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男子校の姫はどうしても離れられない【その8】
その言葉に薫は唖然とする。
「…僕の愛を舐め過ぎじゃない?紡に飽きたりしないもん…」
「そう?その割には俺、簡単に捨てられそうになってたけど?」
「そ、それは…」
思い当たる節のある薫は目をキョロキョロさせ、動揺する。
そんな薫の腰を紡は引き寄せ、顔を覗き込む。
「俺は何があってもお前から離れない。愛の重さは負けねぇから」
薫はかぁっと頬を赤く染めると、紡の胸に埋まり、顔を隠した。
「…僕、紡が好き。ずっと前から、これからもずっと…」
「うん、知ってる。俺も薫がずっと好きだった」
紡の囁くような優しい声は薫の心を解いていく。
「…まだ信じられないんだけど。なんか夢見てるみたい…」
薫がぽつりと呟くと、紡は軽く笑う。
そして薫の顔を上げさせると、頬に手を添えた。
「じゃあ、もっと信じさせてやるよ」
そう言った紡は薫の額に優しいキスを何度も落とした。
紡の仕草がくすぐったくて、薫は笑った。
それから紡の指先は薫の髪を柔らかく梳かす。
両想いになっても好きだと思う気持ちは止まらない。
「大好き!紡、大好き!」
「俺も」
薫は紡に抱きつく力を強めながら思う。
この恋はこうなるのが運命だったのだ。
この人からはどうしても離れられないのだ、と。




