Cランク試験⑧
リグル達を先頭にソウ達は馬車を護衛しながらタギアツの街を出た。
御者の経験も無ければ馬に乗ったこともないソウはリカに教えて貰いながら馬を操り馬車の護衛につくことになった。
馬は全部で5頭おり先頭のリグル達3人は1人1頭に乗って2頭をソウ達が乗っている。
門を出る際に馬の背に乗りながらグランが居ないか探したがそもそもソウ達が入る時に通った門ではないので見つからなかった。
ソウがそんなことを考えながら馬に揺られているとリカから声を掛けられる。
「ソウさんどうしたんですか?」
「いや魔核の森とは違う出口だからちょっと気になってさ!」
「ソウさんは魔核の森の方から来たんですもんね。」
「そうだけど俺そんなこと言ったけ?」
「ギルドにデュアルヘッドウルフの素材を持ってきたから噂になったんですよ。デュアルヘッドウルフはこの辺りだと魔核の森にしか居ませんから。」
ソウとリカが話始めるとナジャも話に入り喋り始める。
「魔核の森は魔物が強いからな!その分いい素材が手に入るんだけど値段がな…それでも毎年一攫千金を夢見て奥に行った冒険者のパーティが行方不明になっている死体も無いから魔物にやられたのかダナイーム帝国に連れて行かれたのかもわからん」
「ダナイーム帝国ってのはここから違いのか?」
ソウの言葉にリカとナジャは信じられないモノを見たような顔を向ける。
「ソウはダナイーム帝国を知らないのか?」
「親から教わったり」
リカとナジャの話からすると魔核の森とその奥の山脈を隔てた先にダナイーム帝国があるがハンマール王国とは敵対していることがわかった。
ダナイーム帝国は元々は小さな部族が寄り集まった集合体だったらしいが周囲の村などを侵略していきやがて帝国と名乗るようになったらしい。
ダナイーム帝国には海に面した土地はあることはあるのだが海流が激しく漁や航海などには向かない為、穏やかな海を求めてハンマール王国に攻めて来ているが魔核の森を突っ切って攻めてくるには魔物による損耗が激しく面倒な為に現状は大きな戦にはなっていない。
だけど毎年春から夏頃になると山脈づたいに部隊を送ってきて戦を仕掛けてくることがあるのでタギアツの街には軍隊が配置されており冒険者も多く在籍して貰えるように色々と優遇されているとのことだ。
そんな話しをしながら進んでいると馬車の方から怒声が飛んできた。
「何を話てるんだ!しっかり警戒しやがれ!」
そう言ってきたのは御者を任されたガーラだ。
どうやら自分だけ御者になって中でゆっくり出来ないことでストレスが溜まっているらしくその捌け口としてソウ達が目に入ったようだ。
「何しろ御者の経験もない素人だから護衛任務なんて初めてなんだ!」
「そうです!なので色々と不安要素が無いように話し合ってるんです!」
「アタシもガーラ殿のように色々と出来るように頑張るぞ!」
そう言ってガーラを煽てると機嫌が良くなったのか困ったことがあったら言ってこいと言ってまた馬を走らせていた。
「ふー何とか機嫌をとったけどギーク達は馬車から顔も出さないし恐らくくつろいでるか寝てるんだろうな……」
ソウは試験官のラルグやリアナの前でギークがそんな態度が出来るのか不思議だったが考えても解らないのでひとまず周囲を警戒しながら馬車を追うのだった。
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