表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/21

ストアの確認

 色々とゴタゴタしたが、水、食料、トイレと最低限の確保ができたことで少し落ち着きを取り戻す。またざわつく前に、不確定要素をなくすためにさくら先生に提案することにした。


「先生。トイレはレンタル可能なことがわかったんですが、水や食料、他項目について検証したいんですが、協力者を募ってもらえませんか? 俺たちが言ってもちょっと……」

「え、えぇ、そうですね。みなさ〜ん、ちょっと協力して欲しいので集まってください」


 さくら先生が検証についての話をしだすと、思った通りほとんどのクラスメイトが非協力的だった。建築物によるレンタル料の件もあり、お前らがやればいいと言う視線すら感じる。きっかけを作ったというのに、不良グループからの視線が一層強いうえに、やはり声をあげてきた。


「ポイントに余裕がある人がやればいいとおもいまーす」

「私たちは誰かさん達にポイント盗られちゃったしね〜」


 ユイと、いつもつるんでいるエミがわざとらしく被害者ぶりしながら提案してくる。


「それがいいんじゃね? どのみち俺らは自分達以外に使う気はねーよ!」


 トモキもそれに追従し、協力するという空気をぶち壊す。 これだからこいつらは嫌なんだよな。まぁ、最悪俺達だけで検証するのもありなんだが、できるだけ余裕があるということはしばらく隠しておきたい。少しレンタル料の件で差ができただけでこれだ。全ての項目の検証を俺らだけで終えてしまえたらそれそれで怪しまれる。さて、どうしたものかと考えていると、委員長ともう1人が先生の前へと歩み出た。


「先生、私たちが協力します!」

「いいんですか? アヤカさんとヒナさん?」

「メグに協力してもらったのに、委員長の私が協力しないのもなって……」

「アヤが協力するなら私も協力する!」


 委員長のアヤカと、ヒナが協力を申し出てくれたようだ。2人は仲がよく、いつも一緒にいる。何か本を開いて楽しそうにしていることが多い。メグミとは仲がよく。俺たちとも良く話す間柄だ。2人が協力する意思を話すと、話は終わったとでもいうように、他のクラスメイトは周囲から離れて行った。


「これ以上は協力者を募れ無さそうですね……」

「まぁまぁ先生。協力者が出ただけでも御の字ですって。2人ともありがとな」


 しゅんと肩を落とす先生を労ったあと、名乗り出てくれた2人に感謝の意を伝える。あの空気のなか申し出てくれたことは非常にありがたかった。


「メグにはさっき助けられたしね」

「そうそう、あいつらにムカついてたからちょっとスッキリしたよ。あとさ、保存食と水については共有できることあるんだよね」

「そうなの、私がポイント使ってなかったのは、ヒナのおかげなのよね」


 2人の話を確認すると、水は2リットルぐらいのペットボトルが3つ出る。保存食は、乾パンが3つ出たらしい。周りを確認した様子では、水は変わらないが、保存食は人によって違う結果がでているらしく。ランダムなのか、出した人物依存なのかはわからないとのことだった。


「ヒナが出した乾パンに手をつけようとすると、レン君がトイレの時に言っていたように、壁みたいなのがあって触れられなかったの。なんとか触れようとしてたら、スマホが震えたから確認したら、権限がどうのっていうメッセージが表示されてたのよね」

「私のほうにもメッセージが出て、譲渡するか、ポイントを要求するかっていうのが出て、譲渡を選んだらそのまま渡すことが出来たって感じかな」


 どうやら水や食料は譲渡やポイントでのやりとりが可能なようだ。3つでるため1つ5P換算。許可さえあれば無償譲渡可能。これならポイントが少ない人に、多い人が助け舟を出すこともできそうだ。使い道を分担したりな。


 その後も検証を続けていく。レンとサトシが保存食を選択。レンのほうはブロックメートというブロック型の携行食3箱。サトシはプロテインバー3本という結果になった。人依存という線が濃厚だろうか。俺が水を出して、保存食と水をとりあえず分け合って検証を続ける。


 先生が簡易寝具を、委員長が簡易調理セット、女性のほうが多くレンタル料が多いからと、メグが簡易治療キットを選択した。


 簡易寝具は煎餅布団のようなマットと、薄っぺらい毛布が1枚。ないよりはマシといった感じだ。


 簡易調理セットは、鍋とフライパン、小ぶりなナイフにプラスチック製の薄いまな板。着火材にマッチとポイントの割に思ったより揃っていた。食料を確保しないと無用の長物だからだろうか。


 一番悩みの種になったのが簡易治療キットだ。包帯などを想像していた俺たちはしばし見つめて固まってしまった。内容は、包帯と怪しい赤い液体の入ったアンプルのような容器。それに追加して、さぁ刺せと言わんばかりの針がついているシリンジだった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ