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十三話 「野美子の夜鳴き」
大家は、いつも二十二時に寝る。
ここは田舎なので、夜の虫が空気に音を宿している。
そして、深夜一時のこと。
「――えぇえ〜ん!うえぇええ〜ん!」
野美子が、突然に騒ぎ出した。
「あ、なんだ?」
大家は、その鳴き声に叩き起こされた。
「おい、野美子。野美子?おい」
部屋の前に行くも、んなぁと鳴き続けている。
「おい、優子」
ピンポンピンポンピンポーン。
優子が起きるように、大家は連続でインターホンを鳴らす。
十秒ほどして、優子は起きた。
そして、上着を羽織りながら扉を開いた。
「大家さん、野美子?だよね。様子は?」
「俺は、中行ってねぇ」
「おけ、今行く」
優子は、野美子のもとに向かった。
「野美子、入るよ?」
扉を開くと、その鳴き声は大きくなった。
「やあぁー!あぁあ〜ん!うえぇー――」
「よしよし、大丈夫だよ。大丈夫。優子だよ」
優子は、置いてあった温い日本酒を開け、野美子に飲ませた。
「ん、うぇ、んな、ぁ......んな」
「ほんとはこんなやり方やりたくないんだけど、ごめんね」
大家は、それをただ外から眺めることしか出来なかった。




