男子校の姫はどうしても離れられない【その7】
卒業式も終え、春休みになると、婚約者との顔合わせの日を迎えた。
場所は煌びやかなホテルのスイートルーム。
呼び出されたのは薫1人だけだった。
今日、初めて自分の婚約者と会う。
大好きな人への恋を諦めてまで、家のために選んだ道。
それでも大丈夫、僕は幸せになれる。
薫はそう思い聞かせて、緊張した面持ちでドアを開ける。
しかしながら、現れた婚約者の姿を見た瞬間、彼の全身が凍りついた。
「…嘘、でしょ?」
そこに立っていたのは見慣れた顔、紡だった。
薫は驚愕し、震える指で彼を指差す。
「なんで、紡が…っ!」
「お前の婚約者は俺だよ」
「だ、だって、僕の婚約者は特許の…」
「そう、俺が特許の持ち主。薫のお父さんに条件として、お前との結婚を頼んだんだ」
「結婚って…」
「まぁ、結婚の形はいくらでもあるから」
蓮は淡々と答えるが、薫はへなへなと座り込む。
「僕、ずっと悩んでたのに…」
「俺もずっと悩んでたよ。お前とのこと、ご両親にどうしたら認めてもらえるかずっと考えてた。俺、薫をこの先も離す気なんてさらさらなかったから」
「じゃあ…!なんで今まで…!」
「だってお前、告白なんかされたら調子に乗ってすぐに飽きそうだろ?飽きられるくらいなら囲い込んだ方が手っ取り早いかなーって」




