二十話 「安音の悩み事」
この私、安音には、誰にも言えない秘密がある。
見てしまったのだ......。蛍を見に行ったあの日、優子が大家のお姉さんに、部屋に連れ込まれるところを!
あ、やべ。鼻血が。
とりあえず、ヤバいところを目撃してしまった。
ゆ......百合だ。
お姉さんと優子の、そんな関係を......。
また、今夜も......そんなはずはないか。優子を信じろ。
きっと、家賃を払ってなかったとかだ。
「安音〜」
「ゆ、優子。何?」
「野美子知らない?」
「知らないよ」
「んー。どっか行ったか。大家さーん!」
う、上手く話せない。
本人に、聞けるはずがない。
くそっ......。
夜。
私は、何を期待しているんだ。
なぜ、お姉さんの部屋から目が離せない!
罪な女を許してくれ......。
あ、出てきた。
大家姉は、優子の部屋の前に立った。
トントンと、小さくノックした。
あ、出てきた。
優子、信じてるぞ。優子!
「優子くん。今日もよろしく」
大家姉は、満面の笑みで、ズカズカと優子の部屋に入っていった。
優子も、呆れたように後頭部をポリポリと掻きながら、部屋に戻っていった。
優子、くん......?
お姉さん、受け?
えっ......ど。
一方、優子の部屋では。
「なぁ優子〜。どうなんだよ〜」
「どうもこうも、私はそういうの捨ててるんで」
「野美子ちゃ〜ん」
「野美子じゃないっす」




