Cランク試験⑨
馬車が街道を進む中でソウは魔力探知のやり方を模索していた。
最初は魔力を薄く伸ばしで探知をしようとしたが魔力の加減が難しくルビーにアドバイスを貰っていた。
『これは加減が難しいな…ルビー何か良い方法はあるかな?』
『主様たちは常に魔力を飛ばして周囲を探知していたけど魔法に薄く魔力を混ぜて探知をする種族もいたわね。』
『魔法に魔力を混ぜるってどうやるんだ?そもそも魔法なんだから魔力は入っているだろ?』
『そうね。言い方が悪かったわね。魔法に探知の術式を混ぜて発動するってことよ。』
『複合魔法ってことか?』
『確かそんな感じの呼び方だった気がするわ!』
そんな会話をしながら魔力探知を使ってわかったことが少しある。
まず魔力だけを飛ばしてする魔力探知は魔力を発する生物を探知することが出来て無機物などは探知出来ないが余り相手に気づかれ難い長所があった。
次に風魔法や光魔法に魔力を混ぜて探知しようとすると範囲も広くなり物体なども大体の位置がわかるのだが混ぜた魔力が大きいのか弱い魔物はソウの魔力に触れて逃げるように遠ざかっていったので魔力察知が優れているモノには気付かれるようだ。
実際最初に魔力を多く込めて飛ばした時は馬車の中でラルグさんとリアナさんがザワついたのがわかった。
『これは加減が難しいな…魔法に魔力を混ぜると無機物までわかるし便利なんだけど魔力を察知出来るやつは気がついてしまうんだよな…』
『込める魔力の量が多すぎるのよ。もっと加減してせめて馬車に乗ってるあの人間たちには気付かれないようにしないと強い魔物には使えないわよ。』
『わかってるよ。それよりも魔物が近づいて来てるのを教えないと…俺のせいかも知れないし…』
ルビーにダメ出しを受けて魔物の接近を伝えようとしたがその前に前方のリグル達から注意喚起の声が掛かる。
「前方から魔物が来てるわ!」
リズがそう言うとリグルは魔物が近づいて来ている方向に視線をやるリズに近づいて尋ねる。
「リズ、数と距離は解るか?」
リグルの質問にリズは上空を見上げる!
視線の先に目をやると上空を一羽の鳥が旋回しているのが見えた。
しばらくするとリズが声を上げる!
「ヘルハウンドが前方から多数接近中!数は10匹以上!」
それを聞くとリグルとガナは馬を降りて戦闘体制に入る。
リグルは剣を抜きガナは槍を前に出しながらソウ達に指示をだす!
「前方の魔物はこちらで対処するから後ろから挟み撃ちにならないか警戒を頼む!」
ソウは何故リグル達が馬から降りるのか不思議だったが言われた通り後方の警戒をしながら観察する。
そしてヘルハウンドとの戦闘に入るとリグル隊が馬から降りたその理由がわかった。
ヘルハウンドは犬型の魔物でソウが倒したデュアルヘッドウルフよりも小さくすばしっこいのだ。
リズが牽制に弓を放ってはいるが何発かは当たっているが上手く避けて近づいて来ている。
馬を全速力で走らせれば突破出来そうだが小回りが効きづらい馬車だと逃げ切るのは難しそうだ。
何より馬上での戦いは小回りが効かないのでヘルハウンドとは戦いづらいからリグル達は直ぐに馬から降りたのだ。
(一応魔力探知で周囲を探知したけど他に魔物は来ていないみたいだけど加勢した方がいいのか?でも後ろを完全に警戒しなくていいのか?)
ソウがあれこれ考えているとリカとナジャから声を掛けられる。
「ソウ、後ろからは魔物は来てないぞ!」
「ソウさん私達も加勢しましょう!」
(これは俺の完全な経験不足だな…どうせラルグさん達には勘づかれてるんだし何か言われたら魔力探知で確認したと言えばいい。何より魔物の特性を見抜いて素早く戦闘判断する技術や集団での戦い方も見習わないといけないからな!)
ソウは心の中で反省してリカとナジャに指示を出す!
「俺たちも加勢するがリカとナジャは周囲を警戒しながら後方からの戦闘支援を頼む!」
そう言ってソウ達はリグル達の方へ加勢に向かった。
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最近やっと暖かくなって来ましたね!
季節の変わり目ですので風邪などに気をつけてください♪




