Cランク試験⑩
馬車の横を通り過ぎる際にギークが顔を出してソウ達に罵声を上げる。
「おい!ガキども後ろの警戒はどうした!」
「しばらくの間警戒をしていたが魔物は前からのみきている。一応魔力探知で周囲を索敵したが後ろには魔物は居なかったので前方への支援に向かう!」
ソウが言い返すとギークは更に怒鳴りながら声をあげる。
「ガキはすぐに目先の手柄に飛び付こうとする!俺たちは今チームで動いてるんだ!ちゃんと後ろの警戒をしとけ!」
「それなら貴方たちが支援に向かうんですね!」
「俺たちは馬車の要人を警護してるんだそんな簡単に要人から離れたりしないさ!まぁ前の奴らが助けを求めたら助けてやるさ!それまでは自分の持ち場での警戒だ!」
ソウがそう言い返すとギークが少し笑みを含んだ顔で答える。
(まともそうな感じの答えを言っているがギークはリグル達を弱らせるのが目的のようだな。大方腹いせかリグル達が弱った所で手柄の横取りかってことだろう。)
ソウがそう感じて2人に目配せするとリカとナジャも感じとったようで頷きを返してくれる。
ソウ達はギークを無視して馬車の前へ進む。
後ろでギークが叫んでいるが無視してある程度進むとソウはリカとナジャに馬車の方の警戒をしながら前方から抜けた魔物が来たら倒すように頼むと2人は了承してくれた。
2人に後方を任せてリグル達の方に向かうとヘルハウンドと戦闘中のリグルに声を掛ける。
「リグル、魔物は前からだけ来ている!後ろは問題ないぞ!」
後方からの襲撃も警戒していたリグル達にソウは近づきながら伝える。
「そうか、助かる!リズ聞いてたか!前だけに集中だ!」
「聞こえてたわよ!」
見晴らしの良い木に登っていたリズは矢を引き絞りながら答えるが放たれた矢は正確にヘルハウンドの頭部に突き刺さる。
(凄い命中力だな…)
ソウがそう思いながらリズの方を見ていると死角から一匹のヘルハウンドがソウの首元に噛みつこうと迫ってきた。
「ソウ!危ない!」
リグルの心配する声が響くがソウは身体を捻ると共に纏で強化した拳でヘルハウンドを殴るとヘルハウンドはそのまま吹っ飛び木に激突した。
リグルは声を出した手前恥ずかしそうにしていたがそのまま無かったことにするように目の前のヘルハウンドに切り掛かっていた。
15分程すると襲ってきたヘルハウンドは全滅しておりリカとナジャも近づいてきた。
リズも木から降りてきておりリグルとガナの側に近づいてきた。
ソウがリグル達の方に近づいていくとガナが少し茶化すようにリグルを揶揄っていた。
「ソウ!危ない!」
ガナが揶揄うとリグルは思い出したのか顔を赤くしてガナの脇腹を小突いていた。
ガナもリグルに謝りながら弁明をする。
「まぁ普通あの速度の魔物が死角から来ていたら声を掛けるさ!あれを普通に対応するソウが凄いんだよ!」
リグルも納得したのかソウ達に振り返り礼を言う。
「いや、助かった!普通なら馬車の警護をしているアイツらから先に援軍が来るはずなんだが中々来なくてな…」
そう言いながら馬車の方を睨む。
ソウはこっちに援軍に来る際にギークと話した内容をリグル達に伝えるとリグルは憤慨してギーク達の所へ行こうとしたがガナとリズが試験官への印象が悪くなるからとリグルを止めて一旦は収まったがリグル含め暁の翼パーティは不機嫌な状態だ。
ギーク達にパーティを危険に晒されたんだから無理はない。
そんな中、馬車は戦闘が終わったのを感じとったのかゆっくりとソウ達の元へ近づいて来た。
馬車が近くとギークが顔を出してリグル達に声を掛ける。
「ヘルハウンド程度の魔物もサッサッと倒せないのか!やはり俺がリーダーをやってやろうか!」
ギークの言葉にリグルが言い返す。
「そもそも馬車に載っているそっちが馬車の安全地帯への誘導や状況確認、援軍派遣などの的確な指示を出すのはどうした!」
リグルに問題点を指摘されるとギークは悪びれることもなく答える。
「あれ位の魔物俺たちならもっと早く倒せたから馬車を移動させなかったんだ!それに援軍指示を出す前にガキ共が出しゃばって行ったから俺達は後ろの警戒もしながらあそこで待機していたんだ!」
ソウがその時の状況を話そうとすると状況が悪いと感じたのか早く先に進むぞと言いながら馬車を進めるように指示をだす。
リグル達が着いて来ないのを見ると早く前方の警戒をしろと怒鳴る始末である。
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