訓練16
先程までのソウの感じと違うことにクローティは気付いて立ち止まるがブルタリは嬉しそうにソウに喋りかける。
「何だ!さっきまでは距離を取ろうとしてたのに急に向き合ってきてやっと俺と殴り会う気になったか!」
ブルタリの問い掛けにソウは少し笑って返す。
「そうだな!少し正面から戦おうかと思ってね!」
「いいね!いいね!殴り合おうぜ!」
そう言うブルタリの言葉を遮ってクローティが喋り始める。
「相手が何かしようとしているのに無策で突っ込むなんてバカな真似はしないでくださいよ!」
クローティは距離を詰めようするブルタリを制止しようとしたがその前にブルタリは距離を詰めてソウと撃ち合いを始める。
その姿を見送ったクローティはソウが何をしようとしているのか少し距離を置いて見ることにした。
「オラオラ!どうした!正面から殴り合うんじゃないのか?」
そう言いながらソウに向かって拳の連打を続けるがソウはそれを避けながら反撃とばかりに鋭い拳を打ち返す。
「くっそ、中々上手くいかないな……」
ブルタリの拳を半身になって回避したソウはそのままブルタリの拳を掴んで後方へ投げ飛ばすがブルタリは投げ飛ばされる前に自分で前方に飛んで衝撃を回避する。
そこへすかさずソウが距離を詰めてブルタリの顔面へと右の拳で殴ろうとするが今度はブルタリのガントレットがそれを防ぐ。
ソウの拳はガントレットに当たり鈍い音はしたがブルタリはガードした腕を特に気にすることもなくそのまま攻撃を続ける。
その様子を遠くから見ていたクローティはソウの動きに若干の違和感を感じる。
(何か変ですね…先程までとスピードや打撃に変わりはないように見えますが動きが少しぎこちなくなったような…)
そんなことを思いながら2人の攻防を見ていたクローティだがソウがブルタリに対して左拳を放った時にその違和感の正体に気づいた。
それはお互いの距離を詰めて攻撃を打ち合っていた時に起こった。
ソウの拳がブルタリの腕ごとガントレットを弾いたのだ。
これにはブルタリも一瞬驚きを見せたがそのまま距離を詰めて攻撃を連打する。
「なんだ!なんだ!さっきの攻撃は威力とスピードが凄まじかったぞ!いったい何をしたんだ?」
ブルタリの質問に対してソウは苦笑しながら答える。
「練習の成果だな!さっきから試してみてやっと上手くいった!感覚を忘れないうちにもうちょい練習したいから付き合ってもらうぜ」
そう言うとソウはブルタリのガントレットを何度も弾きあげるように拳を打ち込む。
ブルタリもガントレットに纏う魔力を増やして防御に努めるがソウの打撃の強さと速さに徐々に防御が追いついて行かなくなりガントレットが弾かれたボディにソウの拳が入りそのまま訓練場の壁にめり込み意識を失った。
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