十八話 「夜の密会」
夜、アパートの住人の全員が、外に集まっていた。
「よし、全員いるな」
「んじゃ、行きますか」
夜に移動するその集団は、不審者集団のよう......いや、不審者集団である。
「あー涼し」
「夏でも夜は涼しいな」
「大家さん脂肪あるのに?」
「安音お前――」
「「あ?生物敗北者が、死ね」っす」
優子と大家姉の暴言が、大家を制止する。
(酷い言葉は、私だけじゃないんだ......)
実輝は、謎の安心感を得た。
田舎道を歩いている途中、野美子の酔いが醒めた。
「ねぇ、優子」
「ん?」
野美子の頭の中には、優しくしてくれる優子の、ぼんやりとした記憶が浮かんでいた。
「優子は、なんで優しくしてくれるの?」
「んー......そういう運命だから?」
「え......」
野美子は、謎のときめきを感じた。
「おー。ここなへんだっけ?」
「ここだな」
大家と大家姉が立ち止まる。
そこでは、沢山の蛍が光っていた。
「綺麗だね」
「でも虫が......」
「ヤニやってれば来ないよ」
穂は、少し悲しい顔をした。
「あ――」
大家の足元に大きな石があるのを、優子は見つけた。
「大家さん危なーい!」
優子は、大家に飛び蹴りをした。
「うおっ――!」
大家は、隣の川に落ちた。
「あ、桃」
「脂肪の団子」
「どんぶらこ」
「優子に負けるなんて。鍛えろ弟」
巨肉が夜な夜な川を流れていた事は、その場の者しか知らない。




