反省会と防具④
ダンさんにギランさんの店を紹介されたソウは少し不安に思ってることを聞いた。
「防具って大体いくら位するんですかね?」
ダンはソウのその質問に少し困惑した。
なぜならソウがどこかの貴族の庶子か裕福な商人の息子だと思っていたからだ。
この宿の宿泊費を払う際に金貨を結構持ってるのも見たし獣人や亜人に対する扱いもそうだ。
この国では獣人や亜人に対する差別は少ないが隣のダナイーム帝国では獣人や亜人を汚れた者として扱い奴隷の様に扱っている。
貴族の中にはそのことを知ってる人間が多いのでダナイーム帝国と揉めたくない貴族は獣人や亜人と関わりを持たないようにする者も多くそれは子供にも教育されている。
ソウはどちらかと言うと何も知らない貴族のお坊ちゃんな気がするがそれにしては獣人に対してはむしろ積極的に関わろうとしているように感じる。
レナがソウに懐いているのは不愉快だがソウの態度はとても優しい。
パンにしてもそうだ。
確かに黒パンは硬いがこの宿で出しているのはまだ柔らかい方だしあんな柔らかいパンの製法も普通なら絶対教えないし見せない。
それなのにソウは俺たちに作り方を教えてくれて酵母っていう素材も分けてくれて今は店であのパンを扱わしてくれている。
それなのにパンの売り上げは受け取らない。
このソウの行動が演技だって言うならダンは自分の人を見る目が無かったと潔く認めただろう。
そう感じる位ソウはダン達に丁寧に接してくれていたが最近王都から帰って来た客が言っていたことがダンは気になっていた。
最近王都では最初に人を信用させる為に自分が損をするようなことを行い信用させてから金の無心をしてくる詐欺みたいなことが流行っているらしい。
もちろん断ればいいのだがそうすると最初の恩を引き合いに出したり挙句の果てにはこっちが相手から詐欺をして商売のノウハウを奪ったと言って訴えてくるそうだ。
ダンはソウのお金が足りないようであればパンの売り上げ分と言ってお金を渡そうと思っているがその話を聞いているのでソウがもし金の無心を始めてきて払わなかったら役人に訴えてくる詐欺師だとしたらと躊躇っていた。
ダンには守るべき家族がいるしあれだけソウに懐いているレナがソウの豹変した態度を見て悲しむのも見たく無い…ダンは少し戸惑いながらソウに質問をした。
「何だ、ソウはそんなに金がないのか?幾らまでなら出せるんだ?」
ダンの思惑には気付いていないソウだがソウはダンの目を見て答える。
「んーお金が無い訳ではないけど金額の目安は知っときたくて!足りなかったらギルドで依頼を受けてお金を貯めてから買うよ」
ソウは実際自分がいくら持ってるかなどは告げなかったが特に金の無心をしてくるようなこともせず、足りなければ自分でお金を貯めると答えたことにダンはソウを改めて信じることにした。
「前にも言ったがギランの爺さんは昔は王都で店を出していた程だ。安くても大体金貨10枚以上はするがそこら辺の鍛冶師のモノより多少値は張るが絶対に良い!」
勢いよく捲し立てるダンの答えを聞いたソウだがその表情は浮かなかった。
「えっと、ダンさんごめん。お金が足りないや…金貨9枚位しか無いから少し依頼を受けてから買いに行くよ」
そう言ってソウは立ち上がり自分の部屋に戻ろうとする。
「ソウちょっと待ちな!」
そう言うとダンさんは部屋から出て行き大きな袋を持って戻ってきた。
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