訓練18
サイの攻撃を避けながらソウは鉄線の動きも観察をしていたが鉄線はサイに括り付けられているだけでクローティは鉄線を引き寄せて手元にサイを戻す単調な動きを繰り返す。
(何かを狙っているのか?それともただのネタ切れか?)
色々と腹黒そうなクローティにしては単調な攻撃を繰り返しており特にサイを手元に戻すまでも隙だらけに見えることからソウはクローティに攻撃する為に距離を詰める。
ソウがクローティに距離を詰めた瞬間クローティの口元が若干弧を描き微笑を浮かべた。
何か危ない…そう感じたソウだがクローティへの攻撃の為、勢いを付けた身体は止められずクローティと数歩の所まで近づいてしまう。
次の瞬間、ソウは先程のブルタリと同じ様に訓練場の壁にめり込んでいた。
「くっそ!」
ソウはそう言って勢いよく壁から離れるとすぐさまクローティへ向き直る。
ソウへの攻撃が余り効いてないのを動きから察し見たクローティは呟く。
「全く、規格外の化け物ですね…」
そう言ってクローティはすぐさま距離を縮めようとソウの元に駆け出すが先程までの瞬発力はなくそのまま蹌踉めいて倒れてしまった。
すぐさまラルグがクローティに近づき意識がない事を確認するとクローティを仰向けにして開放するとソウの元へ近づくき試合終了の合図を出した。
ソウは状況がドンドン進むことに戸惑いながらも最後の一連の動きに付いて考える。
(最後の一撃、アレは俺が迂闊に近づいたから攻撃を受けた…これが本当の実戦だったら…)
ソウがクローティの攻撃を耐えられたのは偶然による所が大きい。
クローティとの距離を止める為に魔力を足元に魔力を集中し逆噴射の要領でクローティとの距離を数歩手前で止められたからクローティの攻撃に対して防御が少し出来たお陰だ。
あと少し距離が近かったらクローティの渾身の一撃をまともに喰らっていたのはソウ自身が感じている。
「運と魔力量に助けられた感じだな…」
(しかもあの攻撃は俺がやっていた魔力の噴射を使った攻撃だ…)
そんなことを考えていると不意に肩を叩かれてソウはそちらに振り向く。
そこにはラルグが立っておりソウに向かって話し掛けてくる。
「流石のソウさんもお疲れですか?」
「疲れてはいるんですがそれよりも自分の戦い方がまだまだダメだって言うのを痛感したのが大きいっていうか…」
「くっ…ははは、やはりソウさんは面白いですね!
普通これだけの人数と戦闘して勝ったらもっと自分の力を誇示したりするモノなんですがソウさんにはそれがない。」
ソウは少し戸惑ったがラルグの言葉に返答する。
「いやだって戦ったていっても俺はあの脳筋と腹黒としか戦ってないし…」
「のうきん?はらぐろ?とは何でしょう?」
今度はラルグが戸惑いながら聞き返す。
「あっいや、俺の居た所ではブルタリ見たいな頭の中まで筋肉で出来てそうな奴を脳筋って言ってクローティ見たいに何か色々と企んでそうな奴を腹の中まで真っ黒ってことで腹黒と言ってたんだ」
ソウの説明を聞いたラルグは微笑みを浮かべるとソウの方を向いているがその後ろへ声を掛ける。
「そう言うことらしいですよ!脳筋に腹黒のお二人さん」
ソウが後ろを向くとそこにはブルタリとクローティが立っていた。
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