訓練12
ラルグの攻撃を徐々に交わし始めるルシフだが自分の攻撃もラルグに通じない状況が続き苛立ちを隠すことが出来なくなってきていた。
「なんで冒険者を引退した職員に僕の攻撃が通じないんだ…」
そう言いながらルシフはラルグの動きを観察する。
「動きは流石に元Aランク。初級魔法には最小限で対処されている。んっあの武器は確か…!」
ルシフはニヤリと口角をあげて笑うと中級魔法の詠唱に入る。
「炎の大気より生まれし焔、私の魔力を込めしイグニス・アラヴィス、燃え上がれ!」
詠唱が終わると同時にラルグの居た場所に大きな炎の柱が現れて周囲を燃やす。
辺りに熱風が吹きつけてそれを見たルシフは笑いながら喋る。
「はは、ははは、引退した奴がでしゃばるからそうなるんだ…炎の中で後悔するんだな」
「全く周囲を巻き込む攻撃をするなんて危ないですね」
そう言いながら服を少しはたきながらラルグは何事もなかった様に現れた。
「なっ、なんであの攻撃をくらって無傷なんだ。中級魔法だぞ!その武器は初級魔法位しか吸収出来ないはず…」
「確かにこの短剣は初級魔法程の魔力しか吸収出来ませんが魔力を扱える者なら吸収した魔力を自身に纏わせることは可能なのです。」
そう言うとラルグの周りに軽い稲妻が見えた。
「くっ来るな!来るな!」
ルシフは中級魔法のイグニス.アラヴィスを連発する。
しかしルシフの魔法はラルグには当たること無くラルグは徐々にルシフに近づく。
「なぁ、お前もアイツの才能を利用しようとしてるんだろ!どうだ2人でアイツを上手く利用しようじゃないか?俺は魔法の師匠でお前は体術の指導者でどうだ?」
その言葉にラルグは足を止めて一度立ち止まると表情を笑顔にしてルシフに近づいていく。
それを見たルシフはラルグが自分の考えに賛同してくれたのだと感じ愛想笑いを浮かべて右手を差し出す。
次の瞬間、ラルグの姿が消えるとルシフの右手が宙を飛んでいた。
「ギャー、俺の右手が…」
そう言って急いで右手を拾いに行くルシフの足をラルグの短剣が突き刺さる。
「私が考えていたのより悪趣味なシナリオでしたね。そういった目的で今回はソウさんに近づこうとしたんですね。自分の偽りの才能に限界を感じたから今度は才能豊な少年を育てたフリをして手柄を得ようとしていた」
そう言って短剣の刺さっていたルシフの足から短剣を抜くと今度は左手に短剣を刺す。
ルシフが悲鳴を上げるがそれをまるで聞こえてないようにラルグは続ける。
「ずいぶん前からアナタの悪い話は聞いてましたよ。新人冒険者への行き過ぎた指導やクエスト中の他の冒険者への攻撃等どれも大きな証拠もありませんので見逃していましたが…」
そう言って短剣の刃をルシフの首筋に当てる。
「ソウさんから手を引きなさい。そして引退しなさい。今ならまだギルドの治癒室で右手もくっつくでしょう。アナタのような冒険者はこのギルドには必要ありません。」
そう言いながら首筋の短剣に力を入れていくとルシフは悲鳴にも近い声をあげる。
「わっ、わかった!いえわかりました。リタイアします。それから冒険者も今すぐ引退します。」
ルシフがそう宣言するとラルグはルシフを解放して一息つくと自分もリタイアを宣言した。
「これで多少予定は狂いましたがあの兄弟とソウさんの戦いになりましたね」
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