訓練14
身体の魔力を意識しながらそれを肉体に纏わせることにソウは苦労していた。
ソウは周りの戦いに割いていた意識を魔力を感じるように集中し始めるとブルタリのガントレットに魔力が薄ら纏っているのが見える。
「お前ごときの拳でこのブルタリ様が倒れるかよ!こっちとらあの化け物に何度もやられてんだ!」
そう言ってブルタリが攻撃をしてくるがソウはそれを避けながら魔力を纏わせる練習をする。
(くそ、絶対アイツは感覚で出来てるタイプの脳筋だ…あんな奴にも出来てるのになんで俺は出来ないんだ…)
魔力操作に関しては毎晩魔力回路を広げる特訓をしている中で出来るようになっているが魔力を体の外に留めるのが難しいのだ。
某マンガでオーラを留めるのを最初に練習していたと思うがそれが出来ないのだ。
理由としてはソウの魔力が膨大で身体の外に出そうとすると勢いが付きすぎてしまうのである。
風船の空気のようにパンパンに入った状態とスカスカな状態では最初に出る空気の量が違うのと一緒である。
しかし少しずつではあるがソウも魔力を纏わせることが出来るようになってきている。
これは魔力量がとてつもないソウだからである。
普通の冒険者達は少ない魔力をコントロールしてそれを長年の努力と経験で徐々に習得してきているのをソウは今この瞬間に出来るようになってきているのだ。
恐らくこれを感じているのは今の所はソウの攻撃を受けているブルタリとソウの事を気にしているラルグだけだろう。
「なんだコイツの拳や蹴りが徐々に強くなってきているのか?」
ソウの攻撃の力が徐々に上がっていることに対してブルタリは自身の纏う魔力を上げることで対応していくがブルタリの魔力はそう多い訳ではない。
途中退場して試合を見ていたラルグはソウの学習の速さに驚いていた。
(このままいけばブルタリの魔力が無くなるがブルタリのことですからその前に大技を使うでしょう。しかし魔力を纏わせる技術をまさか1日で体得しようとするとは…末恐ろしいですね…)
「いいぞ!いいぞ!強いやつと戦うのはやっぱりいいぞ!」
案の定ブルタリは自身のガントレットに魔力を大きく纏わせ始める。
ソウはブルタリが攻撃を仕掛けてくるのを待ち構えていたが予想とは別にブルタリの攻撃が来ることは無かった。
ブルタリが攻撃をする前にクローティがブルタリを後ろから蹴り飛ばしたのだ。
「全くこのバカタリはいつもいつも考え無しに行動して…」
そう言いながらクローティはソウの方を向いて喋り始める。
「別に2対1でも問題ありませんよね?魔力も有り余ってるようですし纏も習得し始めているようですし?」
「これは纏っていうのか?俺としては1対1がいいんだが…」
クローティとそんな話しをしているとブルタリが起き上がりクローティに掴み掛かろうとする。
「何するんだ!せっかく良いとこだったのに邪魔しやがって!」
「バカがバカなことをしようとしていたので止めてあげたのでしょう…感謝してください。」
そう言ってクローティとブルタリが言い争いを始めたので2人から距離を取ろうとしたソウだがブルタリはガントレットでクローティはサイを持った状態でソウに迫ってくる。
「くっ、2対1にオッケーなんてしてないぞ!」
そう言って2人の攻撃を交わすがブルタリの攻撃も先程までの攻撃より鋭くなっておりクローティの攻撃も遠くで見ていたものより早くなっていた。
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