訓練⑧
(恐らく先程上に投げたサイから伸びた鉄線だろう。ソリドもこの鉄線に翻弄されたんだろう。)
そう考えながら足を止めているのは不味いと思いすぐさま身体を捻って半身になる。
すると先程までクローティが居た場所からハルバードの先端部分が飛び出してきた。
ハンドは何とかそれを避けたがハルバードはそのまま上下左右に突きを繰り出しハンドの動きを封じている。
その間にクローティはアーチの元へ走るがアーチも近づけまいと弓矢を連射する。
「アーチ気をつけろ!ソイツは鉄線も使うぞ」
ハンドはアーチに鉄線を警戒するように伝えながら自身もハルバードの突きを交わしながら体勢を立て直す。
(アーチの連射をギリギリで交わすのは凄いが恐らく近づくまでにはもう少し掛かる。その間に俺がコイツを倒せば2対1で囲んで倒せるだろう。)
そう考えてピリオの動きを見ると大振りの横薙ぎを放ってきていた。
先程まで細かい突きでハンドに体勢を立て直されないようにしていたのにここにきての大振りにハンドは一瞬警戒したが恐らく攻めあぐねたことで大振りをしたのだと決めつけてしまった。
なのでチャンスとばかりにハンドも体勢を立て直しピリオに向かい剣を振るったその時ピリオの持って居たハルバードの斧下の柄に鉄線が巻き付いておりその先のサイがアーチの方に向かっているのが見えた。
「アーチ気をつけろ!横から来るぞ!」
「ちっ、ちょこまかと鬱陶しい…」
自慢の弓矢をギリギリで交わしながらクローティが近づいて来ることにアーチも煩わしさを感じていたその時ハンドからの警告がアーチの耳に入る。
ピリオの攻撃の意図に気づいたハンドだったが鉄線を切り落とすには自身の両手剣では間合いに届かずならばピリオごと吹き飛ばそうと両手剣でピリオを切りつけた。
ハンドの言葉で横を見ると確かに鉄線に括り付けられたサイが自分の方に来ていたがピリオが吹き飛んだせいでサイの位置は自分を通り過ぎており鉄線だけとなっていた。
(鉄線だけなら避けるのは容易い。)
そう考えて鉄線の攻撃を避けようと屈み込んだが突然鉄線の動きが代わりアーチの腰にサイの先端が突き刺さる。
何が起きたかわからないアーチは鉄線へと視線を送るとそこには右手を血まみれにしたクローティが立っていた。
(そうか、左手のサイで鉄線の軌道を変え右手を犠牲にして高さを調整したのか…)
アーチがそれに気づき立ちあがろうとした時には回復士のリカがクローティに捉えられており気絶させられていた。
アーチも自身の傷の深さと回復役の不在による状況判断でリタイアを宣言した。
ピリオの攻撃の意図に気づきピリオを吹き飛ばしたハンドだったがピリオが吹き飛びながらもハルバードを離すこと無く真横に振り続けたのには驚嘆した。
ピリオはよろめきながらハルバードの柄を支えに立ち上がろうとするがダメージが大きくそのまま倒れそうになってしまう。
そこへクローティが戻りピリオの前に立ち喋りだす。
「これで2対1ですがまだやりますか?」
「1対1の間違いだろ!ソイツはもう立ってるのもやっとだ!」
ハンドの言葉を聞いたピリオは声を振り絞って答える。
「ぼ、僕はまだ戦える」
その言葉を聞いたハンドは突然笑い出す。
「はっはっは!威勢のいいバカは嫌いじゃないぜ!どうだお前ウチに入らないか?」
その言葉にピリオと一緒に構えていたクローティも固まってハンドを見る。
「いや、嘘じゃないぞ!元々この戦いにもソウがウチの回復士の護衛も出来ていざと言う時に前衛も出来る奴だと思い参加したんだ。だがお前はまだFランクなのにスタミナは馬鹿みたいにあるしいざという時は前衛もこなせる。そんな優良な奴を見つけたら競争相手が高いアイツよりお前を選ぶだろ!それにお前も俺の一撃でダメージを追っているのは確かだろ。今ならウチの回復士が目を覚ましたら回復してやるぞ!」
話を最後まで聞いたピリオをクローティを見る。
クローティはピリオに対して言う。
「良い提案では無いでしょうか?仮にあの男を倒したら共闘は終わり。アナタは今度は私に倒されることになりますし私も手加減せずに腕の1本や2本削ぎ落としますよ!」
クローティの発言を聞いたピリオは
ハンドの提案を受け入れてセイバーズに加入することを約束した。
こうしてピリオとハンドはお互いリタイア宣言をして回復士のリサを拾い上げ会場を後にする。
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