなお輝き、まるで神聖な導きの象徴のようだ。

「フランチェスカ、今日の裁判はお前の試練だ。

だが、聖女の力は、真実を照らす。

護符を信じ、心を静めなさい。」

彼女の声は、穏やかだが、力強い。

私は、護符を握りしめ、こう答えた。

「ソフィア、ありがとう。

私は、聖女として、真実を示します。」

彼女の目が、満足そうに細められた。

「行け、フランチェスカ。

お前の光は、フィオレンツァを変える。」

その言葉が、私の背を押した。


裁判所へ向かう馬車の中で、父と母が私の手を握っていた。

父、マルコ・ディ・ロッシ伯爵の顔は、憂いに満ちている。

「フランチェスカ、ルチアーノの影響力は強い。

だが、私はお前を信じている。

ディ・ロッシ家の名にかけて、誇り高く戦え。」

父の声は、初めて温かかった。

母、クラウディアが、涙をこらえながら微笑む。

「フランチェスカ、どんな結果になっても、私たちはお前の味方よ。」

母の言葉に、私の胸が熱くなる。

「父上、母上、ありがとう。

私は、必ず勝ちます。」

私の声は、確信に満ちていた。


裁判所に足を踏み入れると、貴族たちの視線が私に突き刺さった。

評議会の長、アルフォンソ・ベネデッティ公爵が、中央の席に座し、厳かな空気を漂わせる。

ルチアーノは、黒い礼装に身を包み、冷たい微笑みを浮かべて私を待っていた。

その瞳には、勝利の確信が宿っている。

だが、私は目を逸らさず、堂々と進み出た。

ヴィットリオ・コンテ公爵が、私の弁護人として隣に立つ。

彼の緑の瞳が、力強く私を支える。

「フランチェスカ様、恐れることはありません。

私が、貴女を守ります。」

彼の言葉に、私は微笑んだ。

「ヴィットリオ公爵、ありがとう。

共に、真実を示しましょう。」

私の声に、彼の目が温かく輝いた。


裁判が始まった。

ルチアーノが立ち上がり、会場に響く声で訴えた。

「フランチェスカ・ディ・ロッシは、魔術を使い、民を惑わしている!

彼女の力は、聖女のものではなく、邪悪な魔術の産物だ!

ここに、証人がいる!」

彼の言葉に、貴族たちがざわめく。

一人の男が、証人席に進み出た。

だが、それはアントニオではない。

別の男、名をカルロと名乗る者が、怯えた目で私を指差した。

「フランチェスカ様は、魔術で私の子を惑わした!

彼女の光は、悪魔の力だ!」

その言葉に、会場が騒然となる。

私は、胸に予見のビジョンを思い出した。

ルチアーノが、もう一人の偽証人を用意していたのだ。


ヴィットリオが、冷静に立ち上がった。

「カルロ殿、貴殿の証言には根拠がない。

フランチェスカ様の力は、民を癒し、土地を蘇らせた。

それが魔術なら、なぜ民は彼女を聖女と讃えるのか?」

彼の声は、鋭く、しかし落ち着いていた。

カルロが、言葉に詰まる。

ルチアーノが、苛立った声で割って入った。

「黙れ、ヴィットリオ!

彼女の力は、偽物だ!

ここに、さらなる証拠がある!」

彼が、革の袋を取り出し、中から黒ずんだ草の束を取り出した。

「これは、フランチェスカが癒したとされる土地から採取したものだ。

魔術の痕跡が残っている!」

貴族たちが、息を呑む。


私は、護符を握りしめ、ソフィアの言葉を思い出した。

「真実を照らせ。」

私は、立ち上がり、静かに言った。

「ルチアーノ様、その草を私に見せてください。

聖女の力なら、その真実を明らかにできます。」

私の声に、会場が静まり返った。

ルチアーノが、嘲笑を浮かべ、草を差し出す。

「いいだろう、フランチェスカ。

貴女の偽りが、露呈する瞬間だ。」

彼の言葉に、私は微笑んだ。


草に手を当て、私は目を閉じた。

胸の光が、護符を通じて増幅され、草を包む。

黒ずんだ草が、みるみる緑を取り戻し、鮮やかな花を咲かせた。

会場が、驚嘆の声に包まれる。

「これは……奇跡だ!」

アルフォンソ公爵の声が、響いた。

私は、静かに言った。

「ルチアーノ様、この草は、貴方が偽装したもの。

聖女の力は、偽りを暴きます。」

私の言葉に、ルチアーノの顔が青ざめた。


そのとき、会場にアントニオが現れた。

彼は、震える声で叫んだ。

「評議会の皆様、真実を話します!

ルチアーノ侯爵は、私に偽の証言を強要した!

彼は、金で民を買収し、フランチェスカ様を陥れようとした!」

彼の言葉に、貴族たちが騒然となる。

ルチアーノが、怒りに声を荒げた。

「黙れ、卑しい民め!

貴様の言葉など、誰も信じない!」

だが、ヴィットリオが冷静に進み出た。

「ルチアーノ侯爵、貴殿の買収の証拠が、ここにある。」

彼が、ルチアーノの家臣がアントニオに金貨を渡す書簡を掲げた。

会場が、静寂に包まれる。


アルフォンソ公爵が、厳かに立ち上がった。

「フランチェスカ・ディ・ロッシ、貴女の力は聖女のものと認められる。

ルチアーノ・モレッティ、貴殿の訴えは退けられ、偽証の罪を問う。」

その言葉に、ルチアーノが膝をついた。

彼の瞳には、敗北と憎しみが渦巻いていた。

私は、彼を見つめ、静かに言った。

「ルチアーノ様、貴方の闇は、私の光に敗れた。

これ以上、民を傷つけないで。」

私の言葉に、彼は言葉を失った。


裁判所の外では、民の歓声が響いていた。

「聖女フランチェスカ!」「我らの希望!」

彼らの声が、私の心を温めた。

ヴィットリオが、私の手を取り、微笑んだ。

「フランチェスカ様、貴女の勝利です。

貴女の光は、フィオレンツァを変える。」

彼の言葉に、私の胸が甘く締め付けられた。

「ヴィットリオ公爵、貴方の支えがあってこそよ。

ありがとう。」

私の微笑みに、彼の瞳が優しく輝いた。


その夜、屋敷に戻った私は、両親に抱きしめられた。

父が、誇らしげに言った。

「フランチェスカ、お前はディ・ロッシ家の誇りだ。」

母が、涙ながらに頷く。

「私の娘、聖女として、どこまで輝くの?」

彼らの言葉に、私は笑顔で答えた。

「父上、母上、これからよ。

フィオレンツァを、もっと幸せな国にするわ。」


月を見上げながら、私はヴィットリオの緑の瞳を思い出した。

彼の温かさが、私の心に小さな花を咲かせる。

ルチアーノの敗北は、始まりに過ぎない。

私の光は、フィオレンツァの未来を照らす。

私は、フランチェスカ・ディ・ロッシ。

聖女として、民を、愛を、この国を守るのだ。

















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