二十九話 「大家姉の過去」
可愛いゴミども巣に帰ったら、幸せの匂いがしてやがった。
私が帰って来る前からかは、わからない。
たまたまいいとこ見つけて、くっついてほしいなんて女子高生みたいな気持ちになっているが、私にあいつらの幸せを見る資格はない。
死んでも守らなきゃならない。
私が高校生の時、私は所謂不良だった。
族に入って、竹刀を振り回していた。
あの頃は将来なんて考えなかったし、自棄糞な気持ちで、私のことを産んだ肉塊のようだった。
某日、縄張りを荒らしたやつがいたと呼ばれた。
そこに行ってみると、弱そうな清楚系女子が一人いた。
私は呆れた。こんなやつかと。
だが、私以外の人間は容赦なかった。
そいつは、私の学校に連れられ、女子トイレに放り込まれた。
私の学校は、不良の溜まりだった。
止める者なんていない。
男が来たが、勃たないと言ってモップを逆さに持った。
他のやつは、その女子の手足を抑えて股を開いた。
すごく泣いていた。
ずらかった直後に、そいつは自分で死んだ。
私はそれに関与したとして、退学になった。
大人たちは、その時に助けず、後で落とし前をつけただけだった。
本当のゴミは、優子たちじゃない。
あいつらは、そういうゴミどもから逃げてきたんだ。
そういう匂いがする。
私もそのゴミ側の人間だとしても、であるからこそ、命に変えても優子と野美子は私が守る――。




